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神隠し顛末(333文字)
「神隠し」ある村で起きた神隠しの意外な真相。
ある日、一人の少年が姿を消した。
その少年は村で『神童』と呼ばれていた。だから、村のみんながこの少年に期待をしていたのだ。
少年は散歩に行くと言って家を出た。それっきり少年は帰ってこなかった。
「どうするんだ!? このままでは村は……」
大人は口々にそう叫んだが、少年は帰ってこなかった。
それから――五十年の年月が流れた。
消えた少年が姿を現したのだ。あの頃のままで。
「奇跡だ!」
誰もがそう言うと思った。でも本当は違っていたのだ。
「まったく、どこをほっつき歩いていたんですか? 連絡してくださいよ」
「ああ、ごめん。ちょっと下界にいすぎちゃって。なかなか抜け出せなかったんだよ」
少年は笑った。少年は神だった。
空白と改行を含む、333文字で構成しています。最近、この手の縛りが楽しくなりつつあります。
次も頑張ってみますか。




