1話 初体験
リメイク!前のは読みにくいしいらんところ多かったから!
オープニング的なやつ
サヤカ「ついに、ついにですよぉ!! 探偵様!!」
夜の街を歩きながら、サヤカは興奮気味に手を握りしめた…。
サヤカ「私、探偵助手になって3ヶ月! ずっと犬探しとか、自販機の下の500円拾いとか、そんな依頼ばっかりだったのに……」
目を輝かせ言う。
サヤカ「……今日はついに、"殺人事件" ですよ!!!」
タル「……おい」
彼はタル、パシリック・タル
常にトレンチコートを着る…
探偵らしい装いだ…コーヒー好きでもある。
サヤカ「もう! なんでそんな冷静なんですか! 探偵様は! こっちは初の大事件なんですよ!?」
タル「……殺人事件だな」
サヤカ「そうですよ!! ついに、"本物の探偵" ですよぉぉぉ!!」
サヤカは完全に"調子に乗っていた"…。
このあと、緊張と吐き気に襲われることも知らずに……。
タルは、そんなサヤカの目の前に"あるもの"を差し出した。
サヤカ「……?」
サヤカは、不思議そうに受け取る。
それは、何かの缶に入った飲み物だった。
サヤカ「……なんですか、これ?」
タル「探偵はこれを飲むんだ。一人前はな」
サヤカ「えっ、えっ!? つまり……」
サヤカは、タルの顔を見上げた。
サヤカ「もう、認めてくれたんですかぁ!? 探偵助手として!!」
タル「……」
タルは何も言わなかったが、その沈黙が"肯定"のように感じられた。
サヤカ「えへへっ……!! じゃ、じゃあ……」
サヤカは、にっこりと微笑んで、その飲み物を一口飲んだ。
サヤカ「……」
タル「探偵は、やっぱりブラックコーヒーだな」
サヤカ「ぶぅぅぅぅぅぅっっっっっ!!!!」
盛大に吹き出した。
サヤカ「に、にがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
サヤカは咳き込み苦しみながら。
サヤカ「いやいやいやいや!!! 苦すぎますってぇぇぇぇ!!!」
タル「一人前の探偵は、これくらい飲める」
サヤカ「くぅぅぅぅぅ……!!!」
サヤカは涙目になりながら、コーヒーを見つめる。
サヤカ「(くっ……こ、こんなことで負けてられない……!!)」
サヤカ「(私だって探偵助手なんだからぁぁぁ!!!)」
サヤカ「……も、もう一口……」
ゴクッ…飲んでみるが…。
サヤカ「ぶぅぅぅぅぅぅぅっっっ!!!!」
タル「……」
タルは、それを見ながら無言で歩き出す。
サヤカは、ブラックコーヒーの苦さに涙を流しながら、それでも探偵としての第一歩を踏み出したのだった。
── これが、サヤカにとって"最初の事件"の始まりだった。
第一話「ダークマネー」
- 佐藤殺人事件 -
初心者助手、現場へ向かう
サヤカ「探偵様ぁぁぁぁ!! ま、まま、待ってくださいぃぃぃ!!!」
夜の暗い路地を、一人の女の子が慌てて走っていた。
彼女自慢の茶色いサラサラボブヘアーは走る度に
サラサラ揺れていく。
"助手" である サヤカ は、名探偵パシリック・タルの助手になってから初めての「本格的な事件」 に挑むことになっていた。
──しかし。
今、彼女の頭の中を支配しているのは、"探偵助手としての気合い" ではなく、
"とにかく怖い!!" だった。
サヤカ「(や、やばい、夜の事件現場とか怖すぎるぅぅぅぅぅ!!!)」
サヤカ「(私、推理ゲームとかは好きだけど、実際の事件とか……!!)」
サヤカ「(死体とか見たら絶対卒倒するタイプなのにぃぃぃ!!!)」
そんなことを考えながら、タルの後ろを全力疾走していた。
タル「……遅いぞ」
サヤカ「ちょ、ちょっと待ってくださいよぉぉぉ!!こっちはまだ探偵初心者なんですからぁぁぁ!!!」
タル「助手になって三ヶ月経ったはずだが」
サヤカ「"まだ" 三ヶ月ですから!!!」
タル「まあ、慣れるしかないな」
サヤカ「ひぃぃぃぃぃ……!!」
タルの冷静すぎる態度に、サヤカは心の中で叫ぶ。
サヤカ「(私、助手失格じゃないですかぁぁぁぁ!!!)」
しかし、容赦なくタルはスタスタと歩き、ついに現場に到着する…。
目の前には、静まり返ったアパート…。
警察のライトが鈍く光り、玄関には "遺体発見" を示す黄色いテープが張られていた。
サヤカの探偵助手としての最初の試練が、ここに始まった。
事件…初めての遺体に、サヤカ絶叫!?
