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前日譚/失われた彼女の、惜別と悔やみと決意


「・・・・ユウト・・」


駆けつけたバラックには、微かに息をしているユウトが横たわっていた。


・・何で生きてるんだろう。




こんなに血だらけ、なのに。

こんなにボロボロ、なのに。

こんなに・・全身、腫れあがっているのに。


ダメ・・・。

此処には居られない。



バラックから出て、逃げるように離れた。




「・・・っく」



「ぅ・・、ぅうっ」




「う、ぅあっ、ああ、ああぁ、あああぁあぁぁっ!!」




『出来れば、亜人に優しく接してね・・』

あんな事、言わなければ良かった。


バラックの中、ユウトに寄り添う様に座り込む半裸の亜人の少女・・彼女を助けようとして、あんな事になったらしい。


弱っちくて、すぐに負けてしまっていたユウト。

アレッサ相手だと、一歩すら動かせられなかったユウト。

接近戦の苦手な私相手ですら、1分も持たなかったユウト。

自分が弱い事は分かっていたハズなのに。


『出来れば、亜人に優しく接してね・・』

別れ際に、あんな事すら言わなければ。

よりにもよって、私が言わなければ。


いや・・そもそも、私なんかと出会わなければ・・。

カシュッ




カシュッ



カシュッ カシュッ



カシュッ カシュッ カシュッ


足音が近付いて来る。

この機械的な足音・・。

《大丈夫ですか・・?》


「・・・ユウトの何倍も大丈夫よ・・」

《・・彼の傍に居てあげて下さい》

「・・・」


《・・聞きたく無いかもしれませんが、聞いて下さいね》

「・・・」

《・・彼には時間がありません。簡易的に診断しましたが、かなりの量の出血をしています。それと・・恐らく、内臓が複数 破裂しています。急ぎ、収容して治療しなければ・・彼は、死にます》

