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53 王女様への口答え

エステル王国…。


建国されてそれなりの年数を数えた国…。

それでも、最近までは国力も軍事力も乏しく、他の国からの扱いが酷かったらしい…。


特に…国を治めるべき立場の王族は厳しい目で見られていたとのことで…。

失敗続きの政策を続け、それが国を窮地に陥れてきたとか…。


多くの国民も不満と不安を胸に…いつ暴動が起きるかわからない状態に戦々恐々としていた…




※※※※※※※※※※※※※※※



…というのがネアから事前に教えられた内容だったかな…。

もっとも…聞いた話は現女王より前の話だから、今はどうかいまいちわかんないけど…。


目の前にいるのが今の女王だから…おそらくこの国のトップ…。

見た感じ…なんか堂々としてるけど…。


「…リア様…こちらパーブル茶でございます…どうぞ…」


「…遅いのぉ…。もう少し早く用意してくれんと…」


「…!しっ…失礼いたしました!」


お茶を用意した黒服男も焦ってる…。

なんか…どんどんと雰囲気が怪しくなってきた…。


「さて…妾も自己紹介したことだからのぉ…。お前の名前も聞かんとな…」


「えっ…あっ…はい!俺は…グリン…です!」


「…それは知っておる…。さっき女の口から聞いたわ…。妾が聞いておるのは女の方じゃ…」


「うっ…」


ダメだ…なんかこの人の前だと…調子がおかしくなりそうだ…。


話を降られたネアは…終始落ち着いた様子で答えていく…。


「はい…私は…リクォリア大森林の守護を務める…ネアと言います…」


リクォリア大森林…。

あそこの森…そんな名前だったのか…。

初めて聞いた…。


「ふむ…リクォリア大森林か…。妾も知っておるぞ…。忌々しいエルフの一族が…訳のわからんしきたりで居着いておるところじゃな…」


「「…!」」


こいつ…!

ネアを…ネアの大切にしてる森を…!


ネアも…すごく傷ついてる…。

これは…許せない!


「ちょっと待ってください!そんな言い方しないでください…!」


気がついたら…俺は王女様…リアに口答えしていた…。

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