また明日ここで会おう
僕はダメなオバケけだ
人を脅かすことが出来ない
オバケ学校でも僕はビリっけつだ
いじめられてるんだ
だから、今日こそは人を脅かして、みんなの鼻を明かしてやるんだ
僕は深い森に入って茂みに隠れて誰か来るのを待っていました
しばらくして、そこに女の子がやって来ました
女の子は白い服を着たとても可愛い女の子でした
よし!今だ!
ばあぁぁ!!!
僕は勢いよく茂みから飛び出しました
きゃあ!
女の子は驚いて転んでしまいました
あ!
僕は慌てて女の子のそばに行きました
「ごめんなさい!怪我させる気はなかったんだ。」
「大丈夫、かすり傷だから。」
女の子はあることに気付きました
よく見ると男の子には足がありませんでした
「あなた…オバケ?」
「……うん、君を怖がらせようと思ったんだ。僕は怖いオバケだよね?」
「すごいビックリした。でも、私は怖くないよ。だってあなたは優しい人だもの。優しいオバケがいたっていいと思う。」
僕はそんなことを言われたのは初めてでした
それから、2人はたくさん話しました
僕に初めての友達が出来ました
また明日ここで会おう
次の日も、次の日も、2人はここで会って毎日おしゃべりしました
僕は茂みに隠れて女の子が来ると驚かせていました
女の子は優しく微笑んで喜んでくれました
それから、何ヶ月か経ったある日、その日、女の子は来ませんでした
次の日も女の子は来ませんでした
でも、僕は待ち続けました
茂みに隠れて女の子を待ち続けました
僕は女の子が心配でした
その次の日、女の子はやって来ました
元気な姿に僕は安心しました
また2人は日が暮れるまでおしゃべりしました
女の子は時々咳をしていました
また明日ここで会おう
しかし、それから一週間女の子は来ませんでした
僕は一週間、毎日茂みに隠れて待ち続けました
そして、やっと女の子がやって来ました
女の子は少し痩せていましたが、笑顔で元気そうでした
また明日ここで会おう
次に女の子に会ったのは、二週間後でした
女の子は少しやつれてどこか辛そうでした
笑顔にも影が見えました
また明日ここで会おう
それから…1日、2日、3日、4日、1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、いつまで経っても女の子は来ませんでした
僕は毎日、茂みに隠れて女の子を待ち続けました
雨の日も、雪の日も、嵐の日も、ずーっとその場所で待ち続けました
また明日ここで会える
僕はそう信じていました
季節はめぐって1年、2年が過ぎました
その日も茂みに隠れて僕は女の子を待っていました
でも、一向に女の子は現れません
茂みの前の道はすでに草が生い茂り、人が歩けるような道ではありませんでした
しかし、僕は前だけを見ていました
すると、突然…
わっ!!
後ろからの大きな声で、僕は茂みを飛び出しました
僕が振り返るとそこには女の子が立っていました
やっと会えた
僕の目から涙が溢れてきました
女の子は微笑みました
「オバケも泣くんだね。」
女の子は手を差し伸べました
僕はその手を握り返しました
2人の体は宙に浮かんでいき、高く高く登っていきました
そして、空に消えていきました