「・・・」

《この距離まで、隔離都市から必要機材と医療スタッフを呼び寄せるには時間が足りません。現在、最短の位置にある小型ゲートに医療班を待機させています》

「・・」

《彼に付けた医療タグのGPSマーカーが近付き次第、該当ゲートを開けます。その際に、付近の複数のゲートやスラムの更に外で注意を引きますので、その間に収容します》

「・・」

《その収容と併せて、ゲートを開放する短時間に亜人の方々を、可能な限り、招き入れます》

「・・」

《すでに秕さんは動き出しています。疾患持ちの方や幼子など、予定時間に間に合いそうな方々を招き入れる予定です》

「・・」

《・・あと》


「・・・・あと?」

《今のままでは、収容にすら間に合わないかもしれません》


「・・さっきの」

《さっきの?》

「・・収容の順序を変えれば、間に合うんじゃないの?」

《ええ。目立たない様に亜人の方々を収容し、最後に私が彼を抱えて飛び込むのが確実でしょうね?目立つけれど、目立つ私で最後なので問題ありません》

「・・試したの?」

《・・すみません。どの程度落ち着いているか確認する為に、試させて頂きました》

「・・落ち着いてるわよ」

《そうでしょうか?・・心の底から煮えたぎっている様に お見受けしますが》

「・・貴女、嫌いなタイプだわ・・!」

《嫌うのは構いませんが、彼の収容が先かと》

「・・分かってるわよ」

《では、行動しませんとね》

「・・やっぱり嫌いなタイプだわ」



「ところで、『注意を引く』って、何をするの?」

《『私』側で、緊急収容をします。遠くから分かる様にライトアップし、複数の対象ゲート毎に『女性』『亜人』『孤児』『母子家庭』で分けて収容します》

「・・・男は?」

《今回は対象外です》

「騒ぎに なるんじゃないの?」

《ええ。騒ぎになったら、即終了です》

「・・その やり口は好きよ」



「急いで・・!」

「辛いのは分かるけど、『中』に入れば治療が受けられる・・!命を振り絞って・・!」

「小さい子を優先させて・・!その子達が人間に汚されてしまう前に、『中』へ・・!」

「時間が無いわ・・!間に合わなそうでも、ゲートに急いで・・!」


こういう時、亜人の発達した聴覚は かなり役立つ。

人間達には聞きとれ無いギリギリの声量で ささやきながらスラムを駆けた。

そこらのバラック、廃屋の裏、路地の奥で客引き中の者、心当たりのある場所は全て周りたい。

周りたいのに、時間が無い。

・・地の理も無い。普段、私が巡回してるのは こことは反対側だ。この辺りは 大雑把にしか把握できて無い。


・・すでに小型ゲートは開放されている。


目立たない様に、闇に紛れそうなゲートを開けたらしく、ユウトの横たわるバラックからは、最短とは いかない場所だ。

ゲートの中に入った仲間が、亜人には聞き取れるくらいの音量で合図を送り誘導している。


普段、体を起こしただけで血を吐いている少女を。

逃げられない様に両足を切り落とされた少女を。

産まれたばかりで首も座っていない赤子を抱えた母親を。

少し前に暴行されたばかりで目の焦点すら合っていない女性を。

睨み付けたというだけで目を焼かれた女性を。

悲鳴すらあげられない様に喉を潰された幼女を。

料金を踏み倒されただけでなくメッタ刺しで棄てられ、辛うじて命を繋いだ娼婦を。

亜人とバレただけで公衆の面前で輪姦され、隠れ潜む様になった少女を。

誰よりも知的だったのに、強姦の果てに絞殺されかけ脳障害を抱えた女性を。


皆で手分けしてゲートまで運んだ。

ほとんど開いていない様にも見えるゲートに、詰め込むように押し込んでいく。

内側から引っ張ってくれているのか、瞬く間に引きずり込まれていく。


時折 人間の少女も混じっているが、亜人に手を引かれていたり、私達よりも酷い有り様だったりするので黙認する。

例え『人間』でも、『男に酷い目に会わされている』点では仲間だ。

せめても、抱き締めてから送り出した。


『中』で反目し合う事が無いように・・と打算もあるが、今は気持ちのままに接しようじゃないか。

『図書館』で読んだ本の中に、『情けは人の為ならず』という言葉が有った。

まさしく今この時の為に有るような言葉じゃないか。



駆け込む亜人が途切れ途切れになってきた。

ひとまず、近場の亜人は収容出来たらしい。

でも、きっと、甘過ぎる 楽園への誘いは信用されなかったのだろう。

スラムの暗闇から、刺すような視線を いくつも感じる。

外壁の照明も落とされた、一切の灯りも無い不自然な暗闇。

なのに、胸が締め付けられる程の、射抜く視線だ。

・・この視線のほとんどは、亜人だろう。

間に合って欲しかった。

信じて欲しかった。


・・まだ間に合うの・・!

来て・・!


「もう居ないのかしら・・」

「うん・・声かけれた範囲は逃げ込めたのかもな・・」

「じゃあ、シメね・・!」

「ああ!合図送るよ!?かぐらっ!!」


暗闇からの変わらぬ視線を感じるけど、この人達はきっと、来ないだろう。

「・・お願い」


「よしきたーーっ!!」

パシュッ・・!


夜空に、とてもじゃないが黒くて『見えない』狼煙が上がる。

いつもは昼間に使う奴だけど、目立たない様に・・と採用された。

《識別出来ますっ♪》と答えた『マザー』を信じるしか無いだろう・

ドッッ・・!!

「っ!?」

「何だ!?」

「おい!あれっ!!」


離れた場所から、空高く突き刺す様に、白い光が天高く伸びていた。

「あそこは・・」

多分、ユウトが横たわっているバラックの辺りだ・・!

「じゃあ、アレがっ・・!?」

こちらに向かって、『光』が迫って来る!

白い、白い、真夜中とは思えない輝きが迫って来る!

