36 町へ…②
さて…そんなこんなで町に入った俺たちは何をしているのかと言うと…
「…このスパゲッティーみたいなの…すごく美味しい…!」
「ふふっ!良かった!グリンも気に入ってくれて…」
町のとあるレストランで食事をしている最中だった…。
なんか…雰囲気的にイタリアっぽいなぁ…。
用意されているメニューもそんな感じがするし…。
それに…けっこう美味しいぞ…。
例えば今食べているスパゲッティー…。
普通ならミートソースがかけてあったり、ペペロンチーノみたいに油っぽかったりするものだけど…。
この世界のスパゲッティーはちょっと違う。
パスタは程よい柔らかさを保ちながらスルスル食べれるし…。
途中で切れるようなこともない…。
それでいて口の中で噛んでいくとほんのりとした味が広がっていく…。
上からかけられたソースも絶妙…。
オレンジ色に染まった印象からは不思議なものを感じたけど…パスタとの相性が抜群!
変に塩辛いわけでもなく…舌を優しく撫でるような濃厚さ…。
こんなの…初めてだ…。
…そんな風に食事の余韻に浸っていると…ネアがちょっとした質問をしてきた…。
「…ところでグリン…『スパゲッティー』って何?グリンの住んでた所ではそう呼ばれてたの?」
「えっ…うーん…」
あれ…?
つい口にしちゃったけど…ここでは『スパゲティー』…なんて呼ばれてないのか…。
ちょっと予想外だなぁ…。




