第七章 執念 7
『序盤からぁああああああああああ。神代名人の大胆な作戦が決まったぁああああ!』
司会が熱狂的な声を上げる。
『ええ、私達は轟さんの視点で見ていましたけど、全く察知出来ませんでした。私でも、読めなかったと思います』
『何故神代さんはこんな大胆な事を? もし、じっくりチーム轟がマナを溜めたなら寧ろ不利になっていたと思いますが』
『……恐らく相手のデッキを見て瞬時に判断したんだと思います。轟さん達のデッキは終盤のリーザに賭けるデッキ。そして、ゆるい序盤は神代さんに軍配が上がると思わせた。だから神代さんの策が決まったんだと思います』
『なるほど~でも、チーム轟が自分を貫いて終盤勝負をしていたら、かなりピンチだった、これは神代名人もギャンブルに出たと言っても良いでしょうね』
司会がそう締めくくろうとするが、それに異を唱える声が有った。
『ふぉっふぉ。ギャンブルなもんかね……』
『えっとそれは……どういう事でしょう? 松方先生』
『神代はインタビューを受け取る時もあの子らの事を見ておった。人間は立ち姿や、仕草で性格を把握出来るものよ。それを神代は常人の何倍もの精度で出来る。そして、相手のチーム轟……と言ったかの? その子らは神代に勝つという闘士で満ち溢れておった、序盤を様子見する様な子達じゃないとわしでも分かったわ』
『なるほど……カードだけじゃなくて相手の情報も読み取るという事ですか』
感心した様なリサの声が聞こえて来る。その声は何処か不安そうだ。
『ふぉっふぉ。これはコンピューターゲームじゃが、操作しておるのは人間じゃ。つまる所これは人間の対決なのよ』
人間の対決か……中々キツイ事を言ってくれるぜ。だけど、まだ負けたわけじゃない。とにかく松葉さんを救わなくては――。




