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1 転生した場所は…

チュンチュン…チチチチチ…。



鳥の鳴き声で目が覚めた時…そこには別世界が広がっていた…。

辺り一面には緑豊かな木々が…。

見たこともない動物たちもいた…。


ロバのようなやつ…スズメみたいなやつ…。

カメレオンみたいなやつまで…。


皆…草や木の実を食べながらのんびりしている…。


俺はというと…


「すげぇ…なんかふかふかしてる…」


草むらの上で寝転がっていたようだ…。

地面のようなゴツゴツした感触はなく…柔らかな葉っぱの感覚が気持ちいい…。


さて…寝転がっていては始まらないかな…。

俺は起き上がってみることに…。


「よいしょっと…」



むくり…



おぉ…。

すごい…。

周りを見渡してみると、ここが俺の知らない世界だということがはっきりわかる…。


澄みきった空気も…気持ちのよい風も…甘い匂いも…。

俺には新鮮だった…。


あぁ…ホントに異世界転生したんだな…。


そんなことを思っていると…



チュンチュン!


…パタパタ…


…ピタッ…



一羽の鳥が俺の肩に留まってきた…。

見た感じ…スズメのように見えるけど…鮮やかな色彩を持っているから違うよな…。

こんなカラフルな鳥…見たことない…。


それにしても…まさか俺の肩に留まるなんて…。

今までの人生でスズメに逃げられたことは何度もあったけど…。

こういうのは初めての体験だ…。


せっかくだ…ちょっと撫でてみよう…。



スリスリスリ…。



…チュンチュン!


…もぞもぞ…



おぉ…なんか気持ち良さそうにしてる…。

羽をたたんで…今にも寝そうだ…。

けっこう和むなぁ…。


それにしても…ここがどこで…この世界はどうなってるのか知りたいんだけど…。

どうすればいいんだろう…。









そのとき…



「誰っ!?…そこにいるのは…誰なの!?」


突然の叫び声…

俺も…森の動物たちも一瞬ビックリしちまった…。


もしかして…誰かいるのか?


