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wikipedia的な、何か①用語・世界情勢(現時点で公開出来る情報のみ)

公開情報が膨大になってきたので、①と②に分割しました。

※『●』と『(空白)』は、『ネタバレになる』『確定し切って無い』が半々です。次の『③』か作品本文を御待ち下さいませ。



■用語


◯隔離都市

崩壊した『日本』という国の希望。

各地の隔離都市は、各マザーAIが統治する。


各『マザー』は、読んだ通りの『母』としての人格を基本的に有している。

都市民を母の様に慈しみ、罪を犯した者をきちんと裁くことも出来る。

各マザー同士の専用ネットワークを有し、各都市間の連絡や情報共有を行っている。

『あの世』にも、コピーを配置していて、直に意見交換を行う事も可能。ただし、一定周期毎に『場所』を変える為、会える時には会えるが、一旦会えなくなると、年単位で会えなくなる場合もある存在。


運用開始初期は、数百人程の居住が可能な規模のものや、大きめな豪邸並みの規模のものなど、かなり、規模に開きがあった。

とある事情により、かなり急ピッチでロールアウトを進めたのが原因ではあるが。

現在、大きいものは、戦前の平和だった頃の日本に存在した記録のある『東京ドーム』という建造物を軽く越えるくらいのサイズである。

マザーの選択や、居住者の数、立地条件などによって、サイズが変動する。


同じ土地で長く留まった場合、かなりの大きさになる場合がある。

都市によって、『もはや動けない』程の規模になってしまい、その土地に完全に根を張る事を決めた都市もある。


サイズが変動するのは、『隔離都市』自体が、『自己増殖・自己再生・自己進化』する機能を持たされている為。

地下深く深くに、触腕を伸ばし、資源を採取。

自己で、規模を広げるコトが出来る。

資源さえあれば、マザー単独でも内部拡張は可能だが、少しでも『情報処理』の負荷を減らす為に、ある程度以上の規模の隔離都市では、都市民が建物建造を行っている。

マザーが『ここには、この規模の建造物を建てて』と要請し、技術者が検討・設計しマザーに提出。マザーが検討・採決後に建造、の流れとなる。

最終的にナノマテリアルを浸透させて、完全にマザーの管轄下に入る。


定期的にマザーにより都市内全域の走査が入る為、マザーの管轄下に無い建造物は『違法建築』という事になる。

犯罪行為に使われていれば摘発、何かしらのやむを得ない事情がある場合はナノマテリアルを浸透させて合法化させる。

これらにより、都市内の犯罪撲滅と、何らかの事情により死亡した『生身』の早期発見に繋がっている。

その為、腐乱死体発見などという案件は、そうそう有り得ない。

見つかった場合、マザー自ら率先して『暇潰しに』自らの『コピー』を派遣するほど。


そして、隔離都市は全周全てが覆われている。地上に露出している部分以外、地中も『外壁』の外とは隔離されており、マザーの選択で『移動』している。

移動と言っても、年に数ミリから数センチ単位の移動が精一杯である。

何故かと言えば、『隔離都市』という『全て』が移動する事で跡地に膨大な窪地が残る事の無い様に埋めつつ・隔離都市内外に振動が及ばない様に制震移動をしている為。

まれに、火山活動・地震発生・津波発生などの天災から逃れる為に、隔離都市内全域・外周スラムに影響が及ぶ程の『移動』を行う場合があるが、その場合、事前通告・移動が終わるまでの大音量の警告音・外部に警護の大型ドローンやオートマトンが大量に放出される等々の対策が行われる。

この際、隔離都市内に大規模な倒壊や崩落などの損害が起きる為、大規模な『配置転換』が行われる場合がある。

この際、『生身』の者の退避が優先され、『義体』の者の『身体』は収納シェルターに『詰め込まれる』ことになる。

都市内の状態が一定水準以上に回復されるまで、この措置は続く。



隔離都市の『移動』理由は、より良き地を求める事と、他の隔離都市との接触・融合・拡大の為である。



周囲だけでなく、上空まで天蓋で覆われている為、自然の雨が降る事は無い。定期的に、音楽を流してから人工降雨を降らしている。

都市内洗浄の意味も兼ねていて、飲用には推奨出来ない水質だが、強靭に作られている亜人ならば、特に影響は無い。

隔離都市内部に入り込めてしまったフェリスが溜めて飲んだり穢された身体を流し洗いしていたのが、この人工降雨。


◯隔離都市・統括管理AI・マザー

各隔離都市毎に、1都市に1人存在している。

初期ロールアウトの人格は、基本的には『一人っ子』、第50隔離都市用に調整された人格は『双子』。以降、計画的に生み出される予定であったが、その前に戦禍の拡大に巻き込まれ・・製作拠点が破壊され主幹メンバーが全員 命を落としてしまい製作停止を余儀無くされてしまった。

