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閑話 -休息-

お待たせしました。閑話を二話上げたのち二章開幕です。

 「はぁ。はぁ」

 

 つ、疲れた。

 意識が、朦朧とする、な。

  

 ・・・・・・

 ・・・

 ・

 

 「ゲイルさん!」

 

 ん?ワースか?

 

 「ゲイルさん!」 

 

 次に叫ぶのは、アスカだ。

 

 (どこだ?ここ?俺は、何を……)

 

 「目が覚めましたか?」

 

 アスカが、続けてそう言う。

 

 心配しているのか?何か、あったっけ?

 ……そうか、俺ヒュドラと戦って

 

 「あ、あぁ大丈夫だ」

 

 少し、疲れているものの安心させようと声をかける。

 

 どうやら、ここは宿屋のようだ。

 今、俺はベッドの上、と言ったところか……

 

 「よ、良かった」

 

 ワースが、そう胸をなでおろすと

 

 「心配しましたよ」

 

 と、アスカも心配を口にした。

 

 (でも……)

 

 何で、俺を助けてくれたんだ?

 ここまで運んでくれてさらに、見た限りでは治療もしてくれている。

 ありがたいのには、変わらないが今回限りのパーティーだ。

 治療まで、するものなのか?

 

 「あ、ありがとうな」

  

 感謝を伝え、起き上がる。

 

 「げ、ゲイルさん!まだ、起きるのは……」

  

 ワースが、そう言って静止する。

 

 「大丈夫だ。これぐらいなら、自分のスキルで……」

 

 今残っているのはヒールで、治したときに残っている傷跡ぐらいだ。

 これなら、ヒールを使わずともスキル【治療薬調合】で治すことが出来る。

 実際使うのは、調合した薬を入れることが出来るスキル【治療薬貯蔵庫】から取り出した

 初級回復薬サスポーションだ。

 

 いきなり、異空間から回復薬ポーションが出て来たのだ。


 「こ、これは?」

 

 アスカが、そう口にする。

 

 「これか?そうだな……」

 

 スキルなんだけど、どう説明すればいいものか……

 

 「アスカ。今はそっとしておいた方が……」

 

 「ご、ごめんなさい」

 

 ワースが、アスカに注意する。

 アスカも、「はっ」としたのか顔を赤らめながら謝った。

 

 「いや、いいよ。謝るほどじゃない」

 

 これぐらいは、謝ることじゃない。

 そう言いながら、初級回復薬サスポーションを開けて口に運ぶ。

 

 ゴクゴク。

 

 初級回復薬サスポーションを飲むと、予想どうり身体から僅かな傷跡が消えた。

 傷跡が、少し光った後に。

 

 「す、凄い」

 

 「ワース兄ちゃん。これは、初級回復薬サスポーションだよ。でも……」

 

 ワースが、褒めてくれるもアスカが直ぐに説明する。

 だが、どうやら何か、疑問があるようだ。

 

 「アスカ、どうかしたか?」

 

 「え、えっと効果がここまで出るとは知らなくて……」

 

 それは、初級回復薬サスポーションの治癒能力が思ったより強かったってことか?

 あっ。そう言えば常時発動型に、【回復薬治癒向上】ってスキルがあったな。

 

 「多分だが、それは【回復薬治癒向上】ってスキルの効果だと思うよ」

 

 「【回復薬治癒向上】?」

 

 「えっと、常時発動型のスキルで効果は回復薬ポーションの効果を上げるってやつだ」

 

 「き、聞いたことが無いです……」

 

 「まぁ。俺の持ってる殆どのスキルは多分、他の人は持ってないよ。

 でも、逆に他の人が持っているようなスキルは”殆ど”俺は持ってないんだ……」

 

 そう、俺は確かに圧倒的なスキルの数を持っている。

 だが、色々な人が何個も持っているスキルを俺は殆ど持っていない。

 そしてまた、俺が持っている殆どのスキルは他の人は持っていない。

 

 昔、無双を夢見た。

 他の人より、スキルを持っていて強いスキルを持っていて。

 でも、無双なんて出来なかった。

 無双、伝記上の英雄

 『三大魔』『三大妖』『六大神魔王』『唯一邪神』を、全て一人で”殺した”

 と言われている”英雄王ヘスラ”のようになりたかった。

 

 でも、今では後悔している。

 悔しいし、過去の自分が憎い…

 

 俺がバカだったから、親父が死んだ。


 え……親父?

 

 

 

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