武器を捨てろ!
追われていて、「武器を捨てろ!」と言われると…つい。
俺としたことが、こうも簡単に追われることになるとは思いもしなかった。
追ってこないのか?
いや、確実に追ってきている。
追ってきているのは凄腕の刑事。しかも警官は二十人はいるようだ。このあたりはもう封鎖されていると思っていいだろう。くそッ、ここまでか。
「あそこにいたぞ、追え!!」
見つかった。後はここから飛び降りて向こうの通りまで行くしかない。だが…俺にはほとんど武器は残されていない。ナイフの一本でもあれば望みはあるんだが。
「囲まれたか…」
「もう終わりだ。悪あがきはよすんだな。アリ一匹通さないから覚悟しろ」
「ああ、分かったよ」
俺はそう言いながら、近くに落ちていた鉄パイプを拾い上げる。
ここまで来て、捕まるわけにはいかない。何としてもこの包囲網を突破しなければ!
「よう!」
「出てきたか。さぁ、武器を捨てるんだ! それじゃ何もできないだろう? その方が身のためだ」
「そうだな」
放り投げた鉄パイプが落ち、甲高い音を立てて転がっていく。近くに寄ってきた刑事たちを確認して。
「残念だったな。俺自身が武器なんだよぉ!!」
俺の胸が開き”カチッ”という音が鳴った瞬間、眩い閃光が天を衝いて消えた。
またこんな展開になってます。
まぁ、好きで書いている訳ですが……。次回は少し毛色の違う作品が出てくるかもしれません。