#02 わんこちゃん
Q. 物流はどうなっているのでしょう?
A. 地下に交通システムがあります。
放送番組で見て知ってはいたのだが、今まで使う機会が無かった交通システム。
個室の電車って感じの交通システムは、各家庭の地下に引込み線の停車場が設置されていて、ドアツードアで目的地に自動運転される。
これで両親と共に向かっているのは幼稚園だ。卸したての晴れ着、真っ白な靴下、ピカピカのエナメル靴という出で立ちである。
びゅーんとかっとばす車内から外を見るならば…
綺麗な星空だなぁ、母ちゃん。
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#02 わんこちゃん
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地下には星空が埋まっている。のではない。
今の日本人の住処が宇宙植民地である、ということだけの話である。
あたしらの家のあるコロニーは、半径6Kmの皿型の密封居住ブロックを二個、全長280Kmの数万本のワイヤーで繋いである。
これを回転させることで重力を生み出していて、天秤タイプと呼ばれる。
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島三号などとは違う方法が採用されているのは、使いものにならないからだ。
島三号のシリンダー直径は6Km。
これから接線速度を求めると、たかだか時速612Kmに過ぎない。
ここでこの交通システムを例に考えてみよう。
この車体は昔の国鉄在来線の最高時速とおなじ時速120Kmで設計されている。
居住ブロック内部を最大10分程度で行き来できるようにだ。
これが回転半径が3Kmしかないコロニーで走行した場合、回転方向に向かう車内での重力はといえば、なんと1.40Gにもなる。ちなみに、逆方向だと0.64Gだ。
これに乗るのはちょっと勘弁させて欲しい。
結論として地上に近い感覚で暮らすためには、前述のとおりの回転直径が必要となる。
ちなみに居住目的では無い場合、例えば農林水産業コロニーなどには島三号タイプが使われているし、工業コロニーなどには全高1000Km以上に及ぶ天秤タイプの変形版も存在する。
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しかし、残念なことに運動の感覚は大きく変わってしまっている。
遠心力は重力の代わりにはならない。
特に注目する点は「コロニーで物体は『緩やかな加速で落下』する」のである。
コリオリの力で横方向に加速するはずだが、垂直跳び程度では感じない。
原理をなんとなく説明するなら、
──ハンマー投げのハンマーが投擲してから加速すると思いますか?
と。これで判る人がいるのか?と思うだろうが、テレビ番組でそう説明していた。
未来人すげーや。
落下物が加速しているように見えるのも、回転座標の妙なのだという。
ともかく投擲物はサインカーブを描いて飛んでいってしまうため、勝手が違う。
しかし、この状況下でも宇宙野球など存在している。
動物もまた同様に、そんなこと気にもせずに適応し、飛んだり跳ねたりと元気だ。
…マジに慣れってものは恐ろしいものだと思う。
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密封居住ブロックは照明として天井部に巨大な人工太陽灯が設置されているのだが、陽は登りも落ちもしないため風情のないことおびただしい。
え、ミラーで太陽光を取り入れればいいんじゃないかって?
ははは(力ない笑い)…それはまた後日にでも。
雨や雪も噴霧器によって散布されているという点も残念だが、四季を再現して植生を維持するという目的なので仕方ない。むしろ一定環境のほうが管理が簡単なのだから頑張っている。
ちなみに、このコロニー群は人間の作ったものではない。
これもまたワラシと同じく、例の『精霊機構』が作っている。
コロニーのみならず、原材料やエネルギーなどの資源は、すべて精霊機構から人間に提供されている。それが精霊と人間の盟約による対価なのだ。
人間一人一人に対して、尋常でない物量が精霊から供与される。
風が吹けば桶屋が儲かる。
この制度の帰結は、この時代の男にとって過酷な状況を引き起こしているのだが…
あたしは女の子だし、関係ないわね♪
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コロニー内には野生動物も放されていて、庭で狐や狸と出会ったりして驚いたが、狂犬病とかエキノコックスは大丈夫なのだろうか。
さすがに熊とか猪のような大型動物に出会ったりしたら病気以前に生命の危機だ。
いくらなんでも21世紀の宇宙植民地で三毛別羆事件の再来とかはあるまい。
ただ実のところ信じがたいことに、そんな熊害すらも生ぬるい厄災の存在がこの時代には存在する。
それに関しても一介の幼稚園児の生活には関係ないだろうけどね。
そういえば、冬期の風物詩であるインフルエンザのニュースも聞かないし、新三種混合ワクチンなどの予防接種すら受けていない…コロニーという隔離環境が影響しているのかもしれないが、本当に大丈夫なのだろうか?
