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初めての仕事

 コンコン


「レント様、ギルドまでの地図を持ってきました」

「ああ」


 次の日の朝、早速受付嬢が地図を持ってきた。俺はその場所へと向かう。

 その道中この町の一番大きいギルドを見てきた。中は冒険者の巣窟ともいうべき場所だ。結構騒がしい。


「さすがにでかいな……まあ目的地はここじゃないからそろそろ行くか」


 言われたギルドに来て絶句した。いや大きいギルドを見た後だから余計にそう感じたんだろう。


「すごく…小さいです」


 なんか言ってみたかった。まあいい、早速中へ入り挨拶をする。


「どうもー」

「ああ、聞いていた新人か」


 無愛想なギルド長だ。まあ俺も元の世界じゃ無口で無愛想なキャラだったし、話す奴といえば蒼馬くらいだ。

 中もすごい静かだ。


「あの、俺以外に冒険者は……?」

「いない、お前が初めてだ」


 ……受付嬢、確かに一番小さいと言った俺もアレだが一人もいないんじゃ厳しいじゃないか……。


「ハア…」

「気に食わんなら別の場所へ行け」

「いやもういいよ」

「…そうか」


 仕方ない、それに他の場所は俺みたいな不審者を素直に受け入れるかといえばそうではないだろうしな。


「まあいい、早速依頼を通してお前の実力を測る」

「俺が入ったばかりなのに依頼なんてあるのか?」

「いや、このギルド直々の依頼だ」

「ああ、そういう」


 そして俺は一つの依頼を受けた。内容はファントスの討伐。一応図鑑など見ているからどういう奴かはわかる。

 ファントスは簡単に言えば少し大きな猪だ。この町に行くときも草原を走っている姿を見た。獲物や敵を見つけると突進してくるらしい。尤もそれだけで新米冒険者でも、油断しなければ楽に倒せるそうだ。

 

 俺は今、草原を散策している。ちなみに俺の装備は布の服の上に、鉄の胸あてにレザーマント、レザーグローブ、下は革ズボンにレザーブーツ。武器は片手剣、盾は丸い形をした、軽めのレザーバックラーだ。

 …見事に革装備である。まあ俺は革装備はかなり好きだぞ。動きやすいし。


「…居た」


少し離れたところに一頭、ファントスが辺りを警戒しながら草を食ってる。


「不意打ちができるか…?」


 出来るだけ静かに近づく。何も障害物が無いから後ろから近ずくしかない。


「ヴォ――!」

「クソッ、気付かれたか」


 ファントスがこっちを向いて突進しようとしてくる。


「試してみるか」


 俺は盾を構えてわざと突進を受け止めようとする。一応どのくらいの衝撃が来るかわからないからな。


「ヴォ――!」


ガツンと音が鳴り構えた盾にファントスの牙が当たった。


「…?」


 予想よりも遥かに軽い。まあそれはこの剣持った時にも感じたな。意外にも軽かった。最初は玩具の剣かよって思ってたがどうやら違うみたいだ。


「ヴォ――!」


 ファントスが必死に俺を押そうとしているが何せ軽すぎるからな。


「あらよっと」


 ファントスの突進を受け流し横から剣を突き立てた。


「ヴォ―――――!?」


 そのままファントスを切り裂いた。


「……」


 はっきり言って動物を狩るのは初めてだ。普通に考えれば結構グロテスクな光景である。

 あの時の死体もそうだったが、俺はグロ画像とかたまに見ていたから少し耐性があったかもしれないし、実際のそういう光景ってグロ画像のように演出過剰じゃないし意外とアッサリしているものだ。

 

「とりあえず証拠のファントスの肉を持ちかえって報告を済ますか…」


俺は肉を持って町へ向かった。



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