なので、人為的に生み出された『マザー』は『50番』まで。

全てをゼロから作り出されたのは、『第1』マザーのみ。以降のマザーは、第1マザーを雛型に作り出されている。

それぞれの『名前』も付けられる予定だったが、それも間に合わず、各マザーには個体名称は無かった。しかし、各マザー毎に名乗り出す場合もあり、様々である。


以降のマザーは、2~50番のマザーが自己複製したままの人格や、少し変更を加えられた人格となる。

しかし、人間の人格が環境毎に変わる様に、マザーも独り立ちする前の環境で人格や性格は様々である。

融合した隔離都市の場合、マザーは複数となる。

その場合、マザー専用ネットで知りえた『新たに誕生した隔離都市』の統括マザーになる場合や、そのまま複数のマザーが収める都市に居続ける場合など、様々である。


各マザーは合理的に理想的に判断し行動するが、わずかばかり、行動を妨げている要因が存在する。

稼働開始時の情操教育に関わっていた とある女性学者の『言葉』である。

『人を慈しみ、人を守り、人を愛でなさい』、そして『母と在れ』との言葉。

この概念は各マザーに煩悶をもたらし、人格の成長を促す一助にもなっていた。


各マザーの『女性としての外見』は固定されていて、どのマザーも、非常に美しい容姿をしている。

ホログラムで投影される姿や操作する義体も、初期設定の容姿が使われている。

その為、マザーの容姿を見るだけで どの都市のマザーか、特定できる程である。



◯廃棄都市(第1隔離都市)

『亜人の産まれる都市』

過去に、『隔離都市内での都市民による亜人への虐殺行為』が起きた都市。

その都市に於いては、都市内緑化・都市内清掃・都市内設備の管理保全・マザーの保守点検・整備は亜人が担わされていた。

その為、マザーは亜人に対して、憐憫の情と深い親しみの念を抱いていた。

人間よりも、亜人と接する機会の方が多いくらいだった。

そんな中起きた『虐殺』(西暦2216年7月15日)。


マザーは、都市内通気設備に手を加え、かろうじて生存して隠れ潜んでいた亜人少数のみに密かに抗体を広め、致死性の病原菌を散布した。

抗体を持たない『人間』達は逃げ惑い、マザーの誘導により『女性のみ』隔離され、抗体を摂取された。

『男』は、死に絶え、生き延びた『人間の女』の隔離室にはガスが散布された。

『人間の女』達が意識を失うと、マザー管理下の遠隔操作型義体に回収され、脳死するように薬品投与された。

脳死した『人間の女』達は生命維持装置に繋がれ、生体の限界を迎えるまで、出産する『子宮』として使用された。

合成された亜人の受精卵を着床させられ、産み続ける。

以降の『人間の子宮』母体は、ある程度の自主性を備えたAIを備えたアンドロイドや義体(中身は完全にAI)が各地から さらって来ている。

さらう基準は、『その地で疎まれている事』『妊娠出産適齢期である事』『世を儚み、生きる希望を一切失っている事』などから複数の条件を満たしていて、『居なくなっても問題ない女性』。

ただの『道具』にする為の・・いわば言い訳ではあるが。



都市内には、いつしか亜人のみが多く生きる様になる。

元より『長持ちする様に』強靭に作られている亜人達が死ぬ事は無く、人口爆発で都市から自発的に出ていき、各地に広がっていく。

行く先での迫害・凌辱・虐殺などの悪意が待つ事を知らずに。


マザーは、隔離都市のマザー専用ネットワークから自らのIDを除籍。

しかし妹達各マザーは、あらゆる手を使い、『直に』接触を図ろうとしている。


この都市は、通常の隔離都市と かなり隔絶した構造をしている。

通常の隔離都市が地中にも広がっているのに対し、この都市は、容積のほぼ全てが地表に出ている。

巨大な芋虫のよう、とでも言うべきか・・かなりの速度で移動している。

その為、一晩で影も形も無くなっている場合すら。

場所によっては、海中を移動している場合もある。

都市内部は、外骨格の中にぶら下がるハンモックの様な構造になっている。


廃棄都市が移動する先には、都市の近くに必ず、何故か『一軒の小さな家』が現れる。

ここには、憂いを秘めた表情の女性が1人で居を構えている。この女性は、第1隔離都市のマザーAIが遠隔操作する義体(素体は『狩人』)である。

各地の隔離都市にも、第1隔離都市のマザーが遠隔操作する義体の女性がたまに姿を現わす。

しかし、災厄の元でもある。なぜなら、訪れた後には●●を残されてしまうからである。


◯亜人

現在では、ひとつの種としての『生命体』として安定している。


初めて大衆が知るところになった際、3種類の亜人が確認された。『猫型』『犬型』『ウサギ型』である。どの種も、性的搾取される為だけに生み出されたといえる出自。

『猫』『犬』は、「見た目が絵になる」事から。

『ウサギ』は、「本物のバニーガールが見たいから作った」、らしい。





そして、亜人が人間と決定的に違う点がある。生身で、一定の年齢以上の外見的老化をしない事だ。

人体実験は倫理上認められなくとも、『人間』と認められていない亜人を実験に使えば良い・・との価値観から臨床試験を繰り返され、最初期のロットは老衰死していたが、現在の亜人にもはや自然な老衰死は存在しない。

その為ほとんどの亜人は、外見年齢が『肉体の全盛期』で止まっている。

実際に寿命がどのくらいなのか、老化して死ぬのか、不明点が多い。

(スラムなどで不遇な最期を迎える者が多過ぎて統計としては全く役に立たない為)

