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再会

あのキャラが再登場。

ヒント、中二病。

 この世界に来て、一週間がたった。


「さてと……」

「本当にやるのですか?」

「ああ…本気で掛ってこい」


 ギルド近くの庭で、俺とアリスは木刀を持って対峙する。


「私なんかがレントさんに…」


 何を謙遜している。あの剣さばきを見て俺が見逃すわけ無いだろう。はっきり言ってアリスはかなり強い。


「じゃあこっちから行くぞ」


 俺はアリスへ向かって木刀を振る。俺の打ち込んできた箇所を正確にアリスは木刀で弾く。やっぱり強いじゃないか。


「たあっ」


 アリスは俺の脇腹に木刀を振ってくる。反応できない早さだった。


「ぐっ」


 結構痛い。あの巨漢より強いだろ確実に。


「すみません!あの…大丈夫ですか?」

「ああ…やっぱり強いな」

「ありがとうございます」


 目に見えて照れてるのがわかる。可愛い。と、そんな時だ。


「おーいお前ら、依頼だ」


 ギルド長が話しながら来る。口調からは感じられなかったが緊急事態らしい。


「町の外で丸腰の人間がモンスターに襲われているから助けに行ってほしいそうだ」

「それかなりヤバいんじゃ……」

「早く行きましょう!」


 幸い訓練中だったので防具を付ける手間はない。俺たちは急いで現場へ向かう。


「のわああああ!」


 一人の男がモンスターから逃げている。後ろからはファントスの群れが追いかけてくる。


「ぶべっ!」


 男は転んでしまい、気絶した。そこにやっと俺たちが到着する。


「どうやらファントスだけのようだな」

「なら問題ありませんね」


 俺たちは慣れた手つきでファントスを倒していく。ファントスを全滅させ、俺たちは倒れてる男を見る。


「は?」

「どうしたんですか?」

「いや、何でもない」


 倒れている男、髪の色は赤みがかった茶髪、顔の眼帯、そして下着姿。

 これ…蒼馬だ……。なんでこっちの世界に居るんだよ!


「とりあえず町へ運ぼう」

「はい」


 町の市役所に運んで事情を説明した俺たちは、蒼馬を空き部屋へと連れていった。


「アリス、ギルド長に依頼完了の報告をしてきてくれないか?俺はこいつを見ておくからさ」

「わかりました」


 …とりあえず目覚めたら色々と聞きたい事があるからな。


「ん…?」


 意外に目覚めるの早いな。アリスをさっさと報告に向かわせたのは正解だったな。


「起きたか……」

「むっ?錬人か?」

「どうやら本物の蒼馬のようだな」

「フッ…どうやら夢をみていたようだ」

「へー、どんな夢?」

「猪の大群に襲われる夢をな…オレにしてはつまらない夢だったぜ」

「夢じゃねーよ」


 そう言われ蒼馬は辺りを見回す。


「錬人の家ってこんなだったか?」


 マジか…状況を理解してねぇ……。

 仕方ない、現実を見せてやろう。


「蒼馬、窓から外を見ろ」

「ん、ああ」


 蒼馬は窓からの景色を見たとたん、俺に詰め寄ってきた。


「おいおい!ここどこだよ!」


 うるさい、あと地味に素に戻ってるぞ。


「もうちょい落ち着け!教えてやるから!」

「…すまん」

「まずこっちから聞きたい、お前は自室で寝てたらこっちの世界に来ていた…のか?」

「こっちの世界?まあ部屋で寝てて、目覚めたら洞窟の中に居たぞ」


 ここまで俺と同じか……。


「で、そのあとどうした?」

「ああ、よくわからんが昔教えてくれた城塞都市っぽいのが見えたからそこに行こうとして……」

「ファントスに襲われたと」

「ファントス?あの猪か?」

「ああ……んで……」


 俺はこの世界のことについて蒼馬に教えた。蒼馬は段々と食い入るように俺の話を聞くようになっている。


「あ、蒼馬」

「なんだ?」

「お前の方の世界で何かなかったか?例えば俺がいなくなったとか」

「ないな…ってどういうことだ?」

「あー、俺はこの世界に来て一週間はたっているんだが」

「普通にいたはずだが…」

「お前が来る前、あっちの世界で俺と何話した?」

「レジェンドラーゴの細かい設定だろ?」


 ……なるほど。どうやら俺と蒼馬ではこっちの世界に来るのに一週間のずれがあるわけだ。


「で、錬人は元の世界に帰る方法を探しているのか?」

「は?」


 何言ってんだ?俺が帰る?なんでだ?


「俺は帰る気無いぞ?こっちに永住させてもらう」

「こんな世界に?」


 こんな世界だと!?どう考えてもこっちの世界の方が良いに決まっている!


「あのな、元の世界と違ってこっちの世界は……」

「あの…何を話しているんですか?」

「アリス……!」


 …今の聞かれたか?だとしたらマズイ…どうする!?

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