感動
「んん……?」
少し肌寒くて、ジメジメする……。
目が覚めるとそこは洞窟の中だった……ってどういうことだよ!?
俺はさっきまで自分の部屋で寝ていたはずだが。
まず落ち着いて今の状態を整理しよう。
ここは洞窟の中、そして今の俺の格好……下着姿だ。
「これだけじゃ……ん?」
よく見たら洞窟でも入り口近くのようだ。
俺は洞窟から出て周りを見回した。
「な……!」
洞窟の外から見えた景色、それは壮大な自然だった。森や草原、そういった幻想的な風景が目の前に広がっていた。
……俺はふと空を見る。はるか上空にはドラゴンと思しきものが見える。
「イテっ」
頬をつねったら普通に痛かった、うん夢じゃない……。
どうやら異世界に飛ばされたらしい。普通ならパニックを起こすんだろうが俺は違うようだ。
まったく……俺は冷静すぎるな……いやむしろこの世界に来て興奮しているんだ。
だがよく考えると絶望的状況だ。装備はない右も左もわからない。RPGで言ったら、モンスター巣食う場所に、装備も仲間もない状況から始まっていることになる。とんだクソゲーだ。
正直詰んだように見えるがランダムエンカウントじゃないし、町に保護を頼めば解決するかもしれないな。
幸いなことに少し遠いが森を抜けた先の草原に大きな町……というか要塞っぽいものが見える。
いわゆる城塞都市的なやつだ。
「よし……行ってみるか」
一応森でなくても草原を通って町に行くことも可能だが、あそこはモンスターの巣窟っぽかったから森を抜けるルートに決め、俺は町に向かうこととなった。