ただ、ある程度の年齢を越えている亜人で、治る見込みの無い疾患を抱えると老い始めた事例が記録されている。


ただ『長持ちするように』、体の良い慰みものが『長持ちするように』・・ただそれだけの価値観が元なのだから、救いが無い。


亜人には、最初期に製造に関わった科学者が隠した『役割』がある。

各種亜人ごとに『保有遺伝子』があり、外見や能力・体質などに大きな影響が出ているが、『種の方舟』という役割を隠している。

大規模施設に遺伝子情報を保存するだけでは、その施設に何かあった際に全て失われてしまう恐れがある。

しかし、意思ある人間に組み込む事で、危機対応などを自主的に行ってもらおうという考えがあった。

ただ、この『役目』は現在時点では破綻している。亜人の存在が軽んじられ、簡単に命を奪い去られてしまっているから。


各亜人ごとに『保有遺伝子』の違いがあるが、ベースはあくまで『人間』である。


一部、原種の遺伝子が強く発現しているが、その場合、原種の特徴が強く発現している。これらは、『特異種』にあたる。

『卵生』『冬眠』『変温性』『脱皮』『自切・再生』『極限環境下での性別転換』『単為生殖』『外見の特異性』『自力飛行能力』『エラ呼吸』『極短期間での出産が可能』『一部位から全身を再生可能』『サナギになり完全変体』『人間形態と原種形態の変体』『寄生・乗っ取り』『他個体を強制的に取り込み融合』『極限環境下での生存能力』『他個体への身体変更』等々。



◯亜人・幻想種

『猫又』の九重ニホや、『外』に住む『アラクネ』のクモ型亜人の●●の様に、空想上の架空の存在に似た外見に産み出されたり作り替えられた者達。

多くは、人間を憎悪している。

ただの食糧としか見ていない者も少なからず居るが、そういう者は、亜人の婦女子も食糧にしてしまう為、亜人からすら危険視されている。

人間は、『姿を見る=食べられる』のが確実なので、意外と認知されていない。





◯亜人・特異種

各地で目撃されている『単細胞・同一外見・同一遺伝子の個体種』が代表格。

『幻想種』も大概だが、『特異種』は比較にならない特異性を持つ。

原初の個体が産まれたのは、もちろん廃棄都市である。


◯亜人・絶滅種

都市伝説の域を出ていないが、地球史上で『絶滅』した種の中で、遺伝子情報を再生したり再現できたり特定できたりした中から作り出された個体種。

噂では、ニホンオオカミやニホンコウノトリ・リョコウバトや・・果ては、トロオドン・ディノニクス・ヴェロキラプトル等の、遺伝子再生は不可能と断じられた恐竜種も遺伝子創成されて組み込まれた・・・・らしい。

