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決闘

「さて…」

「あの…」

「ん?」

「本当に勝てるんですか?」


 今日は午後からあの巨漢との決闘がある。しかし俺は特に対策なんてしていない。それをアリスは心配したんだろう。


「フッ…余裕だよ」

「でもなにも…!」

「まあまあ」


 俺には勝つ自信がある。そう俺の予想が正しければ…な。


「お前…負けたらどうするんだ」

「ギルド長まで…大丈夫だって」

「本当かよ…」


 まったく…どいつもこいつも心配しすぎだな。


 そして決闘の時間が近づいてきたのでコロシアムへと向かう。


「ふん…ビビッて来ないかと思ってたぞ」


 巨漢は先に来ていたようで、俺が来るなり嫌味を言ってきた。


「勝者の余裕だよ…」

 

 こっちも牽制しておく。


「さあ!始まりました!久しぶりの決闘です!」


 審判なのか司会なのかよくわからん奴がハイテンションで宣言している。


「こちらに居るのはこの町の領主の家、エアード家最強の使用人、ヴォルダーだー!」

「ウォオオオオオオオオ!」


 観客結構多いな。そんでうるさい。


「そしてこちらは今注目の新米冒険者!レントだー!」

「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


 俺の応援の方が多いな。あ、巨漢が悔しそうにしている。ざまぁ。


「では両者見合って!」

「……」

「……」

「決闘開始!」


 今、決闘の開始を伝える鐘が鳴った。俺は巨漢の装備を見る。


「大剣使いか……」


 俺は某RPGの主人公が持ってそうな片刃の大剣に目を向ける。確か武器屋に売ってたな。商品名は確かバスターエッジだったか……。


「喰らえぇい!」


 巨漢は大剣で斬り掛ってくる。俺はそれを剣で受け止めた。うん、やっぱり軽い。


「何!?」


 巨漢は一瞬驚いたがすぐに不敵な笑みを見せた。


「ふふふ…大したものだ、しかし貴様の剣の方はどうだ?」


 確かにヤバい。俺の剣が曲がってきてる。直に折れるな。


「それがどうした?」

 

 だが俺は余裕を見せる。


「威勢だけがいいバカか…」


 巨漢は俺の剣を折り、勝ち誇った顔をする。


「バカはお前だ」

「何だと?」


 剣が折れたからなんだと言うんだ。俺は追い詰められてなんか無いぞ。


「貴様はもう攻撃手段が無い、おれの勝ちだ」

「それは…どうかな!」


 俺は右手で持っていた盾で奴を殴りつける。


「なっ……!」


 俺の攻撃は奴の手に当たり、尻をついて剣を手放す。俺はその剣を奪い奴の鼻先に向けた。


「俺の勝ちだ」


 一瞬コロシアム内が静まり返る。そして次の瞬間……。


「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

「決ったああ!レントの勝利だあああ!」


 まあ、こんなもんだろう。というかはっきり言って相手に分が悪いぞこれ。

 そう、俺の予想はすでに確信に変わっている。はっきり言えば俺はこの世界でかなり強い方だ。それは重さが関係しているんだろう。俺は初めて剣を持った時からずっと違和感を感じていた。予想よりも軽かったからだ。ほかにもファントスの突進を受けたりした時もだ。そう、軽いのだ。多分、この世界の物の重さは、俺の世界の大体五分の一ぐらい軽い。理由はわからんが。んで、そのぐらいの重さしか持っていなかったこの世界の住人より、俺の方が筋力は単純に考えて五倍くらいあるわけで。


「やっぱ、軽いな」


 んで、俺は巨漢から奪った大剣を片手で楽に持ててしまっている。多分片手で振り回すこともできるだろう。もうひとつが戦闘方法の違い。多分この世界には盾で殴る、いわゆるシールドバッシュの存在自体が無い。ギルド長にラプターを盾で殴って倒したと伝えたところ、ものすごく不思議そうな顔をされた。つまりこっちが盾を使って攻撃した場合、相手は動揺して対処に遅れる…まあこの二つの要素があるから俺は余裕で勝てたんだろう。全く、異世界さまさまだぜ。


「たしかレントさんとか言いましたね?」

「ん?」


 振り向くとアリスの母親が居た。まさか文句を言いに来たんじゃないだろうな?


「娘の事、宜しく頼みましたよ」


 まあ決闘でついた決着だ。文句なんてないんだろう。


「約束、しますよ」

「ええ」


 そう言って、巨漢を連れて帰って行った。


 その日の夜、俺は酒場にて勝利の祝杯を上げた。何故か、他の冒険者も一緒だ。というか段々ただの酔っ払い集団になってんぞ。仕方ない、外に出よう。


「綺麗な星空ですね」


 いつの間にか隣にいたアリスと一緒に星空を眺める。


「なあ、アリス」

「!は、はい?何でしょう!?」

「どうした?焦って」

「い、いえ初めて名前を呼ばれたような気がして」


 そういやそうだ。いままで名前を呼んでいなかったな。


「よかったな、冒険者になれて」

「…はい!」


 ああ、笑顔が可愛い…。

 俺はそんな幸せに浸りながら、この日を過ごした。


 

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