ひとり
時々 一人になりたい
一人ではなく独り かもしれない
好きに 自由な
独りでいたくなる
声をかけたい人に挨拶
見る気のないものは無視
考えたいことだけ考えて
繰り返しの定番を
一先ず そこらに置いておく
見たいものだけに瞳を向け
聴きたい音だけを拾い
口にしたい言葉だけを声に変える
得たいものに触れ
望んだものとの時間を愛でる
空気の流れを目で追って
走る風に乗る音を鼓膜が選ぶ
好きだった歌を思い出して歌う
好きな言葉を呟く
大樹のひびわれる樹皮に もたれかかって
青草とスミレの香りの中で 息をする
何がしたいかを知っている
それはとても大事だ
自分が自分でいられる方法を
どうすればいいか知っている事
独りでいたいと思う時
一人ではないから そう思う
これ以上近づかないでと
何度もサインを出した後
自分の領域を取り戻すために
人から離れて
独りになる
そのたびに 何かを失う気がするが
自分を失うより ずっといい
そう思う
見えない我慢で 自分を失うのは
もう いやなんだ
繰り返すたび 何かを引き離すが
そういうもんだろと思う