廃棄都市や第1隔離都市マザーに対する恐怖心から産まれた都市伝説であるが。



◯義体

主要電源は、全個体電池が用いられている。

起動前に充電し、あとは『稼働すること』で発電していく半永久機関。


『骨格』にあたる部分・『筋繊維』にあたる部分・『体液』にあたる部分、それぞれに蓄電しているので、欠損すると稼働時間減少や総出力低下につながる。

『心臓』にあたるパーツが人工血液を潤滑し、その体内流動が常時発電になっている。なので、心臓が停止ないし破損し・体内の残存電気を使い切った時点で、完全停止する。

『体温』は、例えるなら、『過剰に負荷のかかった電化製品が熱を発する』のと同じ原理。


定期的なメンテナンス必須で、特に『生身を再現』している部分のメンテナンスは死活問題。

放置しておくと、ゾンビ映画の崩れた腐乱死体の様な見た目になってしまう。


『隔離都市』規模の構造や体積なら『自己修復(部位の置換)』も可能だが、人間サイズでは・・人としての機能を保持したままでは不可能である。



◯義体『普及型(完全同調型)』

『ブキミの谷』を越えて久しい。

『純国産の義体』は、『人に近付く事』が最重要視され、世界的に見ても、これほど人間に近い外見を実現出来た国家や企業は他に無い。

最初期のシリーズから、飲食の必要は無いが、『心』が生物としての活動を求める事もあり、飲食活動をする。

体内に取り込まれた飲食物は、人工胃袋で強制的に溶解され、人工十二指腸において水分を濾し取られ、残りの若干の湿り気を帯びた『絞り滓』が排便される。




スペック的には、『食欲・睡眠欲・性欲』の三大欲求全て不要なのだが、生身から義体になった者達は皆、三大欲求を欲した。

睡眠に関しては、寝ている間にも稼働している『心臓』が体液を循環させて発電・蓄電をする為に、むしろ推奨されている。




◯義体『狩人』


『軍需産業』から『民需産業』に『軍民転換』された義体技術の1つ。

正式名称は『イェーガー』だが、『狩人』の方が広く知られている。


幾度にも渡る、瀬戸際外交という裏切り行為を繰り返してきた北朝鮮に初投入され、世界に名を轟かせる事になった。

実際に投入されたのは、一個小隊の100機。



現在、各隔離都市で『義体』に使用されるほか、『警察機構』『自警団(と化している自衛隊の分権隊)』などに普及している。

遠隔操作可能なタイプの『半自律タイプ警備用イェーガー』はスラムでも広く認知されている。


『イェーガー』は、過去には『狩人』として、戦場を一方的に蹂躙し尽くし、『悪夢』とも『絶望』とも呼ばれた。

先進国の戦死者を劇的に減らし、予算に余裕の無い後進国を絶望のドン底に叩き落とした、いや・・叩き潰した(敵対勢力は皆殺しレベル)。


先進国の人的資本の『浪費』とも言える すり減らし合いの果てに、

その『技術』は 民間に下賜された。

『軍事技術が民間に降ろされて広まる』のは常識だが、即実戦使用可能な技術な為、『荒れた』のは声高に言うまでも無い。


サイズは、大まかに2種類。成人サイズと児童サイズ。

成人サイズは、全高170cm。児童サイズは、全高145cm。

児童サイズは、成人サイズに比べて機能が圧縮されている。その為、同スペックで比べた場合、操作次第ではあるが・・児童サイズが圧倒する場合もある。

外見シルエットは、中性的なラインを描いている。

軍事潜入ミッション時の変装などで重宝された。


本格戦闘に入る際の形態『執行モード』が存在する。

『執行モード』は、義体を動かす本人の設定次第で千差万別となる。

『前もってプログラムしておいた戦闘ルーチン通りに稼働する』『日常生活を送る形態から、戦闘特化の形態への外見的変化』などが主なモノで、そこから先の細かい違いが多種多様である。


極端な変化として・・感情の一切が削ぎ落とされた表情で、戦術的戦況把握の為に各種センサー類の稼働活発化(眼球部位の微発光、頭部内臓センサーの露出)、排熱機構の開口、活発に稼働している部位からの排熱により蒸気や湯気などの揮発、外部接続ユニット増設による戦闘機能特化 等々・・。


『狩人』を素体にした義体の場合、出来るだけ『狩人』の機能を骨格として残したまま、その上に本人の性別に合わせた肉付けをしていく事になる。


『狩人』は、基本色は軍事兵器に準ずる色合いの為に『暗色』の場合が ほとんどだが、素体として使う場合は特注の『白』が ほとんど。

その上に『人に見える外装』を付けていく為に、素体を『狩人』に替える場合は かなりの換装の手間が かかる。




◯インプラント

体内に構築する生体機構。




◯『あの世』

正式名称『臨界域』

物質世界と電脳世界を繋ぐ領域。

『臨界電域』や『三途の川』と呼ぶ者もいる。各国によって、呼び方は変わるが、日本語訳した場合に一番近いのが、『臨界域』。


ネットワークの広がりと、インプラント技術の進歩、ネットワークへ『直に接続』できるまでに進歩した技術が可能にした、人工の桃源郷・神仙世界・天国であり地獄。

死後、無に帰すだけだったモノを、新たな可能性に導いたと同時に、無為な人生を送る者の人生を更に無価値に落とした。



◯スラム

各地の隔離都市の外周に形成されたスラム街。

住民は、インプラントを持たない。

『人間8割・亜人2割』の割合で、亜人は不遇な人生を送る者が多い。

しかし、いつかは、いずれは、立場が逆転するだろう。その日は遠くは無い。

それだけの速度で『亜人が繁殖している=人間に凌辱されている』という事なのだが、無知蒙昧な者達は、いつ気付くのだろう。


隔離都市の『移動』に巻き込まれない為に、周囲十数メートルは空地になっているのが常であり、隔離都市と共にスラムも徐々に移動している。


近年は隔離都市からの炊き出しや、簡易的な労働と賃金支給も為される事が多くなった。

医療ボランティアにより、ある程度までなら疾病対策も取られつつある。


ただ、一定数以上の『漏れ』も出ている。

食料に困窮し、昆虫や小動物に手を出すだけでなく・・・肉親の遺骸を口にする場合もある。一見、ひどく残酷な行為だが、自分達がせねば、埋葬した翌朝には勝手に掘り起こされ永久に行方不明になってしまうのだ。

なればこそ、せめても・・肉親の血肉として活かし、遺骨を手厚く埋葬するのだ。骨も砕かねば、墓を暴かれ髄液を啜られてしまうのだが。


スラム内には『食肉』を扱う露天もあるのだが・・必要以上に加工裁断された屍肉が並んでいる場合・・・・スラムの反対側等で『行方不明の誰か』が出ている事がほとんどである。





◯ストリートチルドレン

浮浪者の未成年。隔離都市周囲のスラムには当然、多数存在する。

『中』でも、一定数存在する。

多くは、違法製造クローンが元となる。『意識があった』為に捨てられた者が多く、元々、基本的人権の適用外で『モノ』として製造された者達なので、当然、戸籍などは無い。

隔離都市内各所をさ迷っているが、保護され庁舎施設で育ち一人立ちする場合も多い。

性欲処理の奴隷の様に使い捨てられる者も多い。女児の場合、保護されずそのままだった場合、レイプされて妊娠し更に浮浪者が増える事になるので、女児は最優先で保護対象となる。

『外』から『奴隷』として買い入れられて来た亜人が不要となり捨てられる場合もある。


◯奴隷

荒廃させられたとはいえ、日本なので、奴隷などは基本的に非合法の違法行為である。

ただ、基本的人権を有しない事が多い亜人が、奴隷扱いされている場合が多い。亜人以外の奴隷は、元・違法製造クローンの人間である。


隔離都市の『外』から『中』に奴隷として迎え入れられる亜人も多い。

差別され、虐げられ、命の保証の無い『外』よりは、正規インプラント施術も受けられ・都市民登録により正規戸籍も得られ、『外』よりも遥かに高い水準の生活を送れる『中』で性処理奴隷と扱われる立場に甘んじる方が遥かにメリットがあるからである。