幼稚園に入園するまで、気にも留めてなかった。
検索してみる。ウィルス、感染症っと。
えーと、2007年度ノーベル医学賞アポトーシス器官と石化反応?これかな。
「1998年度におけるインフルエンザなどウィルス性疾患の罹患数の激減の原因をWHOが中心となって調査。この調査によりアジアを中心にミトコンドリア変異ウィルスのパンデミックの痕跡が確認される」
「変異したミトコンドリアは小胞体ストレス反応と同様にアポトーシスを誘導する。特に重篤なウィルス感染・癌化に反応し、細胞膜に不可逆な変異を誘発するものである。結果としてウィルスや癌細胞は増殖を抑制されるため、感染は表面化できない」
「アポトーシス器官と石化反応と名付けられた発見に対し、発見者のフィリップ・ノーマン教授は2007年ノーベル医学賞を受賞。しかし、後年のシミュレーションの結果では、水平感染力が弱いという傾向があることが判明、パンデミックの経路に関しては謎として残された。石化反応は計算上では自分自身の感染力にも影響するからであった」
「日本人には精霊戦争時の帰化難民を介して伝搬したと推測される」
…よくわからない(涙)。ウィルスと癌って克服されてる?
前世は癌だったから、そうだったら嬉しいな。
それと何げに『精霊戦争』の記述が…ええい、スルーだスルー。見なかった!
幼稚園に到着したみたいだし。
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ほーー、ここが21世紀の幼稚園か!
なんというか、広いなー。
お、わんこわんこ。お手っ。
ぽむ。
ん?
伸ばした手に重ねられる小さな手のひら。
見上げると、おかっぱの少女がニコニコニコニコとしていた。
「あたし如月杏子、あなたは?」
はい、春宮晴海です。
いや、わんこって言ったんだけどな。
わんこちゃん?
「じゃあハルハルね。よろしくぅ。あたしはわんこね」
すごい積極的な娘だなぁ。うらやましい。
こちらこそ、よろしくお願いします。ふかぶか。
これが如月杏子、わんこちゃんとの出会いだった。
わんこちゃんとお手て繋いで集合場所に。
二度目の幼稚園。辛いものはないかって?そんなことは無い。
古典漫画の小学生探偵よろしく、見た目は子供!頭脳は大人!ではあるが、前世では祖父母に育てられ幼稚園は行かず、小学校早々に入院してしまった。
つまり、そのなんだ。
…友達いなかったんだよ…orz
いや、ありがたやありがたや。
呪いのせいで、あたしはコミュニケーション能力に十字架を背負っている。
わんこちゃんを見習ってリハビリに励まなければ。
「ハルハル、一緒に来てるあの男の人、お父さん?」
うん、入園式の付き添い。
「ハルハルの家、お父さんいるんだ。珍しいね!」
…いやー、ははは、笑うしかない男性受難時代。
先程の話での過酷な状況の実態が今まさにここに。
人間一人一人に対して、尋常でない物量が精霊から供与される。
つまり、子供を持てば持つだけ金持ち。そして男は子供を産めない。
子供こさえたら父親いらねーじゃない?
合掌。
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集合場所の運動場は賑やかだった。
年長年中組15名、新入生10名、保護者23名、先生7名、各人のワラシで合計110名。犬が4頭、猫が5匹、ニワトリ5羽。えーと、幼稚園の住人は総出?