サヤカ「……っ……」
サヤカは、手を震わせながら 事件現場の部屋 に足を踏み入れた。
部屋は暗く、どこ~か生ぬるい空気が漂っている。
そして目の前に…スマホを持ちながら倒れている
男性の遺体。
サヤカ「(……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!)」
叫びそうになるのを、ギリギリ…いや…
なんとか堪えた…
サヤカ「……お、おおお……落ち着け、私……!!!」
タル「……お前が一番落ち着いてない」
サヤカ「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!」
思わず 探偵様の袖をギュッと握る。
しかし、タルは気にも留めず、遺体を観察していた。
タル「……膝の上にコーヒーカップ。スマホは手に持ったまま。浴室には濡れたタオル…玄関に
女のヒール…」
サヤカ「こ、こ……コーヒー……ですか……?」
タル「そうだ。これは、"直前までリラックスしていた" ことを示している。だが、スマホを手に持ったまま倒れているのは…」
サヤカは、必死にメモを取る。
サヤカ「(え、えっと……コーヒー……スマホ……うぅぅ……!!)」
心臓のバクバクが止まらない。
タル「…助手…302号室の住人の話を聞いてこい」
サヤカ「ええええええ!? ひ、
一人でぇぇぇぇ!?!?!?!」
タル「お前、助手だろう」
サヤカ「ちょっとぉぉぉぉ!!!」
推理の展開…事件の真相が見え始める
事件の調査を進めると、"ある事実" が浮かび上がった。
── この被害者・佐藤は"借金"を抱えていた。
サヤカ「……つまり、闇金に追い詰められていた、ということですか……?」
サヤカは、まだ震えながらも、タルの推理を
聞きながらメモを取っていた。
タル「そうだ…だが、問題は"誰がやったか" だ」
タルは、ゆっくりと室内を見渡す。
タル「この状況で考えられるのは、"犯人は計画的に鍵を閉めて逃げた" ということ」
サヤカ「……じゃあ、高橋さんが犯人の可能性も……?」
タル「どういうヘボい推理でそうなったかは知らんが…違う」
サヤカ「ひ、ひどい!!!」
タル「……高橋はハイヒールを置いて"裸足で逃走"している。つまり、"逃げる時間すらなかった" ということだ」
サヤカ「……えっ…」
タル「つまり、高橋自身も"何かに追われていた" 可能性がある」
サヤカ「じゃ、じゃあ……」
サヤカは、思わず息を呑んだ。
サヤカ「高橋さん、もう……」
タルは、静かに頷く。
タル「"次の被害者" になっている可能性が高い」
サヤカは、ぞくりと背筋が寒くなるのを感じた。
結末…どうする? 探偵様
タル「……結局、証拠がない以上、闇金を捕まえることはできない」
タルは、腕を組んで静かに言った。
タル「つまり、"次の被害者が出るまで待つしかない"」
サヤカ「……そんな……」
サヤカは、悔しそうに拳を握った。
サヤカ「(結局……今は、何もできない……?)」
サヤカ「……探偵様……」
タル「……」
静かに夜が更ける。
探偵と助手は、事件の"答え"を知っている。
しかし、今は動けない…。
次の被害者が出るのを待つしかないのだから。
次回は…「ターゲットは私!? サヤカ、おとり作戦!」
続続しちゃう