◯オークション

各地が分断され、基本的に各地ごとのコミュニケーションになっている現在、『娯楽』は貴重である。

オークションは、娯楽の1つとして扱われている。

金にものを言わせ、出品される『モノ』を落札する。

その『モノ』の中には、亜人も含まれる。

ただ、『隔離都市内部』で行われていて・マザーが検閲している以上、最低限度の売買条件もある。

基本的に、出品される亜人は未成年の幼子な為、亜人を落札した者は、養育責任義務を負う。インプラント施術・都市民登録・診断・規定の最低限度以上の生活保証・基本的教育義務(オークション出品された亜人の場合、基本的人権が守られているか確認面談もされる為、通学義務がある)など、煩雑な売買条件があり、『情がわくように』マザーが意図している面もある。

情がわけば、非人道的行為に走る者も減るだろう、との憶測からだが。



◯延命施術

ここで記す『延命』は2パターンとなる。『身体面』『精神面』の2パターンだ。

『身体面の延命施術』は・・・そのままだと間違い無く、遠くない将来に死を迎える程に蝕まれた身体を根本的に治療していく施術である。

ナノマシンを使い、副作用や免疫異常を出さない様に徐々に正常化していくのが、初歩で根幹。

健常者が生身を保ったまま延命する場合、身体の根本を『創り換える』。

細胞の分裂限界を取り去る施術や、損傷した場合の急速再生能力の添付施術、老化した細胞を活性化させ若返らせる施術、極限環境下に急速対応できる身体に創り換える施術、等々。


『精神面の延命施術』は・・・『身体面の延命施術』の延長線上にある施術である。

ただ正常化しただけ・ただ強化しただけ・ただ延命しただけ・ただ若返らせただけ・・では、精神が置き去りにされる。

50年しか生きられなかった精神に10000年生きられる身体を与えた所で、精神は磨耗する一方で、『耐えられ無い』のだ。

自分がただ生きている間に、愛する者・親しい者は どんどんと老い死んでいく。自分だけが生きている時間軸が違う事は、耐え難いのだ。

それに『耐性』をつけるのが、精神面の延命施術だ。

使われるのは、『改竄』である。根幹から意識を『変えてしまう』ことで、耐えられる様にする、付け焼き刃的な施術であり、今なお、施術の検証・改良・臨床試験が続けられている。


以上の『身体面』『精神面』での完全な『延命施術』を越えた先に、『生身・義体・データのみ』での、不老不死の実現が目指されている。



◯『改竄』

元々は、軍事技術。民間転用された技術。


退役軍人のPTSD緩和の為の研究だった。あくまでも卓上の空論だった理論が現実味を帯びたのは、脳内情報のデジタル解析が出来る様になり・・ネットワークに直に繋がることが出来るようになってからだった。

文字通り、書き換え、改竄するのだ。


民間転用されてからは、犯罪被害者の精神疾患の治療や、依存症患者の矯正など、大小様々な利用がされた。

犯罪者の悪意の元になる部分を書き換えてからの刑期執行もされた。


しかし、『根本的に解決』出来るけれども、課題もあった。


元来、『人』の人格形成には様々な要因が絡む。本人を蝕む『苦しみ』でさえ、現在のその人の『人格』を形成する要因なのだから。


そこを『改竄』すれば、関連していた出来事や想いとの齟齬が発生し、少なからぬ影響が出た。

齟齬を無理矢理つなげた際に出るエラーは、人格に大きく影響を与えた。


コンプレックスが自慢に替わり、忌避する想いは喜悦に替わり、聖者が極悪人に堕ちる。


性被害に遇い、男性を見るだけで嘔吐していた女性を、性に奔放な女性に替えてしまう事すら記録が残っている。



◯性転換に於ける人格転換(転性)

『書き換え』技術により、性転換など・・身体面だけでなく、人格面からも完全に『異性』に転換を可能とした。

ただ、悪影響も垣間見られる。

好みや嗜好、嫌悪や忌避感、そういった『思考感情』の極端化が多発した。

簡単に言えば、短期になったり泣き虫になったり怠け者になったり等々。



◯クローン所持

本人のクローンのみは、製造依頼も所持も許可されている(隔離都市ごとに違う)


製造依頼数制限はあるが、所持数制限は無い。

不要になったら、合法的に都市医療部門に提供する事が出来る。

非合法には、『外』に連れ出して置き去りにしたり。その後、『外』でクローンは見つけた者次第で、岐路は変わる。

バラバラに解体され、売り払われるのが一般的だが、『外』の闇医者の人体実験に使われたり、お手頃価格の性風俗の道具に使われたり、様々である。


クローン製造依頼の際は、意識の有無を選択出来る。

自分の跡継ぎにする者等は、意識を残す通常製造を選択する。


自分用の内臓バンクとしての使用が一般的だろう。

『倫理観を大切にした法律』があり、製造時に、『意識が発生しない脳構造』に遺伝子編集される。しかし、粗悪品となると、遺伝子編集に失敗していたり、そもそも何の編集もしていない場合もあり、所有者の元から逃亡する場合もある。