あたしの住んでいる春告町コロニーは充当率50%のド田舎。
人口5000人だから、現在の住人の1%ほどの勘定となる。
精霊機構のテコ入れで一般に教育関係施設は充実している。
幼稚園ですら敷地10ha。後楽園球場8.7個分の広さがあり、丘あり谷あり平地ありと住宅部とは異なった複雑な設計がなされていて、本当にコロニー内なのかと目を疑ってしまう。わざわざ30mほどの高台を作り基準面とし、高低差を作っているそうだ。
このため、不審者が入り込もうとしても、林を抜け斜面を登ってこなければ、ここにはたどり着けない。もちろん電子的な監視システムをくぐり抜けられての話だ。
たどり着いた侵入者にとっては、24時間監視を続けている40体のワラシ警備員─御庭番─も敵となり、発見され次第に確保される。
どこの軍事施設だろう…
ん?同い年が10人前後って意外というかだいぶ少ないな。
数十年分合わせても千人にも届かないじゃないか。
「若い人は他所に就職したりしてるからね」
おおう過疎地!なんという箱物行政!
「企業誘致が進んでくれると、従業員が移り住んでくるから人は増えるはずだよ」
充当率100%で100年に分けると各年代100人程度。
釣鐘型人口比率として150人規模って感じなのかな?
3学年450人と予定しても、やっぱ広いよな。
とはいえ、そもそも半径6Kmのコロニーだから約1万haで定数1万人。
10人分程度の居住面積だから、多くない?むしろ小さい?
…考えるのやめよう。この時代の敷地面積のスケール感はそういうもんだ。
ともかく、春告町立幼稚園の第七回入園式が始まろうとしていた。
【本編よりも長くなることもあるかもしれない後書き】
「というわけで、入園式編の前編でした」
ひゅーひゅーぱふぱふ。
「しかし国鉄とか後楽園球場とか、一々例えが古臭いね。ハルハル」
ほっとけ。年寄りっ子だから、伝染っちゃってるんだよ…
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「コロニー物理学、もしかしたら間違っているかもしれませんね」
作者は一所懸命計算していたみたいだけど「コリオリの力がどうしてもE-5とか出てくる!!!」とかわけ分かんないことを叫んでいます。
回転半径140Kmもの高さだし、数十mの落下ならそんなもの?
島三号モデルに関しては、必死こいて検算したところ
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1Gの遠心力を生む接線速度は
半径 3000 [m] の場合 171.522447510523 [m/s] (617.480811037881 [km/h])
角速度
0.0571741491701742 [rad/s], 3.27583744470238 [deg/s]
周期
109.8955629139 [s], 1.83159271523167 [m]
速度の変位量
-120(33.3333333333333), 0.0, +120(33.3333333333333) [km/h(m/s)]
遠心加速度と%変化
13.9886303150487, 9.80665, 6.36541042569209 [m/s^2]
42.6443312960965, 0, -35.0908778666304 [%]
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と判明。使えねーやとモデルを放棄。
おとなしく慎ましやかに暮らすなら充分なんですがね。
そして、時速120Kmで5%程度の重力変化に納められる回転半径という要件で
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1Gの遠心力を生む接線速度は
半径 140000 [m] の場合 1171.72138326481 [m/s] (4218.19697975332 [km/h])
角速度
0.0083694384518915 [rad/s], 0.479533500187888 [deg/s]
周期
750.729615050766 [s], 12.5121602508461 [m]
速度の変位量
-120(33.3333333333333), 0.0, +120(33.3333333333333) [km/h(m/s)]
遠心加速度と%変化
10.3725490713959, 9.80665, 9.25662394447708 [m/s^2]
5.77056458011596, 0, -5.60870486377022 [%]
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と変更したわけですが…
「まんま種の砂時計型コロニーと同じ方式だよね、これ」
もしかして、同様の結論に達してコロニー考証しなおしたのかも?侮れないな種。
「でも電童のぶっ飛んだセンスのほうが好きとか言ってたよ、作者」
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さて、衝撃の男性の受難について。これは本編でも語られたように盟約が原因だ。
「宇宙移民を受け入れるなら、全国民にワラシと物資を提供。
という大盤振る舞いな盟約ですね。まあ、総生産力の%未満なんですが」
相手が人間じゃなかったから、まさかの罠の存在など気にも留めず。
「罠なんて心外です。精霊から見ても想定外でしたよ」
それは嘘だろ。おそらく精霊は承知していた。状況証拠しか無いが、精霊の計画性を指摘しているのは、あたしだけではなく多くの社会学者もだ。
まあ、たとえ罠に気づいたとして、どうすることも出来なかったはずだ。
無理矢理に押し付けられていたら同じ事だから。
盟約は、人間側に受け入れさせる口実としての手段に過ぎない。
何を「受け入れる」のかと言えば「男性陣に対する事実上の差別」だ。
真正面から「これからあなたたちの半分を差別します」とは言えないからな。
しかし精霊の都合のためには、どうしても必要だった。
なぜ、必要だったのか?
