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 舗装路がしばらく続き、鉄塔を過ぎると山頂の広場に出た。北側にはフェンスかあり、近づくと彼らの住む町が遠くに見渡せた。

 川の向こうに市街地が広がっている。大学のある山と市立病院は見つけられたが、遠いので大きな建物でないと識別できない。だいたいの見当は付くが、どれが自分の住むアパートなのかはわからなかった。

「水上、お昼ごはん」

 いつの間にか横にいた古泉が言った。後ろを見ると、天水と夏川はシートを敷いて座っていた。少し離れた位置に小さな鳥居がいくつも並んでいて、その先には社がある。

 古泉もシートに座ったが、水上は遠足みたいだと思って躊躇った。古泉が空いているところをぽんぽんとたたいて招くと、ようやく座った。座ってしまえば躊躇ったことなどどうでもよくなった。

 水上の昼食は、高カロリーで栄養のあるクッキーと梅おにぎりだ。天水も似たようなもので、後の二人は手作りの弁当だった。弁当組の視線に憐れみが込められているように感じたが、気にしないことにした。

「食べますか?」

 すぐに食べ終わってしまった水上に、夏川が弁当箱を差し出して言った。水上は辞退して、向かいの、物欲しそうに夏川の弁当を見ている天水を手で示した。天水は弁当からアスパラのベーコン巻きをもらった。

 横を見ると古泉と目が合った。彼女はゆっくりと弁当箱を水上に近づけた。

「はい」

「はい?」

「からあげ以外ならいい」

「からあげをもらうとどうなるんだ」

 古泉は少し考えてから、

「とても、悲しい」

「それなら、もらえないな」

 水上は卵焼きをつまんで口に運んだ。

「うん、うまい」

「当然」

 そう言いながらも、どこか誇らしげだった。

 フェンスのそばに戻り、再び景色を眺めた。こうしてみると海が町の近くにあるが、めったに行くこともない。町も西側を流れる大きな川は見えないが、ここからは水上の生活範囲のほとんどが見える。狭い範囲で生きているなと思っていると、さっき古泉がした話を思い出した。

 この場所からは町が一望できる。亡くなった人がここに来るのならば、ここから町で暮らす人々を見守っていてくれるような気がする。

 町からこの山が見えるのなら、山からも町が見える。そんな当たり前のことを実感した。

「記念撮影をします」

 天水の声に振り向くと、すでに三脚が設置されていて、水上の隣には古泉と夏川がいた。「セルフタイマーは十秒ね」

 そう言って天水は三脚に取りつけた黒のデジタル一眼レフカメラのシャッターボタンを押した。前面の赤いランプが点滅しはじめて、天水は古泉の横に並んだ。点滅がだんだん速くなり、シャッター音がした。

 さっそく画像を確認した。自分で見て無愛想だと思ったが、目をつむっていないのでよしとした。その画像を見て、思いついたことがある。

「このカメラでも撮りたいんだが」

 結局、全員のカメラで撮った。

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