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史上最強のドラゴン・後編

「なっ………」


 スライムはグランドラゴンを取り込み、そしてその巨体を…消化した。

 この大きさのスライムだ。日光なんて気にも留めないんだろう。


「ス…スライムだああー!」

「おれたちじゃか敵わねえ!」


 前衛たちが逃げる。まあ、そうだろうよ。

 しかしパニくっているな、もう少し落ち着いて行動しろよ。


「フレイムボルト!」


 あの槍使い、魔法が使えるのか。


「ソーマ!魔法部隊に攻撃命令を出せ!」

「ああ、任せておけ」

「あ、あとスライムスレイヤーこっちに寄こせ!」

「おう!」


 俺は普段、いつもの大剣を使っているが、もしもの時のために蒼馬にスライムスレイヤーを持ってきてもらっている。


「一斉に攻撃だ!」


 蒼馬の号令に従い、魔法部隊は攻撃を始める。


「!」


 スライムは魔法によってその体をどんどん蒸発させていく。

 やがて十分の一まで小さくなったスライムにスライムスレイヤーを振るう。


「クッ…まだでかいか!」


 俺は咄嗟に剣を引っ込めて後ろに下がる。

 その直後、まだ10mはあるだろうその巨体は、俺に圧し掛かってきそうになった。


「危ねーな!」

「ジャッジメントアーク!」


 蒼馬が魔法を唱えた。たしか、巨大な光線が空から降って来るやつだっけ?


「―――!」


 スライムの体は一瞬で消し飛び…はしなかったがいつもの大きさまで小さくなったようだ。


「今度こそこれで!」


 俺はスライムスレイヤーをスライムに突き刺す。


「!!」


 そしてスライムは完全に消え去った。


「なんとか…なったな」


 だがみんなの顔は暗い。

 まあ、グランドラゴンが消化されたせいで、素材は何も残って無い。儲けは期待できないな。


 かなり釈然としない依頼だった…が、帰りにアリスにスライムを素早く倒した手腕を褒めてもらったし、その時の表情がかなり可愛かったから良しとしよう。



「反省会だ」

「は?」


 後日、俺はギルド内で反省会を行った。


「グランドラゴンは倒したろ?」

「倒したのはグランドラゴンを捕食したスライムだ」

「問題はグランドラゴンを倒すのに時間が掛かったということですよね」


 流石アリス、理解力がある。


「俺たちに足りないものは…攻撃力だろう」


 もっと早く倒すためには、強力な魔法、武器を用いたゴリ押ししかない。

 単純だが、最も確実な方法だ。


「でもあいつかなり硬いんだが」

「それでもこうげ……あ」

「どうしました?」


 あいつの防御力を下げられればもっと楽になる……。


「いや、なんでもない」


 できる保証はない、後で練習はしてみるか。

 それと新しい武器を作ってもらうか…攻撃力のみに重点を置いた…な。


「とりあえず各自対策を考えとけ」

「わかりました」

「おう」


 とりあえずこれで反省会を終わりにした。 

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