でこぼこ
廊下の外でその人は待ってた。
「おまたー☆りゅーせいっ」
かおぽんが声をかけてその人はふりむく。
あっ‥
近づいてくとわかるってくる‥
顔が見えない。‥背が高い。
中1なのに170くらいありそうじゃない?160でも巨人なのに。
「流星くん!おとといはありがとう!この子がメアド教えた‥」
「はっ葉山紗矢です!よろしくね!」
凜音の目配せから挨拶。噛んじゃった。
「流星です。よろしく‥」
メールの予想を裏切らない落ち着いた男の子だった。
「あの‥ひなたですか?ひゅうがですか?」
「ひゅうがです。」
当たり障りのない質問で話が途切れた。すると‥
「ここの中学はバスケは有名だけど、オレは始めたばっかでうまくないから」
「そう、流星は背が高いのにもったいねえよな!」
「うるせー」
会話がまた始まった。今気を遣わせちゃったのかな。
「ところで2人は何部なの?」
流星くんからの質問だった。
「私は陸上部!」
「私は弦楽部!コントラバスをやってます。」
「え…コントラバス?その身長で?」
…。私の一番言われたくない言葉。
「そーで、す、け、ど」
一文字一文字アクセントをつけて返す。
「だって葉山さん、何センチあるの?30㎝ものさし立てても俺が勝ちそうなんだけど。」
ブラックジョークに、凛音とかおぽんまで吹き出す。
「さ…最低。私日直なんでちょっと席離しますね!!」
「あ!しゃや!」
本当は日直なんて嘘。
身長を馬鹿にされるのなんて慣れっこだからこんなに怒ったりしない。
でも…
初対面だからであれはないでしょ!ありえない!
少し気が緩んでいたところに針を刺された気持ちだった。