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3話 私はゴッホ?

- 探偵助手、サインを守る -

オープニング的なやつ - 伝説のサインを守る?


タル「……何してんだ」


事務所に戻ったタルは、目の前の光景に眉をひそめた。


机の上で、サヤカが腕まくりをしながら真剣な顔で"あるもの"を磨いていた。


サヤカ「えへへ……♪」


サヤカは、頬を緩ませながら微笑む。


サヤカ「伝説のサインが、百年後も綺麗なままで

残るように……✨」


タルの目線の先には、壁に飾られた "サヤカ直筆のサイン色紙"。


タル「(……こいつ、まだこれを気にしてたのか)」


タル「……」


タルは、無言で周囲を見渡す。


机の上には、ぐちゃぐちゃになった書類。

床には、観葉植物が倒れて土まみれ。

さらに、タルの机の上には、はっきりとサヤカの足跡がついていた。


タル「……いや、違う。俺の机の上の話だ」


サヤカ「……え?」


サヤカは、ようやく気づいた。


サヤカ「あぁぁぁぁぁぁ!?!?」


サヤカ「う、うわっ!? 探偵様の

机がぁぁぁ!?!?」


タル「……観葉植物も倒れてるぞ」


サヤカ「ひぃぃぃ!?!? 土がぁぁぁぁぁ!!!」


タル「書類もぐちゃぐちゃだ」


サヤカ「す、すみません!! でもでも!! これも

"伝説のサイン"のため……!」


タル「……お前のサインは"ゴッホの名画"か何かか?」


サヤカ「ち、違いますけどぉ!?!?」


タルはため息をつきながら、倒れた植物を元に戻した。


タル「……せめて、俺の机を踏み台にするのはやめろ」


サヤカ「えへへ……反省してまーす……」


しかし…事件発生! 消えたサイン色紙!?


── 翌日。


事務所に入ったサヤカは、目を輝かせながら、昨日と同じように色紙を拝みにいった。


サヤカ「さて! 今日も磨き上げ……」


サヤカ「……」


サヤカ「…………あれ?」


そこに、"あるはずのもの" がなかった。


サヤカ「……えっ?」


壁に飾られていたはずの サヤカのサイン色紙が"消えていた"。


サヤカ「……!?!?!?!?!?」


一瞬、何が起こったのかわからなかった。


サヤカ「ちょっ……ちょっと待って!!」


サヤカは、慌てて壁の周りを探す。


机の下。


棚の隙間。


どこを見ても、サインはない。


サヤカ「えっ……嘘……」


サヤカの顔が青ざめる。


サヤカ「……さ、探偵様ぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


事務所の奥で新聞を読んでいたタルが、サヤカの叫び声に反応して顔を上げた。


タル「……なんだ」


サヤカ「サインが……!! 私のサインがぁぁぁぁぁ!!!!!!」


タル「……あぁ?」


タルは、あくまで冷静だった。


サヤカ「どこにもないんです!!!

なくなっちゃったんです!!!!」


タル「……ふむ」


サヤカ「えっ!? 探偵様!! もしかして片付けちゃいました!? そんな!!

何も言わずにそんなことするなんてひどいですよぉぉぉ!!」


タル「……俺は触ってない」


サヤカ「じゃ、じゃあ誰が……」


その瞬間、サヤカの顔が "はっ!!" と青ざめる。


サヤカ「……ま、まさか……!!?」


サヤカ「……」


サヤカは、ゴクリと息を飲んで、震えながら言った。


サヤカ「こ、これは……盗まれた……?」


タルは、新聞をたたみながら、静かに答えた。


タル「そうだな」


サヤカ「本当にぃぃぃぃぃ!?!?!?!?!?」


タル「お前のサインが、何者かによって盗まれた」


サヤカ「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」


サヤカは、ガクガクと震えながら、壁を見つめた。

── "伝説のサイン"が、忽然と消えたのだ。


事件捜査開始!


サヤカ「ま、まずは捜査です!!!!」


タル「おぉ」


サヤカ「……えぇっと……"犯行現場"はこの壁ですね!」


サヤカは、壁の前に立って腕を組む。


サヤカ「(ふむふむ……)」


サヤカ「("盗まれた" ってことは、犯人は……)」


サヤカ「……もしかして、"サインの価値" に

気づいたんじゃ……!?」


タル「……」


サヤカ「そ、そうですよ!! 昨日までの私は、

探偵界のルーキー!! これから名探偵になれば…

私のサインはプレミアつくに決まってます!!!」


タル「……なるほど」


サヤカ「うぅぅぅ……!! 許せない!!!

こんな大事なものを盗むなて!!!」


サヤカは、ぐっと拳を握る。


サヤカ「……探偵様!!!」


タル「……なんだ」


サヤカ「絶対に!!

絶対にサインを取り戻します!!!」


タル「……お前のサインは、"消えた名画"

か何かか?」


サヤカ「ゴッホの絵と並ぶ価値があるかも

しれません!!!」


タル「ないだろ」


サヤカ「ありますぅぅぅぅ!!!!!!」


── こうして、"サヤカのサイン盗難事件"が幕を開けた。

タルの視線……しかし、読者にはバレないように


あれ…見えてる?


捜査を始めるサヤカを見ながら、タルは静かに目を細める。


タル「(さて……こいつの推理力はどこまで伸びたかな)」


もちろん、タルは真相を知っている。

"サインを盗んだ犯人は、タル自身"。


しかし、サヤカにはそれを知らせるつもりはない。


これは、"サヤカの推理力を試すための事件"。


タル「(どこまで気づくか……見せてもらおうか)」


サヤカはまだ気づいていない。


この事件の犯人が…… "目の前にいる探偵様" だということを。


続々しちゃう

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