ゴッッ!!「っ!!」


光が弾けた。

目も眩む『輝き』がゲート前に現れた。



「・・・これが」

これが、『マザー』・・。


急激に収まる輝きの後には、輪郭も朧に『狩人』が立ち上がろうとしていた。

その周りから、渦巻く様に光の奔流が散っていく。

《早く!》

!!

『狩人』の前に、血だらけのユウトと、あの少女が座り込んでいた。

もうここまで来たら、多少は我慢してもらうしか無い。

皆でユウトを抱え上げてゲートまで急いだ。

こころなし、ゲートが さっきまでより開いている気がした。

ゲート前にストレッチャーがあるのが見えて、そこに乗せた。



「・・間に合って・・!」

ユウトの乗せられたストレッチャーが運ばれて行く。

「かぐら!ぼけっとしてないで早く行け!」

いつの間にか来ていた しいなが視界に入り、『そうしよう』と思っていた事に覚悟が決まる。

「・・・そうね」

「アレッサによろしくな・・」

「・・貴方は行かないの?」

「まだ、隔離都市を信頼出来る訳じゃないんだ・・」

「そう。・・・また会いましょう」

「ああ。またな・・♪」

そんな笑顔を向けないで、覚悟が鈍るから・・。


「ほら、行けっ!もう見つかってる。閉ま」ゴッ


・・ドサッ

ごめんなさい、しいな・・。

「兵隊さん。こいつも連れて行って下さい」


「君は?」

「・・まだ、やらなきゃ ならない事があるので」

「そうか。・・この女性の名前と、家族は?」

「そいつは しいな。『中』にアレッサという・・・・恋人が居る・・ハズ、です」

「分かった。問い合わせてみよう」

「・・よろしくお願いします」

気は進まないけど、兵隊の目を見て精一杯の愛想笑いを浮かべてみせた。

・・・。

何を思ったのか・・ハイタッチの様な手が見えたので、軽く触れる程度にタッチしてやった。



・・・。

担がれて運ばれていく しいなが見えた。

「ごめんなさい・・」

私を守る様に背中を向けた しいなを気絶させ、警備兵に渡せた。

ここまでは予定通り。


少しずつゲートが閉まっていくが、ギリギリまで亜人が走り込んで行く。



プシ・・

ゲートが完全に閉じた。


当初の予定とは まるっきり違う形になってしまったし、どのくらい送り出せたのかも分からない。

そもそも、『中』に入れると知って用意して待っているのは、反対側のスラムに居る人達だ。

私や ほむらは『外』に居るし、しいな を無理矢理送り出してしまった。


あの時に たまよさんが言っていた条件は、まだ生きているだろうか・・。

可能な限り、収容してもらえたハズだったのにっ・・!

今この時も、反対側のスラムでは 待ち続けている大勢が居るハズなのに・・!

・・・ユウトを見捨てていたら、あの時 浮かんだ予定通り いけたのかな・・・。


・・・ぅうん、まだ希望は あるハズよ。

『マザー』と知り会えた。きっと私に良い印象は持って無いハズだけど、『収容』の選抜基準の一部を知れたのは大きい。

・・かなり、大きい。


人間の・・いや、大陸の人間共の邪魔さえ入らなければ、まだまだ助けられる・・。


《行かなくて良かったのですか・・?》

「ええ・・まだ、やるこ」

!!

「・・ぇ?」


・・・・何で。

《驚かせてしまいましたね・・》


「・・・どうして・・」

崩れていた。


『マザー』の動かす『狩人』が、まるで『粉で出来た何かが崩れていく』様に、崩れていた。

《仕方ありません・・専用騎でないので》

「・・・専用機?」

《はい。私だけが動かせる専用騎です》

「それじゃなかったから・・?」

そんなことに?