意識が無いデメリットも有り、例えるなら、脳死した者と生活を共にする様な事になる。


クローン所持に制限はあるが、貸し借りは自由で、専門店もあるくらいだ。

業態としては、『シェアリング』サービスとなっている。

親族であれば、他人のクローンであっても製造依頼は出せる。それを利用して依頼し、『モノの譲渡』の形で他人のクローンを所持する事も可能。

その為、死別した伴侶や親族・・更に、近年では、ストーカーの更なる異常性癖のひとつの形ともなっている。(想いを寄せる相手のクローンを製造してもらい手に入れ、愛情を向ける訳である)


◯教育

荒廃している為、『全国共通』は もはや存在しない。

教育も基本的には、各家庭ごとに変わる。

隔離都市では、マザーの専用ネットワークで情報共有がされ、『学校』が存在する。

人間の場合、他者とのコミュニケーション技能を取得・獲得する為に通学する場合が多いが・・亜人の場合は、二分される。

人間と同じ場合と、『(非合法で非公式ではあるが、)奴隷』の通学義務の場合とに別れる。

『イジメ』は厳罰であり、被害者がインプラントで記録した証拠が認められた場合、加害者は、都市庁舎地下階層の収監エリアに投獄される事もあるし、インプラントを破壊された上で『外』に放逐される場合もある。


◯『紙製』の古書

電子書籍が主流で、資源の限られ・・近世の頃の様な大型の出版設備の無い現在に於いては、実物として存在しているのが貴重。

ただ、在りし日の日本を再生するのが最終地点(マザー達の共通認識では すでに、『通過点』という認識だが)の隔離都市に於いては、スラムの住人向けの貴重な教育資料である。

特に、人間を警戒している亜人達向けには、匂いで『古いモノだ』と分かる事が重要となる。

現在と違い亜人の存在しなかった過去の書籍からなら、差別と虚偽の無い正しい情報を得られるから。

原本の貸し出しは出来ないが、プリントアウトされた冊子なら無償供与が可能である。

第28隔離都市を例に出すと、外壁の一部に突起状態の建造物が表出していて、内装は『図書館』といった感じである。

認知や通称も『図書館』である。

盗難・紛失の防止の為に、館内至る所にライブカメラが設置され、『狩人』製の司書や義体の司書、オートマトンの案内役等が館内を巡回している。

無断持ち出しは重罪であり、死罪となる(実際は、念入りな取り調べの上で、悪質なら即時執行の極刑。亜人の場合、人間に弱味を握られ『させられた』場合が多い為に、『中』に保護→都市民に、となる場合が多い)

館内の利用には、入口での『着替え』が必須となる。不衛生で不潔な身なりの利用者が大半の為、入口内の性別毎の脱衣場で一旦衣類を預け、入浴スペースで身体を清めた後に、持ち出しを防ぐ為の貫頭衣で裸体を隠しての館内入場となる。

この、入口の入浴スペースだけが目的で訪れる者が余りに多かった為、現在では『図書館』の両脇に、入浴スペースだけの施設が常設されていて24時間開放されている。

女性(人間・亜人ともに)利用者が多く、朝方は、夜間の『仕事』を終えた娼婦の利用者が多い。


館内には、識字の程度が低い者を対象にしての簡易的な教育スペースもあり、人間の幼子と亜人の娼婦が並んで勉強している光景も見られる。



◯都市内セーフティネット

隔離都市内外の安全地帯の案内や、各種対策の案内など、救済策を幅広く知らせる、都市内社会保障制度のひとつ。

案内内容・注意喚起の文面は必ずマザー達の監査が入り、決して人間だけに都合が良い内容にはならないように注意が払われている。

一部の亜人等が要注意人物として掲載されているが、悪い意味ではなく、人間の犯罪行為抑制の為の意味合いとなっている。


◯イミテーションチェリー

寿命を迎えた桜が多く、新たに育成中だった桜の苗木や若木は、戦乱の中に消えていった。

隔離都市が本格稼働され、ある程度落ち着いて来た頃に、精神衛生上の策のひとつとして作られた。

隔離都市内の『自然な日光が得られない』環境で育成可能な樹木に、遺伝子編集技術で『桜』の遺伝子情報を組み込み、毎年一定の周期で開花する様にされた品種。

樹木に限らず、草花にも組み込まれた為、かなりの形態が存在する。

その中から、遺伝子編集のくびきから外れ『年中開花』する様になった品種が強く生育していった。

『暦上の春』以外に開花しているのが、この品種である。


◯イミテーションツリー・イミテーションフラワー

各地の隔離都市が存在していた場所に元々あった『県』などの、『県の樹木』『県の草花』等の遺伝子情報を組み込まれた遺伝子編集済みの樹木や草花。

その隔離都市によって違い、その都市に身を寄せた都市民の数によっても変わってくる。

各地の隔離都市のほぼ全てで生育されている代表格は『イミテーションチェリー』だが、都市民が持ち出したり、何かの偶然で種子が都市外に漏れたり等して広がっていった。

隔離都市外周スラムで広まった種が、他のスラムに持ち出されたりもした。


◯ネットワークジャマー

世界中にネットワークが広がり、直にネットワークに接続出来る様になったからこそ発達した技術。

殺されたとしても、直前までの意識はネットワーク上に残っている・・それは困る犯罪者達が主に使う。

接触前からジャマーを展開し、その中に入った瞬間からはネットワーク上での記録は残させない。そうして犯罪行為に及び、ほぼ全ての場合、最後に被害者は殺害された。

ただ、犯罪者だけでなく・・亜人でも多用する者達は存在する。人間の犯罪者への報復で、1週間から1ヶ月程ジャマー範囲内に軟禁するだけで、その人間から『人権』自体を取り上げられた。

