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壺中天パート2

 壺中天をテーマにした作品、第二弾。

 今度はちょっとシリアスだぞ!!(笑)

 

 壺中天。


 それは、ツボの中に広がる別世界。まるで極楽浄土を絵に描いたような場所だという。そこには仙人が住んでいるともいわれているが、もちろん本当かどうかは誰もしらない。



 どこからか、いい匂いが漂ってくる。

 この、全身が痺れるような感覚と幸福感。間違いなく、俺たちが言うところの”酒”だ。


「ずいぶんと久しぶりの感覚だ。これを逃す手はない」


 もう、何日か酒を飲んでいなかった。食事にはありついていたが、満足できるというレベルではなかった。それに同僚ときたらさっさと女をつかまえて夜の街へと繰り出してしまい、残っているのは俺だけ。今なら、ありつけるかもしれない。そんな思いが俺を焦らせ、理性を飛ばしていたのかもしれなかった。



 それが、運の尽き。



 気が付いた時には俺はもう身動きが取れなくなっていた。


「くそッ! やっぱり罠かよ!?」


 そう叫んだところで、誰も助けには来ない。見上げた空には満点の星空。この星の下でもっと優雅に、力強く生き抜いてみたかった。

 身体が徐々に沈んでいく。粘り気のある液体が俺の自由を封じ、底なしにも見える沼へと引きずり込んでいくのだ。その瞬間でさえも俺は刺激に満ちた、全身を駆け巡る陶酔感に身を委ねていた。


「じゃぁな」


 それが俺の最後の言葉だった。




 澄んだ空に、満点の星々が瞬いている。

 大地に宿る緑色の植物は壺に似た袋を僅かにゆらし、羨むように天空を見上げていた。


 はい。いかがでしたでしょうか。


 『パート1』との違いは、コメディーかシリアスか、という点と文章量の違いです。そのあたりは意識しながら書いてみました。



 ちなみに、『パート3』は本当にありませんので。

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