《ええ。空間伝導帯電素子からの負荷に、耐えられなかったのですね・・》

「さっきの・・」

《・・はい。ほんの、一瞬、引き、出しただ、け・・なの、で・・すけ、と》

・・もう喋れないのだろう。だって、『狩人』の喉元も、今崩れ落ちた。

「・・また会えるの?」

こくん・・ ・・ザラッ

頷くと同時に、胸から上くらいが落ち・・・地面にすら届かずに、散った。


どうしてこんな事になるんだろう。

ついさっきまで『狩人』だったのに、今はもう、粉が残るだけ。


・・・いや、使える・・。


『光』は目立ち過ぎだった様で、緊急収容をしているゲートの方やスラムの方から、ポツポツと向かって来る姿が見える。

早い内に近くまで来ていた連中の目の前で、そこそこ知れ渡っている『狩人』が崩れ落ちたのだ。

それも文字通り『粉々』に。


ゲートが完全に閉じた暗闇の中・・まだ微かに輝きの残る『粉』を残して、近くに残っていた仲間達とスラムの闇に紛れて離れた。



アレッサ・・貴女との再会は当分お預けですね・・。

しいな・・私が行くまで、行くまでよ?アレッサを任せるわ。何の進展も無かったら、やっぱり諦めない事にするかもよ?

・・ゆきの、貴方にも まだ会えないわね・・。


ユウト・・生きて、『中』で今度こそ幸せになりなさい・・。

助けた子、多分・・脈有りよ?



「・・貴女達は残ったのね」

「うんー♪アンタほっとけないしさー♪」

「あたしは、アレッサじゃなくて あんたについてってるから」

「わたしは入りそびれちゃったの~・・」

「・・ほむら!隠れてても匂いで分かるわよ?」


「・・匂いとか言うとさ・・イメージ悪くね?」

「今更じゃない・・甘えんぼさん?」

「それ言うなーっ!!」

「ふふ・・♪」

「くっそ~・・かぐらのクセに~っ!」

「意味分からないわ」

「うっさい!バーカバーカ!バーカバーカっ!!」

「少なくとも、貴女よりは頭良いわよ」

「く~~っ」


「・・・たまよさんは?」

「行った」

「反対側の受け入れは どうなったの?」

「たまさんと入ってった」

「・・・入ってった?」

「うん。中型ゲートで、亜人の孤児だけ」

「・・・何人くらい?」

「んー・・40人くらいかな・・」

「・・・何て言ったもんかしらね・・」

「うん、たまさんって やっぱスゴいよ・・!」

嬉しそうにしちゃって・・。

「でも、孤児だけって・・」

「大人達は、外に向かったよ」

「・・・外?」

「うん、スラムの外。・・・」

・・・「何よ、その顔」

どこに向かったっていうの。

「・・スラムの外に、見張り場に使ってる廃ビルあんじゃん・・?」

・・・・。

「あるわね」

「あそこはアレッサも定期的に巡回してたからさ・・」

「・・知ってるわよ」

・・・・多分、仲間内で、私より あそこに関わった人は居ないと思う。

「・・」

「ほむらのくせに、気を使ってるんじゃないわよ」

「・・・そんな言い方しないでよ」

・・・・。

「ごめんなさい。あそこのコト思い出したら、つい・・」

いつもアレッサに付いて行ってたけど・・あの廃墟にだけは、行けなかった。

離れた場所で視界の端にボンヤリ入れるだけでも・・辛かった。


初めて しいなに会った場所。

初めて ゆきのに会って、共に穢され続けた場所・・。

女としての全てを、踏みにじり続けられた場所・・。

「・・あそこに 向かったっていうの?」

「・・・ぅん」

「何で、あそこなの」

「・・詳しくは知らないんだよ」

「無責任ね・・!」

「かぐら・・!・・お前のせいだぞ」

「・・・どういう意味よ」

「マザーの提案らしいんだ。詳しく話して知ってたのは しいな だけだったんだ!」

「・・・ごめんなさい」

思わず隔離都市を見上げてしまった。

しいなは もう居ない。『中』に無理矢理 送り出してしまった。マザーも居ない。マザーの動かす狩人は崩れ落ちて粉々になった。


・・・私のせいだ!


