第1話 朝の日常
帝都へ帰ったゼアルの様子。とゆうか自己紹介になりました。
帝都へ帰った次の日、ゼアルは夜明けに目を覚ました。
外へ出ると、雨が降っていた。細い銀の糸のように降る雨に少し打たれ、ゼアルは剣を抜いて構え、振りだした。
ゼアルは16歳。今は枝国となったイミル王国の生まれだ。貧しい両親は枝国となったとき、ゼアルを養うことができなくなり、路地裏に捨てた。
戦後の荒れた街で7つの少年が生き残れたのは奇跡に近いだろう。 盗みや喧嘩はもちろん、時には瀕死に陥りながらも、ゼアルは生きる術をーー力を身につけ、強くなった。
そのうち、ゼアルに刃向かう輩は1人もいなくなった。それほど、ゼアルは強かった。
そんな時にログーナに目をつけられ、10の時、軍に入隊したのだ。その異常な強さで敵兵を次々と薙ぎ倒し、その若さで【殺戮兵器】と呼ばれるまでになり、【ゼアル】の称号を得たのだ。
剣は閃くような速さで空を切っていた。
いつのまにか雨は止み、太陽の光が辺りの水の粒を宝石のように輝かせていた。
額に浮いた汗を拭って剣を納め、近くにある井戸から水を汲んだ。手拭いを絞って上衣を脱ぎ捨て、汗を拭くと、ひんやりとした風が背をさすり、心地よかった。
そのとき、背後で草を踏む音が聞こえた。
「……毎朝毎朝、真面目な奴だな。ゼアル」
気配ですぐに分かる。ドルクだ。小さな頃からゼアルの近くにいる親友だった。
ドルクはにやにやと笑って言った。
「この前のジュミルの残党兵の殲滅、大活躍だったそうだな。また褒賞金でも貰えたんじゃねえか?」
いや、と言うように首を振ると何故か笑みは深くなった。
「断ったんだろ? お前は欲が無えよな」
この男にはいつも考えていることが見透かされる。それがいつも不思議でならない。
顔を少ししかめて見せると、やっとここへ来た目的を思い出したようだ。
「ああそうだ。なんか帝王陛下が呼んでるんだ。また腕の良い医術師が来たらしい」
またか……とゼアルは軽く溜め息をついた。帝王はよくゼアルのために医術師を探し、王宮に連れてくるのだ。病気というではないのだが。
「ま、行っとけや……おう、もうこんな時間か。じゃあな、俺ぁ戻る」
宿舎へと駆けていったドルクの背を見送り、ゼアルはまた上衣をはおって家に入っていった。
次は…また自己紹介みたいになりそう…
変な文章になるかもですが、どうか暖かい目で…っ!!