第七章 執念 6
『訳の分からないデッキだぜ……』
紗月の声がインカムから響く。その声音は困惑している様に聞こえた。
「ああ、どう思う?」
『厄介なのは神代の古代のアーティファクトだな。戦闘力はアタック、ディフェンス共にに10の雑魚だ。そしてコストは五マナ。特性でこいつは受けたダメージを回復出来ない。だが特殊効果がウザイ。こいつが居る土地のマナ生成スピードは二倍になっちまう』
「先に倒すか?」
『いや、それをさせない為の悪夢の国と無限絡繰だろ。神代狙いは恐らく奴の既定路線だ。だから当初の予定通り、神代の取り巻きを狙おう』
「分かった」
俺達は打ち合わせ通り動き出す。基本がしっかりしている松葉さんがディフェンス。紗月が荒らし、俺がオフェンスだ。
『魔界汽車ドーンは使い魔一体を自分と同じ速度で動かす特性を持ってる。恐らくそれで、神代の機神マキナを運用するつもりだろう。取り敢えず凛堂を荒らすぞ』
俺と紗月は凛堂の元へ向かう。そしてリーザとドワーフでマナ供給地点を叩いた。
『良し! 読み通りだ! 神代はマナの生成に集中する為に、自陣深くに居る。ここを落せば序盤は俺達の物だ!』
相手は楽園の風見鶏だけだ。俺達が勝利を確信したその時だった。
『ズン……』
重厚な音と共に、目の前に機塔バベルが現れた。
「バベル……神代は古代のアーティファクトを召喚しているはず……」
バベルの特性はマスターが居る場所だったら、マナさえあれば、自陣内で無くても召喚出来るという物だ。つまり、神代がここに居るという事は神代は必要最低限のマナだけ用意しさっさと拠点を放棄したと言う事だ。
「読まれていたか……」
しかし、俺は何処かでこの展開を予見していた……気がする。神代だったら、これくらいやってのけるだろう……と。
「紗月。戻ろう。多分、松葉さんが危ない」
『お、おう……』
俺達は戦線を離れた……そして悪い予感は当たり、松葉さんは敵チーム二人に襲われていた――。




