10話 サヤカ恋
夢の中。
サヤカは、ぼんやりとした光の中にいた。
目の前には、タルが立っている。
サヤカ「(……あれ?)」
タルは、いつもの冷静な表情でサヤカを見つめていた。
タル「……サヤカ」
サヤカ「……た、探偵様……?」
タルが、ゆっくりと近づいてくる。
サヤカ「(な、なんで……?)」
サヤカ「(探偵様が……こんなに近くに……?)」
次の瞬間、タルの手がサヤカの頬に触れた。
タル「……」
サヤカ「(え……?)」
気がつくと、タルの顔が目の前にあった。
そして、唇が重なる。
サヤカ「……!!」
ドクンッ……!!!
サヤカの心臓が大きく跳ねる。
サヤカ「(え……!? ええええええええええええええ!?!?!?!?//////)」
サヤカ「(探偵様と……キス……してる……!?!?//////)」
サヤカは、夢の中で"完全に思考が停止" した。
しかし…タルの手が、そっとサヤカの肩に伸びる。
そして
"ベッド" に押し倒される
サヤカ「── !!!」
──
夢から覚める目覚めたサヤカの焦り
サヤカ「はっ!!!」
サヤカは、ベッドの上で飛び起きた。
サヤカ「~~~~~~~~~っ!!!!//////」
顔が、一瞬で真っ赤に染まる。
心臓が"ドクンドクン" と鳴り響いている。
サヤカ「(な、な、な、な、何を見てるんですかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!//////)」
サヤカ「(こ、これ完全に……"昨日の間接キス" のせいですよねぇぇぇ!?!?//////)」
サヤカは、両手で顔を覆った。
サヤカ「はぁぁぁぁぁ……!!!!//////」
布団の中でバタバタと転がる。
サヤカ「(やばいぃぃぃぃ!!!!////// もう無理ぃぃぃ!!!!//////)」
サヤカ「お、落ち着け……」
深呼吸をするが、心臓はまだ鳴り止まない。
サヤカ「(こ、こんな夢……"意識してないと" 見ないですよねぇぇぇぇ!?!?//////)」
サヤカ「~~~~~~っ!!!!//////」
サヤカ「(でも、でもでも!!! そ、そんなわけないですよねぇぇぇ!?!?//////)」
サヤカ「("タルさんのことなんて"、そんな風に……)」
……そう考えようとしたが、"どうしても" 意識してしまう。
夢の余韻を引きずったまま、サヤカは着替えを始めた。
しかし… 気づけば"いつもと違う服" を手に取っていた。
サヤカ「……」
鏡の前に立つ。
サヤカ「(……なんか、探偵様が"好きそう" な服……選んでませんかねぇ、私……?//////)」
サヤカは、"ふわっとした可愛い系" の服を着ようとしていた。
サヤカ「(あれ……?)」
サヤカ「(私、いつもこんな系統、着ましたっけ……?)」
サヤカ「(……ど、どうしようぉぉぉ!!!//////)」
サヤカ「~~~~~~っ!!!!//////」
完全に意識しすぎて、もう戻れない。
サヤカ「……し、仕方ない!!!」
サヤカは、勢いよく髪をセットし始める。
サヤカ「(い、いいんです!!! これでいいんです!!!)」
サヤカ「(別に……"探偵様を意識してる" わけじゃないですしぃぃぃ!!!//////)」
サヤカ「(ただの偶然です!!! そうです!!!)」
サヤカ「(こ、これは"私の気分" です!!!!//////)」
完全に言い訳しながら、サヤカは準備を整えた。
──
サヤカ「はぁ……はぁ……!!!」
サヤカは、走りながら事務所へ向かう。
サヤカ「(お、落ち着け……!!)」
サヤカ(普段通り!!! 普段通りですよぉぉぉぉ!!!)
サヤカ「(た、探偵様に"変な顔" されたら、終わりますぅぅぅぅ!!!)」
サヤカ「~~~~~~っ!!!!//////」
頬を両手でペチペチと叩きながら、サヤカは事務所のドアの前に立つ。
ドアノブに手をかけた瞬間
サヤカ「……」
サヤカ「(でも……)」
ふと、"昨日の間接キス" を思い出す。
サヤカ「(や、やっぱり……"ちょっとだけ" 意識しちゃいますよねぇぇぇ……//////)」
サヤカ「~~~~~~っ!!!!//////」
サヤカは、深呼吸をしてドアを開けた。
サヤカ「お、おはようございますぅぅぅ!!!」
── その瞬間、タルがジッとサヤカを見た。
タル「……」
サヤカ「……?」
タル「……お前、今日の服」
サヤカ「えっ!?!?//////」
タル「……"なんか" いつもと違うな」
サヤカ「~~~~~~~っ!!!!//////」
サヤカ「(ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!//////)」
サヤカの"朝" は、まだまだ落ち着きそうになかった。