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賞金の使い道

「さて…」


 大会翌日、俺は賞金の使い道をどうするか考えていた。


「そういや…」


 前々からスライムの対策はしないといけないと考えてたな

 俺は武器屋へと向かった。


「おう!レントじゃねえか!」

「あーおっさん、ちょっと頼みがあるんだが」


 俺はこのおっさんにある武器の作成を依頼した。


「ほー、面白いものを考え付くなあ」

「だろ?」


 そういう反応をするのも頷ける。なぜならこの世界観にそぐわない武器だからな。


「だがここだけの設備じゃ作れんな……」

「なっ…」


 くっ、やっぱり難しいか?


「グラン共和国の首都だったら良い設備は揃ってるだろうな」

「マジか」

「おう、金さえ払えばこっちで発注しておくぜ」

「でも、高いんだろ?」

 

 他国から武器を作ってもらうわけだから、運賃がかなり高く付きそう。


「そうだなー、だいたい50000Gは掛るな」


 うっ…確かに高いがギリ間に合う…けど残りがほとんど無くなる……。

 しかしこの武器が完成すれば何かと役には立つはず…よし。


「じゃ、頼む」


 武器屋での用事をを終えた俺はギルドへと向かった。その途中。


「うっす、兄貴!」

「…な、何?」


 不良冒険者改め俺の子分が話しかけてきた。


「何かおれに手伝ってほしいことがあるなら言ってほしいです!」


 なんだよ、この懐きよう。おっさんに懐かれても嬉しくねえよ。

 だが…何かの役には立つか。


「ファントスの肉を獲ってこい、大量にだ」

「了解でさあ!」


 子分は早速外に出ていった。


「うぃーっす」

「あ、レントさん」


 アリスが出迎えてくれた。相変わらず可愛い。


「随分と遅かったですね」

「ああ、ちょっと武器屋にな」

「なんだ、新しい武器でも買ったのか?」


 あ、居たんだ蒼馬。


「買った…というより頼んだ」

「オーダーメイドってやつか」

「ああ」

「ところでどんな武器なんです?」

「アリス、この前洞窟でスライムに会ったのを覚えているよな?」

「はい」

「スライムには物理攻撃がきかない、けど熱に弱い」

「そうですね」

「簡単に言えば対スライム用の剣だ」

「なんだそりゃ?」


 俺は二人にその武器について軽く説明した。


「へえ、ヒートなんたらっていうことだな」


 なんたらって…まあ合ってるけどよ。


「そういやそれを頼んだせいで金がほとんど無くなったんだった」


 あの子分にファントスの肉を獲ってきてもらっているから…俺たちはラプター狩りでもしてればいいか。


「よし…ならラプターを狩りに出かけるぞ」

「はい」

「おう」


 俺たちは外でラプターを数十匹程度狩ってきた。最終的に所持金は10000Gになった。


「兄貴ー!」


 それと、子分がファントス肉を十匹分ほど獲ってきたようだ…って一人で十匹!?


「お前…意外と強いんだな」

「いえいえ、兄貴に比べればおれなんて…」


 いや、本当に、この世界の住人としてはかなり強い部類だ。この男の評価を上げねばならんな。


「とりあえず半分は俺が貰うがいいか?」

「もちろん!全部でもいいくらいでさあ」

「いや、半分だけでいい」


 こうしてファントスの肉を手に入れることができた。自分で焼けば…食い放題、ムフフ……。

 俺はそのままファントスの肉を焼いて食った。やっぱ美味い。

 

「こんだけあれば一週間近くは持つな」


 こうして上機嫌のまま、俺はこの日を過ごした。

 

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