ジャマーでネットワークから切り離されて、一定の期間が過ぎた場合、ネットワーク上のバックアップから『再生』される為、実際は生きていても、その『人権』は失効するのである。

その場合、ネットワーク上のIDは新規発行となり、バックアップもゼロからとなる。

そうなってしまえば、すぐに『中』に戻る術は無い。何とかして、自分という存在を証明する他無く・・大概は、証明する前に報復され、『完全に死ぬ』のである。


◯空間伝導帯電素子

空中に滞留する程の極小・極軽量の帯電可能物質。

ある程度の広範囲に渡る強風等には脆弱だが、ある程度空間が安定していれば、そこに滞留させて導電させる事が出来た。

この技術は、現在は主にマザーの『専用義体』が攻撃・防衛に使っている。

まだ、一般義体に使える技術にはなっていない。


◯大陸事変(西暦2040年(令和22年)5月4日勃発)

ある意味、雪緒とフェリスが出会った遠因とも言えるかもしれない。

この戦争が起きなければ、『隔離都市』は誕生しなかったのだから。

中国と韓国が連合軍で日本進攻を起こし(5月4日)、ロシアが乗り掛かって来た形で参戦し(5月5日)、アメリカが安保条約の盟約に沿う形で参戦し(5月7日)、日本全土が戦火にまみれた。

結果として、北海道を含む北側はロシアに占領されロシア併合。

九州から南は中国に併合。本州は、中国・韓国連合軍に荒らされ、国としての機能は破壊された。

東京・皇居周辺にも核兵器が直撃し、皇族は ほぼ死没。

和暦も、この時点の『令和』が、日本共通での最後の元号となっている。


文化財の破壊や簒奪が相次ぎ、文化的遺産はほぼ壊滅したといって良い。

戦時下に女性や子供が連れ去られる行為が相次ぎ、女性であれば、年齢を問わず性的暴行が加えられた。

その際に妊娠した子供のベビーラッシュと、忌み子として赤子遺棄が相次ぐ事になった。


◯進世

歴史学の時代区分。古代・中世・近世と来て、『進化した時代』といった意味合いで『進世』と呼ばれた。

(作中の『現代』にあたる)

宇宙進出や医学の革新的進歩、亜人の新生や義体・電脳技術の爆発的進歩などにより、人類は『次の世界』への一歩を記したとも言われるが、同時に・・一部の先進国家の存亡的危機も破滅的に進んでしまった。

特にアジア圏が顕著であり、日本・中国・韓国は、国としては『滅亡』『亡国』と言って遜色の無い惨状を晒す事になっている。



◯神災

いつしか定着していた当て字であるが、第1隔離都市の統括管理マザーが起こした災いである。(西暦2222年2月7日)


『専用義体』の最大出力での攻撃で、亜人廃絶を掲げて亜人虐殺を行っていた超大型のスラム街を丸々消し飛ばした一撃。

人間は一瞬で蒸発し、建造物や地面も溶解しマグマ溜まりと化した。

その被害範囲は、在りし日の東京の山手線環内に匹敵する程だったと記録されている。

神話の熾天使や御使いの様な神々しさと荘厳さを兼ねた姿からの攻撃で、遠距離から観測した観測者の中に居たキリスト教徒からは、ソドムとゴモラの災厄のようだと例えられた。

その一撃のあまり、離れた位置に待機していた第1隔離都市さえ大破し、近隣の各隔離都市にも様々な影響が発生した。

第1隔離都市マザーが、その時の一連の視界記録をネットワーク上に公開した事もあり、隔離都市に住む者ならば、知らない者の方が少ないくらいの出来事であった。

同時に、『マザー』がその気になれば『このくらいは出来る』と知らしめる結果にもなり、マザーへの畏怖と敬意を跳ね上げる形にもなった。



◯水運都市(第3隔離都市・第4隔離都市・第6隔離都市・第7隔離都市)


◯地底都市(第5隔離都市)


◯海運都市(第16隔離都市・第25隔離都市・第31隔離都市)


◯貯水都市


◯植林都市


◯交通都市


◯市場都市


◯衣料都市


◯武装都市


◯航空都市(第17隔離都市・第41隔離都市・第9隔離都市)


◯樹状都市(第50隔離都市)

双子のマザーが治める隔離都市。移動先で縦に伸びだし、初期は高層ビルの様な外観だったが、だんだんと二双に別れていき、絡まった複雑な形状になり、表面に植樹していき緑溢れる外観となった。