その分析の前に、まずは精霊の都合を確認する必要がある。
今回もまた割愛するが、精霊は一部の人間のスキルである『珠法』を必要としている。
簡潔にまとめれば、
──精霊にとっては人間が繁栄してくれると都合が良い。
そして一時的な繁栄ではなく恒久的な繁栄を求めることは当然だ。
ならば、生物種としての多様性が必要となる。
クローンではこの条件は満たせず、結果を求めるなら無作為な生殖が望ましい。
無作為な生殖、さすがにそれを押し付けたら、人間は精霊を受け入れるはずはない。
結婚とそれに伴う貞淑さという道徳が拒んでいるからだ。
かくして結婚制度は邪魔物と判断されたが、その廃止を強制するわけにはいかない。
しかしそれならば、自ら望んで結婚制度を形骸化するように仕向ければ良いだけの話だ。
結婚制度の形骸化。それには主に二通りの方法がある。
結婚を忌避させるか、結婚を無意味とするかの、2つだ。
愛情とかの感情的要素は、操作するにはリスクが大きすぎる。操作は反発を生む。
この方向の計画が成された形跡は見られない。
精霊は何も示唆も誘導も直接には行わない。
対価が「不干渉という信用」であり、巨大なリスクだからだ。
精霊は「不干渉という信用」に膨大な物質的・時間的リソースを積み上げている。
する時は余程の覚悟をして慎重に、提案するだけだ。
精霊が注目したのは女性の社会進出の向上と結婚願望の低下の相関だと思われる。
これは、女性が結婚する大きな要因は経済的問題による。ということを意味する。
そこで精霊は、直接的に報酬を与えることで経済的問題を解消することを企画する。
かといって、露骨に子作りに報酬をと言い出したとしたなら拒絶反応が起こるだろう。
そこで搦め手を準備したのだ。盟約として準備された一節の中に。
──全ての国民に、生活圏維持拡大に要する資源を提供すること。
一見、何事もない社会保障の提供。
そしてこれを、あたかも機械的融通の無さであるかのように、国民一人一人に対してと、馬鹿正直に解釈してみせたのだ。
これがどういう事態なのか。女性たちが気づくのに時間はかからなかった。
もっとも、離婚に至った割合は極々少数だった。
しかし、その年からの新規の結婚率は加速度的に減った。
根絶に至らなかったのは、愛情と信じたい。
相手に身も心も尽くすといった性的嗜好じゃ、ないよな。
うちの親も結婚派だけど、そうは見えないし。いや、見たわけじゃないけど。
あう、人生経験少ないから、そういう機微は…
「そういうの分からない?」
そんな好いた惚れたなんて浮ついていられなかったからなぁ、前世じゃ。
この世では、なんだ、その、そういう事に興味が無いわけじゃないし。
「うんうん」
なぜ、頭をなでる!脈絡ないぞ!
