52 リア・エレオノーラ
「撤回しなさい!グリンをバカにするのは…私が許さない!」
相手が王女様でも強気なネア…。
その表情からは強い意思があるようで…。
でも…このままじゃ…。
「貴様!リア様に何を言っている!頭を下げろ!」
黒服の男も顔を真っ赤にしながら怒鳴ってきた…。
まさに一触即発…。
下手したら…捕まえられる…。
…そんな緊迫した雰囲気の中…突然…
「フッ…フハハハハハハ!」
王女様の笑い声が響いた…。
あまりにも尊大な…それでいて他を寄せ付けない声に周りのみんなも一瞬躊躇する…。
それは…俺も…ネアも驚くほどで…。
「リア様…いったい…どうされたのです…?」
一人の黒服がそう尋ねると、王女様は笑みを崩すことなく口を開いた。
「なに…こうして妾に刃向かう者は久しぶりでのぉ…。首を跳ねられるかもしれんというのに…肝の座った娘じゃ…。そなたの強気な姿勢に免じて…不問にしてやろう…」
「しかし…!」
「もうよい…。お前たちの言葉など聞きとうない…。妾は退屈じゃ…。早く席を用意しろ…」
「…わかりました…」
意外だ…。
まさか…こんな展開になるなんて…。
この王女様…何を考えてるかよくわかんない…。
「さて…自己紹介しようかの…。妾の名はリア・エレオノーラ…。現エステル王国…三代目女王じゃ…」