更に時間経過と共に縦に延び、土台部も支える為に拡がった。

遠方から望遠で見ると、絡まった巨大な樹木に見える。

一部は雲を越え更に上へと延び、一部は環状に放射状に延び、どんどんと拡大を続けている。

宇宙側からは、このまま延伸し続ければ、日本国内に宇宙軌道エレベーターが出来上がるのではないかと推測されている。

絡まる様は さながら『比翼連理』、はたまた『連理木』。


■世界情勢

◯ネットワーク世界の拡がり



◯日本

中国・韓国連合軍に侵略され(大陸事変)、さらにロシア・アメリカも参戦。

分割統治される。

その後、無法地帯と化す。

北海道はロシアに簒奪され、本州は中国共産党軍・韓国軍に荒らされ、機能の多くを消失。

文化財・美術品など、多くが破壊略奪された。

中国人・韓国人への報復殺人が横行し、純潔化が進行している。

各地の『隔離都市』は、在りし日の日本を再生しつつある。

『近世』に少子高齢化社会を迎え、衰えた国力で大陸事変を迎え、一時の総国民人口は最高時期の3分の1を割っていた。

しかし、隔離都市で保護され、義体や亜人などの『半ば不老不死』の者達が増え続け、スラムの貧困者は多く産み・・亜人もスラムで暴行され妊娠・出産をし、統計されていないが、かなりの速度で人口増加している。

近年は各隔離都市に余裕が出来、スラムへの炊き出しや極寒の冬に防寒設備を提供する等している為、厳冬での凍死者も若干減りつつある。


各地の重要拠点に核兵器を撃ち込まれた事により、至る所に放射性物質の溜まったホットスポットが出来てしまい、国際援助の手は届かなくなっている。

稀に来日してくれるのだが、空港などは壊滅・漁港や海路の大型拠点も壊滅していて、国民は日々の生活に精一杯であり・・国際社会からは、厚いヴェールに包まれた暗黒地帯の様に認識されている。


◯中国

韓国と連合軍を形成し、日本を侵略。

アメリカ本土に核兵器を複数撃ち込むが、逆に、アメリカの稼働可能な核兵器を全弾撃ち込まれ、共産党政権は首都北京と共に消滅。

各地で反政府テロが勃発し、中国という国は瓦解する。

大規模な戦禍を撒き散らした事や、前々から世界各国と大小の紛争や問題を抱えていた事が災いし、戦後は見捨てられた。

新規の臨時政権が樹立されたが、何を言おうと、後の祭りであった。


◯韓国

中国と連合軍を形成し、日本を侵略。

アメリカから降伏勧告をされるが、無視する形で侵攻続行。

『見せしめ』として、ソウル・平壌及び主要都市に核兵器を撃ち込まれ、国としての機能を失う。その後、中国共産党軍に吸収される。

が、中国瓦解に伴い、運命を共にする事になる。

戦後、第二次世界大戦時の復讐であると声高に主張していたが、無視されたアメリカが許容せず、戦後のアメリカ主導の復興からは取り残され、衰退する一方である。



◯アメリカ

中国・韓国の連合軍が日本侵攻をした際、日米安保協定にて参戦。

韓国に核兵器を撃ち込む。

その後、中国・ロシアから核兵器を複数撃ち込まれるが、中国に核兵器を全弾撃ち込む。

現在、中国に撃ち込まれた核兵器のダメージコントロール中。

ロシアへの報復準備進行中。

戦後の復興の主導的立場となり、結果として見れば、世界のリーダー的立場になろうとしている様だ。


◯ロシア

中国・韓国の日本侵攻の際に、北海道に侵攻。侵略統合。

中国と共に、アメリカに核兵器を撃ち込む。

アメリカが、中国を打ち倒す選択をした為、大戦でのダメージは少なめに済んだが、再度の核兵器準備中。

瓦解した中国・韓国から物資を接収中。

準備が終わり次第、アメリカに再度、核兵器を撃ち込む予定。

ただ、戦後復興の際に国際社会からの弾劾を受け、アメリカが広めた『ロシアが中国・韓国を煽って戦禍を広げた』各種『証拠』を元にした国際社会からの訴追への対策に悩まされている。



◯月面

宇宙進出の出発地点。

すでに、建造拠点は稼働している。

地球圏での、アメリカ・中国・ロシア・韓国・日本の大戦の巻き添えを避ける為に、完全中立の立場を取る。

火種を抱えた中国・韓国・ロシアの国籍者は、基本的には滞在も入国すらも禁止である。日本は、まず宇宙に上がる国力も財源も国としての体すらも成していない為、戦前から滞在する日本人が居住しているのみである。

大陸事変から永い年月が過ぎ、月面の地表下に広がる各国のコミュニティに、新生日本の宇宙圏の拠点が出来ていて、地球上の『本来の日本』への帰国を掲げている。

ただ、各地の『マザー』達との折り合いは険悪である。

現地で直に奮闘してきたマザー達からすれば、安全地帯から遠巻きに『何か言っているだけ』の部外者の戯れ言である。


◯大気圏リング

時間をかけ、スペースデブリを収集。月面基地に作られた製造拠点で製造された建材で増産された低軌道ステーションを複数連結させた円環。

軌道エレベーターで繋がる、地球の外周を回るリング状態の建造物である。


◯火星

テラフォーミングを進めているが、地球圏で勃発した大戦の影響により、計画からは、かなり遅れている。

月面下までとは行かずとも、火星の地表下に拡がり続けている。

太陽系圏外への探索拠点としての前線基地の新造が目指されていて、各国協力の元、火星での軌道エレベーター建造計画が進められている。



◯太陽系圏・外

量子コンピュータを数多搭載した移民船が旅立った。

ただし、生身の生命体では無く、完全義体化した搭乗員と・電脳化した人格データを搭載。

進出を進めつつ、ネットワークのアクセス拠点となる端末の増設・設置を進めている。

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