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全ての始まり
カチャッ カチャッ ウィーン
真っ暗な部屋の中の、唯一の光は、机の上のパソコンから放たれていた。
美しい木目調の机も、暗い部屋の中で、パソコンやヘッドホン、カップ麺のゴミやらを置かれると、それが何で出来ているのか、いくらくらいするのかも、想像がつかなくなる。
ウィーン ガチャ
パソコンが、大きな音を立てる。人のいない部屋で、パソコンが動いているというのは、気味が悪い。
ジー
画面が切り替わる。
「ゲームオーバー」
カタカナで、大きくそう書かれた白い画面は、先ほどよりも強い光を放っていた。
ウィーン
数秒ほどすると、画面は徐々に暗くなっていく。
ゲームオーバーの文字は、どんどん闇に包まれていき、最終的には見えなくなってしまった。
画面は真っ暗になり、部屋の光は完全に消えた。
音も消え、部屋の中は完全な暗闇と化す。
机も、ゴミも、パソコンも、何も見えない。
形さえ、わからない。
この部屋で、先ほどまでパソコンが動き、ゲームオーバーの文字が表示されたことは、誰も知らない。
なぜ、勝手にパソコンが動き出し、部屋の中を照らしたのか、誰もわからない。
不気味な部屋だった。