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短編集

僕の夢

作者: 楠木 翡翠

 みなさんは小さい頃、両親や幼稚園の先生から「大きくなったら何になりたい?」とよく問われたと思う。


 僕はその質問に対して、いつも「宇宙飛行士になりたいです!」と元気よく答え、「将来の夢」について書かされた作文でも毎回そのことについて書いたことがあった。

 あとは卒業文集とかで自分のプロフィールの「将来の夢」を書く欄にももちろん書いた。


 そして、物心がついた頃には他のことにはほとんど興味を示さず、宇宙関連のニュースや『スペースシャトル・ことぶきの帰還』のようなドキュメンタリー映画など見て育ってきたため、両親からは「宇宙関連(その)ことに関しては積極的だね」と言われたことがある。


 僕はその職業に対して、常に憧れの眼差しを向けており、「あのような仕事をしてみたい」と目標ができたような気がしたのだ。



 ☆☆☆



 あれから何年かの時を経て、僕は一人暮らしをするため、実家の自室の大掃除をしていた時のことだった。


「おっ、作文だ。懐かしいな……」


 僕はいつ書いた分からない「将来の夢」について書かされた作文を見つけた。


『 僕は将来、宇宙飛行士になりたいと思っている。

 なぜならば、僕は宇野(うの) 晴彦(はるひこ)さんという宇宙飛行士に憧れており、彼と一緒にスペースシャトルに乗って無重力の世界を体験をしたり、様々な実験をしてみたいと思っているからだ――――』


 それが僕が書いたこの作文の最初の内容。

 先生からのコメントが赤ペンで書いてあったらしいが、残念ながら色褪(いろあ)せてしまい、うまく読み取れなくなっている。


「先生からのコメントが読み取れないくらい昔の作文だったんだなぁ……」


 それを見た僕は思わず笑ってしまった。

 その作文を見た時は僕はどれだけ「宇宙関連バカ(・・・・・・)」だったのだろうか?

 そう思うとまた苦笑してしまう。


「確か、宇野さんは火星にいるんだよな……」


 つい最近の話ではあるが、宇野さんは新たな遺伝子開発のため、スペースシャトル・あいづで火星に行っているとテレビのニュースやラジオ、新聞で知った。

 彼の実験の実績はすばらしいものだと思っている。

 たくさんの宇宙飛行士がいる中で宇野さんは今でも憧れの宇宙飛行士(ひと)だ。


「宇野さんが現役で働いている間に僕も宇宙飛行士になれればいいなぁ……」


 僕はいつかその夢を叶えたいと思っている。


 宇野 晴彦さんと一緒にスペースシャトルで過ごすという夢を――。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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