俺は声のした方に顔を向けると、そこにいたのは…。







「あなた…なんでここにいるの!?…この森には誰も入れないはずなのに…」


一人の女の子が立っていた…。





美しく光る白銀の髪の毛をショートカットに…。


青の瞳…白い肌も神秘性をまとっている…。


白い衣服に身を包む様子はどこか聖女のよう…。





そして特に気になったのが…少し長めの耳。




普通の人間じゃない…。

こういう耳を持ってる子って…エルフって言うんだっけ…。


「答えなさい…。この森になにをしに来たのか…」


女の子は鋭い目線で俺を睨んでいる…。

警戒心は相当なものだ…。

うーん…どう説明したらいいのか…。


「えっと…その…俺は…」


…ダメだ…。

何を言っても納得させることはできないかも…。


死んだあと…気がついたらこの森に…なんておかしな話だ…。


でも…何か言わないと…。


「…ごめん…。俺もこの森に来たのは偶然っていうか…。信じてくれ!この森をどうこうする気はないから…」


「…どういうこと?偶然でこの森に来るなんて…普通の人にはできないはずよ…」


「うっ…」


困った…。

どう説明したらいいのか…。


そんな風にうろたえていると…



キューン…


…パタパタ…ピタッ…


ゾロゾロ…




なんかたくさんの動物達が俺の周りに集まりだしたぞ…。

まるで俺のことを守ろうとしているかのように…。


「…みんな…なんで…」


女の子も少し驚いているようだ…。

ホントは俺もどう反応すりゃいいか困ってるんだけど…。

なんか…不思議な感じだよな…。



それから少しして…


「…わかったわ…。みんなが信じるなら…私もその人のこと…信じる…。悪い人じゃないのはなんとなくわかるし…」


女の子はやれやれといった表情で…とりあえず警戒の姿勢を解いてくれたみたいだ…。

良かった…。


でも…どうすればいいんだろう…。

俺のこと…どう説明したらいいかわかんないし…。

さすがに…異世界から来たなんて言えないよな…。


いや…どちらにしても森に長居するわけにはいかないか…。


「ごっ…ごめん!とりあえず…ここにいたらマズイ…よな…。すぐここから出るよ…」


この森が女の子にとって大事なのは間違いない…。

俺はすぐに出ていこうと立ち上がった…が


「…!?ちっ…ちょっと…!」


「えっ…?…あっ…」


女の子のうろたえる声で…自分がどういう状態なのかやっとわかった…。

そういえば…なんでこんなにスースーするのか不思議だったけど…。




俺…素っ裸だった…。




「早く!服に着替えて!男の子の体なんか…怖くて見れないのに…!」


女の子は両手で目を覆い隠すと、すごい勢いで慌てだした…。

よっぽど…男の裸を見るのが苦手なんだろうか…。


「うぅ…ごめん!…でも…服なんて…」


対する俺も…女の子を目の前にしどろもどろ…。

服もないから…余計に恥ずかしい…。


あぁ…転生していきなりこんな展開…。

ついてないなぁ…。




あれから…一騒動起きたあと、俺は森で過ごすことになった…。

ホントなら俺みたいなやつ…さっさと追い出すこともできたはずだけど…。

帰る場所がないことを伝えたら…


「…あなた…家がないの?…仕方ないわね…。…三日だけ!三日間だけここにいていいから…変なことはしないでね!!」


…なんて言われて…三日だけ居候することに…。

もちろんすぐにお礼を伝えたけど…正直まだ俺のことを全面的に信頼はしてなかった気がする…。

あんな…恥ずかしいことあったし…。


服は女の子が用意した毛布で代用することに…。

ちょっぴり寒いけど…耐えられないほどじゃない…。

なんとかなりそうだ…。


ただ…裸足で歩くのは辛いなぁ…。

泥にまみれた小石や葉っぱがそこらじゅうにあるからすっかり汚れちゃったし…。

ちょっと痒くなったような気もする…。


うぅ…早く洗いたい…。


…今は森の中を二人で進んでいるところ…。

女の子を先頭に…後ろを俺がついていく感じだ…。


とりあえず…女の子の家に向かってテクテク歩いているんだけど…


「…あんまりじろじろ見ないで…。少し…嫌な感じがするから…」


「…ごめん…」


こんな調子…。

別にじろじろ見ているわけじゃないんどけど…。

変な誤解されちゃった…。


俺のことを悪い人じゃない…とは言ってくれたこともあって、ちょっぴりショックだ…。




「あっ…そういえば…君の名前って…」


「…ネア…私の名前はネアよ…」


「ネア…」


…あんまり聞かない名前…。


まぁ…異世界だからそういうものなんだろうけど…。

ネア…よし!覚えておこう…。


「あなたは?」


「えっ?」


「まだあなたの名前…聞いてないから…」


「あっ…うーん…」


どうしよう…。

俺の本名を伝えるのはなんかなぁ…。

日本生まれの名前だと不自然に思われるかも…。

もうちょっと…この世界でも自然な名前を言わないと…。


「えーと…俺の名前は…グリン…」


「グリン…そう…」


うわぁぁ…。

もうちょっと考えれば良かった…。

カッコいい名前にすれば…。


「それにしても…グリン…変わった姿してるのね…」


「えっ?」


「だって…黄金の髪の毛なんて…見たことないから…」


「おっ…黄金の髪の毛!?」


えっ…髪の毛は黒のはず…。


俺はすぐに近くの池まで走って…水面に写った自分の姿を確認してみることに…。

そこに写っていたのは…


「えっ…これ…俺!?」


端正な顔を持ったカッコいい少年の顔が…。

いや…それだけじゃない…。

二重の眼は赤く光っているし…金色に輝く髪の毛はサラサラしてるぞ…。



そんな…いくら転生するにしても…恥ずかしいって…!

誰なんだ…俺をこんな姿にしたのは…。

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