また『壁』が立ち塞がってしまった。

しかも、私のせいだ。


どうしたら良いの・・。

反対側のスラムで、あの忌まわしい廃墟で、大人達は待ち続けている。

マザーの助けを・・しいなの誘導を・・。

どちらも、私のせいで失ってしまった。


「かぐら」

「・・なによ」

「そんな顔すんな。・・・ごめん、お前のせいなんて言って・・」

・・・間違ってないわよ。


私のせいよ。


「ほむら」

「・・・なに」

「あなたは 何か聞いてる?」

「・・あんまり・・かぐらと合流して、ユウトを助けてから話すって」

「・・そう」

「かぐら・・お前なら分かるだろ。どうすれば良い・・?」



分からないわよ。


少なくとも、私なんか居なければ良かったのよ。

「・・ええ。分かるわ」

「っ!さすが かぐらだなっ♪」

「簡単よ。順番にいけば良いだけよ」

「・・順番?」

「そ。頭を使って、ひとつひとつ、解決して行けば、いずれ終わるわよ」

「・・難しいだろ」

「大丈夫。少し時間はかかるけど、何とかなるわよ」

「なるかなー・・」

「ええ。『中』で みんな笑いあって、楽しく過ごすのよ」

そこに私の場所は無いけど。

「何もかも終わらせるのよ」

「たまさんと 色々話せるかなー・・」

「当たり前じゃない。・・好きなだけ撫でてもらいなさい♪」

「うっさい!!それ、もう忘れろ!!」

「ふふっ・・♪」

「~~っ!!」



「・・何で ついて行かなかったのよ」

「・・たまさんにも、『一緒に』って言われたよ・・」

「なら、何で」

「まだまだ助けないと なんないからさ・・」

「そ・・。・・そういえば、何で隠れてたの?」

「さっきの見たからだろっ!」

「・・さっきの?」

「しいなを放り込んだろっ!」

「あぁ・・ぅん、そうね」

「・・しいな怒るぞ」

「まぁ、そうでしょうね」

大丈夫よ。もう そんな機会は やって来ないわ。


「さて・・」

「おっ。もう始めるのっ?」

「ええ。匂いが消えないうちにね・・」

早ければ早い方が良い。人間より亜人の方が鼻は利くけれど、限度もある。

早い方が良い。


「ところで、仲間はどのくらい残ったのかしら・・」

「ほとんど残ったよ」

「・・・行かせられたのは5人くらいかな」

「そ・・」

「あー、惜しい事したかな~っ!?」

「まぁまぁ・・後からの方が楽しいの見れるかもよ?」

・・・何で私を見るの。

「あ~♪楽しみだね~♪しいなに何て言うのかな~っ♪」

「・・・」

「しいなの奴、ブチ切れるんじゃん?」

「そん時は特等席で観戦よ~♪」

「おっ♪キャットファイトって奴ね~♪」

「しいな だとドッグじゃね?かぐらはキャットだけど」

こいつら・・。

「・・・止めようとは思わないのかしらね」

「楽しめるもんは楽しまないとじゃんっ?」

「・・・『中』なら、色々ありそうだけどね」

「あー、それもそうだっ♪」

「でもまー、先に『かぐ・しいファイト』を楽しんでからよー♪」

何よ、そのタイトルのセンス・・。

「異議な~しっ♪」

「わたしもー♪」

「異議有り!大ありよ・・!」

「まーまーまー♪」

まーまーまー、じゃないし・・。

それに・・悪いけど、もう そんな見せ物を見せてあげる事は出来ないわ。


「んじゃまー・・」

「いつも通りね」

「いつか終わるかな・・」

「・・生き延びるか死ねば、終わるわよ」

「やな二択・・」

「せめて、生き延びましょ」



「目には目を!歯には歯を!悪意には報復をっ!」


そうよ。

私のせいで何もかも台無しになりそうなら、私が何とかすれば良いのよ。

命にかえても、何とかしてみせる・・。



・・・数時間後、私は死ぬことになる。

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