冬の日
冬が来た、と思った。
青く澄みきった空から、白い粉がふわりふわりと舞い落ちている。
見慣れた街は白く染まり、そこら中が、陽の光を反射している。
冷たい空気が頬に刺さる。寒くて、痛い。けれど、不快だとは思わない。
静かで、けれど、営みがある。人々は春の訪れを待ちながらも、この冷たさと共に生きている。
見渡す限り道はまっすぐ続いていて、この道を行けば、私は一体どこまでいけるのだろう。
そんなことを、考えながら歩いた。
息を吐いたら、白く煙った。
ああ、生きているなあ、と思った。