妹の彼氏に告ぐ
妹想いの兄。
しかし、ある日、妹が彼氏を連れてくるらしいと知って……。
最近、妹の様子がおかしい気がする。
私が言うのもヘンだが、妹は容姿端麗―そして成績優秀にして女子ソフトのエース―-まさに非の打ちどころがない。無論、性格もそこらへんの女子に比べ抜群にいいのだ。それがどういうわけなのか朝からそわそわして時折のぞかせる表情は私は見たことがないものだった。
「じゃぁ、行ってきます」
「ああ、気を付けてな」
いつもの会話を交わし、妹を私は送り出す。一体何があったのか。もしかすると学校で何か……。いや、妹に限ってそういうことはないはずだ。と、すると考えられるのは―。私は少し青ざめた顔に手をやりながら
「彼氏、か」
それからしばらくは何事もなかったが、今日はずいぶんと雰囲気が違う。いつも以上に髪型や洋服に気を使っている。まさか、彼氏が家に来るとでもいうのか!? 私には妹の帰りを待つしかない。
「ただいまー」
「えっと、おじゃまします」
この声は間違いなく男だ! 妹の彼氏に違いない!
俺の妹に変なことしやがったら承知しないからな。ここはガツンと言ってやる!
「おい! 分ってると思うが妹を泣かしたらタダじゃおかないからな!」
俺は声高らかに宣言し、そのまま外へ出た。
どうだ。これで奴もおとなしくしているだろう。ちょっとした爽快感が胸に宿る。
「ごめんね。何だかうるさくて」
「大丈夫だよ。でも、なんか人間っぽい感じの犬だね」
ご覧いただきまして、ありがとうございます。
こういう展開……やっぱりイイデスネ。と思っているのは僕だけかもしれませんが。
是非とも、次も見ていただけると喜びます。