…………本当は、お嫁さんとか夢だったんだ。
そして、結婚という枷から解き放たれた女性がどうなったかといえば、多様な遺伝子を心向くまま子孫に取り込もう、という一派が現れた。
彼女らはある意味で宗教とも言える熱狂的な活動を行う。
その教義は「遺伝的多様性が子孫の生存率を上げる」であり、遺伝的多様性が少ない個体群が環境変化に弱いという客観的事実に基づいているので、誰も彼女らの宗教活動を非科学的と否定できなかった。相変わらず「知識人」は無思考に非難はしたのだが、まともな科学的思考のできる人間は沈黙するしかなかった。
歴史的にみてこういう運動は金銭的な問題で破綻することが多い。しかし、今回のそれは盟約により経済的なフィードバックを受けていたため、活動が破綻する可能性も無かった。これも想定していたのなら精霊の未来予測は恐るべきものだ。
当初は少数派だった彼女らは、まるで百円ショップで見繕うように男を、と揶揄された。
この悪意を持ったレッテルは、それを流した集団にとってはネガティブキャンペーンのつもりだったのだろう。しかし覚悟を決めた女は強し。「百円族」と自称しはじめた時点で軍配は上がった。むしろ男なんて百円未満とまで放言されて逆襲される。
かくして、彼女らは21世紀のヒーローとなり、市民権を得てしまう。
更に懲りずに「専業妊婦」などと第二弾で抵抗しようとしたのだが…これがまたウケた。
百円族改め専業妊婦を名乗る女性が急増。今では専業妊婦が悪口として使用された過去を知る者は少ない。
なにしろ十年経ち、二十年経ち、五十年も経った今では、彼女らは連合し「専業妊婦組合」として超巨大な政治団体と化している。
…なにしろ十億日本人のほぼ全てが彼女らの「製品」なのだから、その影響力は推して知るべしであろう。
ああ、母は強し。
そんなわけで、妊娠にブレーキをかけていた経済的問題と育児コストは文字通りに粉砕してしまい、その結果は…えー、あー(赤面)
「保護者のおかーさんたちに、若い子いるねぇ」
はっきり言うなよ!こっちは昭和マインドで、馴染めてないんだよーっ!
せっかく見て見ぬふりしてたのに!
ああっ、まだ高校生かそれ以下でしょあの娘!なんで幼稚園児の子供が普通にいるのっ!
おかしいでしょ、おかしいでしょ、どう考えてもさっ!
ははは、おかしいわよね、おかしいのは自分?古臭いのね?
そうなのね…今は昭和じゃないし、正しいのは彼女らなのよ。
「おーい」
(ぶつぶつ…)そりゃ、あたしだって子供とか可愛いなーって思うわよでもそれはもっと大きくなってから、いやおっぱいとかじゃなくそういえば皆おっぱいでかいわね、子供産むとでかくなるって本当なのね、メラニン沈着とかもしてるんだろうなってなんでおっぱいのこと考えてるのかしらあたしったらおっぱい星人のけでもあるのかしらほんとにでっかいわねあたしもおっきくなるのかしら大きくならなかったらどうしよう聞いた話だとふくらみはじめた頃に痛くてももみほぐすとおっきくなるとかじまんじゃないけど痛いとかたいがい大丈夫だからがんばろうかなでもいったい、何歳から子供ぽこぽこ産むようなあんなことこんなことやらかしてるのよ。こんなだから作者もR15とか18とかネタとしてアリじゃないかなんて考え始めるのよやあね本当にへんたいな作者でこまるわあたしどうされちゃうのかしらやだなんかちょっと期待しちゃってるかもやだやだいやあのちょっとほんのちょっとだけなのになんであたまからぬけないのよ(ぶつぶつ…)
(しばらくお待ちください)
かくして、この差別的制度は「平等」というオブラートに包まれて提供された。
「(あ、リブートした)」
陰謀論を疑われても仕方ないだろう。すべてが例の解釈を嚆矢としているのだから。
そして、この現状から、一番利益を得ているのは実は精霊だからだ。違うか?
何を引き起こすのかを念入りに検討して『目的』の達成に最適と判断したからだ。
「(実は僕等に入れ知恵した人がいるんだけどなぁ…内緒だし)
さて、その目的に関しては」
…あからさまに流したな。まあ、引っかかるほうが悪い。
目的は人口と多様性の拡大、ではなく、それも手段なんだよな。ああ面倒臭い…
『精霊戦争』と『怪獣』と、特に『珠法士』を説明しないとならないからなぁ。
正直、眉唾過ぎて信じられない。うちの両親の『仕事』にも関係するんだけど。
面倒だし話の流れで出てくるだろう、今回はパス。
「二度も本音が漏れでてるよ、ハルハル」
何度でも言うぞ、面倒くさい。