急展開
月曜日の昼休み。
目の前のことに憂鬱である。
昨日のメール本当になんなんだろう…?
「しゃあやっ♪」
「凛音…」
「今日はキラキラなオーラがないね、どうしたの?」
オーラなんて自分はわからないけど悩んでいることは本当。凛音に打ち明けた。
後半まで話して、凛音の目が泳いでいたのはなぜだろう。
最後まで話すと苦笑いをしながら凛音は話し始めた。
「おととい、塾で自習していたら隣に男子が座ってきたの…、でね!でね!その人黒バスの青峰のストラップつけてて(略)」
ここからいろいろな話が飛びます。なぜこの話をするのか。
「…そして、もっと話したいからメール交換した時についでにしゃやのメアドも教えたんだよね」
「はああっ!?なんで!?」
アニメの話を聞き流したのちの不意打ちだった。
「だってこの前、メル友ほしいって言ってたじゃん。ほら、先週の着替えの時…」
先週の着替え…木曜日の体育の前?細かく思い出されてく。
そうだ、女子同士でメル友の数自慢し合ってたんだ。みんな20~30人もいて、凛音なんか60人もいて、私に話が回ってきたときに
「始めたばっかりだからまだ3人しかいない、もっとメル友ほしいなあ」
こうとっさに言っちゃたんだ。
つまり、ことの始まりは自分だったと…あああ…。
「その人どんな人ぉ…」
絶望交じりの声で問う。
「背が高くて、メガネ!たしか4組の人!かおぽんと仲がいいんだよ」
隣の隣のクラスだ。
かおぽんっていうのは齋藤薫。同じクラスの男子バスケ部。身長順で私の隣にいる。背を伸ばしたくてバスケ部に入るって自己紹介で言っていた。
「凛音ちゃん!」
「あっ、かおぽん!噂をすれば…」
「流星連れてきたから、一緒に話そう!葉山さんも♪」
「私も!?」
「いっこう!しゃや!顔さえ見れば安心だよ!」
えええ…。
凛音に手をつかまれて教室から出されてしまった。