40 立ち上がらないと…
「お前ら…!その子から手を…」
ドスッ…!
「うぐぅっ!」
俺は精一杯の抵抗を試みたものの…腹に蹴りを入れられて言葉を続けることができなかった…。
蹴りの勢いが体全体に広がり、もう少しで吐きかけるとこまで…。
「うっせぇーんだよ…。てめぇの女か知らねぇけど…今から俺たちのものだから。邪魔すんなよ」
金髪の男…三人組のリーダーっぽいやつが、蔑むような目線で言い放つ…。
まるで…俺の存在なんかどうでもいいような…そんな様子だ…。
くっ…舐めやがって…!
俺はその場から立ち上がるため…足に力を入れようとした…が
「グリンッ!もうやめてっ!私のことはいいから…!」
ネアが…悲痛な表情を浮かべながら言葉を投げ掛ける…。
俺の姿が痛々しかったのか…目には涙が…。
ぐっ…!!
俺は…ネアに助けられたんだ…。
ネアのおかげで…いろんなことを知って…この世界で希望を見つけたんだ…!
今度は…俺がネアを助けないと…!
でも…非力な俺に何が…。
たった一人で…こいつらをどうにかするなんて…俺には…。
…いや…できるかどうかじゃない…。
やるんだ!
ギュッ…タッ…。
「…おいおい…おめぇ…。女のために立ち上がるとか…カッコつけてんじゃねぇぞ!あぁ!?」
気がついたら…俺はその場から立ち上がっていた…。
これから…凄惨なリンチに合うかもしれないのに…。
でも…やってやる!
ネアを…助けるんだ!




