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魔王へ

 エーゲ・アース、俺の兄は一瞬にしてナースを殺した。


 「ゲイル驚かせてすまない、色々説明させてくれるかな?」

 「こちらからもお願いするよ、兄さん」

 「兄さん、良い響きだ」


 そう言ってエーゲは、話し出した。


 「あまり時間も残されていないから、簡単に言うよ。まず、この先に居る魔王ヴァルキリアは僕の母さん、つまり君の母でもある」

 「……っ、そうだったのか」

 「安心してほしい、ヴァイ達は生きているよ」


 俺の心を見透かしたのか、危惧していたことを払拭してくれた。


 「ただ、状況は芳しくないだろうね。咄嗟に魔法を使ったみたいだし、転移した先での命の保証はできない」

 「そんなっ!」

 「だから、今から僕と一緒に操られている母さんを救ってほしい。母さんのスキル【審判魔法原理(ヴァルキリア)】があれば、どこに転移したのかが分かる。そうすれば、彼らを探す手間も省けるし、フェンリル町を崩壊させた張本人である超越(オーバー)(ロード)オールディン・ファガン達への対抗策にもなる」


 正直、全てを完璧に把握できたわけではない。だが、今やるべきことは分かった。


 「どちらにしても、魔王ヴァルキリアを仲間にしないといけないんだな?」

 「ああ」


 会ったこともない人を家族だと思うのは難しいだろう。ただ、エーゲがそうだったように、会えば分かる。

 なら、いまするべきなのは。


 「行こう、今すぐに」

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