まさかすぎて驚きが隠せないヨ!
壁に後頭部をぶつけた、地味に痛い。
表面的な痛さではなくのなんか、脳がびよーんてなった痛みだ。
実際はそうでないことは分かっているのだが、痛いものは痛い。
体が重い、なんだが凄く眠い…あー…とりあえず…寝よう。
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「ふぁ〜…ぁぁぁ…なんか…寝すぎた気がするんば………あ?」
ふかふかのベッドで目覚め、割と気持ち良く起き上がろうとする、だが体が異常に重くて起き上がれない。
「んんんん?なんやなんや」
手も足も押さえつけられている訳ではなく、体の上に乗っているものも軽い布団1枚である。
……ん?あれ?私こんな布団持ってないんだが?
って、あれ?なんだこの天井…高そう…じゃなくて、え?何処ここ…
あれ?誰かが歩いてる音がする…
女の人だ、昔のメイド服の様な物を着ている。
話しかけるべきかな…
そんなことを考えていると
「お嬢様、今日はとてもいい天気ですよ。早くお目覚めになって……えっ…!?」
彼女は酷く驚いた顔でこちらを見てきた。
「おっおっおっ」
驚きのあまりオットセイの様になってしまった彼女はどうしたらいいのかわからないと言う様子でオロオロとしていた。
よく分からないがとりあえず話しかけてみよう。
まずは起き上がらないと!
だが起き上がろうと頑張ってみてもやはり体が重い、もぞもぞしていると、スッと彼女は私を起こしてくれた。
「あっあの…んんっ!こっこれは…」
小声でなく普通の大きさの声を出そうとしたところ声が掠れて声が出ない、なんだこりは…
彼女はハッとして、テーブルの上にあったコップに水を汲んで渡して来た。
「あっありがとうございます…」
掠れた声で一言お礼を言うと私は水を飲んだ。
自分が思っていた以上に喉が渇いていたのかコップの水を一気に飲み干した。
「ふぅ……あっあの…お水、ありがとうございます…えっと…こ、ここって…あの…うんと…どっどっどこでしょうか……!」
いけない!私は初対面の人とまともに話せないガチのコミュ障であった。
「覚えていらっしゃらないのですか…?」
彼女は悲しそうな顔でこちらを見てくる。
えぇ…知らないよォ…
「あっえっと…すみません…」
「そうですか……旦那様と奥様を呼んで参ります…」
彼女はしゅんと落ち込んだように部屋をさって行った。
なんだろう…なんかものすごく申し訳ない…
そんな気持ちで、彼女の言っていた、旦那様と奥様を待った。