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「大ちゃん、今日も部活行くんでしょ?」


新学期の全ての行事が終わり、今日の部活動は自由参加であったが、部活のために学校に来ていると言っても過言ではない大ちゃんの答えは聞かなくても分かっていたが、一応聞いてみた。


「当たり前だろう」



バスケ部のエースの大ちゃん。

そして、バスケ部のマネージャーをやっている、私と如月。

本当に三人はいつも一緒だった。


部室に向かう前に、如月の教室を覗いてみたけど、一組はまだ終わっていなかった。


「仕方ねーな、先に部室行こうぜ」


「待ってなくて平気かな?」


「子供じゃねーんだから一人で来れるだろう」


確かに、そうなんだけど。

私が如月の立場なら、置いて行かれるのって哀しいだろうなー、と思ってしまった。


私たちの横を楽しそうに歩く、男子生徒と女子生徒が通り過ぎた。

人の目が無かったらあの二人、手を繋いで歩くんだろうなーと思わせるほどの親密ぶりだった。


見上げると大ちゃんもその二人を見ていたので驚いた。

ちょっと前の大ちゃんなら、カップルとかそう言うの全く興味無かったのに。

やっぱり、如月に恋し始めたからかな?



「ねぇ、大ちゃん彼女欲しい?」


「はぁ?何言ってんの、お前」


勇気を振り絞って聞いてみたのに、大ちゃんに何事かと言うように、肩をすくめられてしまった。


「だって、さっきのカップルじっと見てたから」


「ああ、あれか。あれは、あの女の胸がめちゃめちゃでけーなって思って。あれで中学生か?ってついつい…」


悪びれた様子も無く、『やっぱ女は胸だな』とか言ってる大ちゃんを見てたら、さっきまでの暗い気持ちが吹っ飛んでしまった。


「大ちゃんのスケベ」


「いってー」


大ちゃんの腰を思いきりつねり、私は先を歩いた。


やっぱり、大ちゃんとこんな風に過ごす毎日が大好きだな、私。


もし、大ちゃんが如月と付き合うようになってしまったら、こんな風に二人で歩けなくなるのかな?


それはとても哀しい事だわ。


だけど、二人の恋を応援していない訳ではない。

二人とも私の大切な人だから応援したいと思うのは当たり前だった。


だけど…。


私も大ちゃんが好き。

自分の心が読めない、複雑な気持ち。


どうして人は恋をするのだろう?


いつまでもこのままでいたいと思うのはワガママなのかな?

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