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77 いつでも…共に…

試練って…けっこう物語には必要だと思うのだ…

「森と…命を賭けて…?それってどういうことなんですか!?」


 話が突然…予想外の方向へ…。


 この森にはなにかがある?俺も知らない…なにかが…。


 隣にいるネアでさえも表情は困惑…。どうやら…ネアも森の全容については知らないようだ…。


 そんな俺たち二人の疑問に…にゃんこさんは落ち着き払った態度で説明をする…。


『この森には掟があってね…。まぁ…そんな掟なんざ今の若いエルフには伝わっちゃいないだろうけど…。その掟を知ってるのは古くから過ごしている…長老のようなやつだけなのさ…』


「はい…その掟が今言ってた…」


『そう…その1…試練を打ち破りし者には一つだけ願いを受け入れる…ってやつさ…』


「願いを…」


『まぁ…なんでもかんでも願いを叶えるわけじゃないがね…。女王様を助けるための手助けくらいならいけるはずさ…』


 願いを叶える…か…。


 森の掟が絶対…なら長老さんも動かざるを得ないわけだ…。


 でも…それを実現するために必要なもの…


「試練は…」


『この森が用意した試練のことさ…。…その全容…内容については個人によって違いがあるわけだけどね…。その試練に挑戦し…無事に達成したらいいのさ』


「…なるほど…」


 森が用意した試練…か…。


 たぶん…かなり特殊なものなんだろう…。ゲームでよくやるような…ミニゲーム的なものじゃない…。


 正直…危険な雰囲気を感じる…。願いを叶えるぐらいなんだ…。その代償も大きいはず…。


「あの…念のために聞きたいんですけど…達成できなかった時の代償…ペナルティとかはあるんですか?」


『…そうだね…。達成できなかった者は…一生…森の試練から抜けられなくなる…現実世界に帰れなくなる…てとこだね…』


「…!!…そっ…それは…」


 危険だ…と言いたかったけど…言えなかった…。


 当然の罰だ…。なにせ…望みを叶えてくれるんだから…。


 命を奪われないよりもかなり怖い…。生きながら偽物の世界に囚われ続ける…。


 リアを助けるためなら命を失う危険にも飛び込もう…そう覚悟してたけど…少し怖じ気づいてしまった…。


 なによりこの試練…一番恐れていることが一つ…。


「にゃんこさん…その試練って…」


『察しはついてるようだね…。望みはあんた一人で叶える訳じゃない…。そこの女の子も当然…』


「そんな!ネアは…関係ない…です!試練をするなら俺が…」


『甘えちゃだめだよ…。エルフの助けが必要なのはあんたたち二人…。一人だけ試練を受けないわけにはいかないのさ…』


 くそっ…!やっぱりか…。


 長老との会話…その中で言っていたにゃんこさんの言葉…



『達成するかどうかはこいつら次第さ…。あとはあんたの許可と…二人の意思だねぇ…』



 二人の意思…それはつまり、試練を受けるのは二人一緒…ということ…。


 いくらなんでも危なすぎる…。なにより…俺はともかくネアまで森に囚われるなんてのは嫌だ…。


 こうなっては…別の方法でリア達を…






「…やらせてください!その…森の試練…私にも!」


「ネッ…ネア!」


 俺が試練を諦めようとしたその側で…突然…ネアが力強く言葉を発する…。


 その瞳には覚悟の色…。怯えた様子もなければ…恐怖も感じていないようだ…。


 当然…俺はすぐにネアの言葉に反対する。


「ダメだって!聞いたろ!俺だけならまだしも…ネアも試練に失敗したら…元の生活なんて…」


「グリン…こうしてる間にもリア様達は危険な目に遭ってるの…。それなら…試練をすぐに攻略して…エルフの皆の力を借りる…それが一番だと思うの…」


「でも…」


「それに…グリンだけ試練を受けさせる…なんて私にはできない…。立ち向かうなら…グリンと一緒…。いつでも…ね…」


「…」


 これは説得できない…。ここまで決意に満ちたネアを…どうやって説き伏せるのか…。


 …いつでも一緒…。


 会ってまだ数日しかたっていない…。それに…離れ離れになっていた時期もある…。


 なのに…俺たちはいつの間にかお互いを強く信頼できるほどの関係になったみたいだ…。


 それこそ…何を考えているのか…どうしたいのかが手に取るようにわかるほど…。


「グリン…大丈夫!私たちなら…試練だってへっちゃらだよ!だから…ね…?」


「ネア…わかった…。俺…ネアを信じる…だから…」


「うん…私もグリンを信じる…」


 そうしてお互いの覚悟を確認しあった後…長老さん…にゃんこさんの方を向いて…俺の…俺たちの意思を一緒に伝える。




「「森の試練…受けさせてください!」」

あかん…これ…けっこう長くなりそうや…

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