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「勇者パーティー崩壊なにそれおいしいの?」

 魔王と勇者。

 古い文献にも、必ずと言っていいほど登場する空想の存在。

 魔王と勇者。いつしか、その二柱ふたりは立場が逆転したのだった。

 勇者と魔王という、宿敵として――

 


 ヴァイ達が、魔王ヴァルキリアと戦い始めて10分が経過しようとしていた。

 

 ヴァルキリアは、今もなお王座から立とうとはしない。

 その光景に、ヴァイ達は動揺していた。

 

 (俺たちを相手に、本気で相手をしていないのか?)

 

 ヴァイは、動揺を隠せずにいた。

 ヴァルキリアの攻撃を防ぐのに精一杯だというのに、ヴァルキリアは座っていられる余裕があったからだ。

 余裕がある相手は、なかなか倒せない。隙を突くという概念が通じないからだ。

 

 ヴァルキリアは、ただ手に持っている漆黒の剣から俺たちに斬撃を放っているだけなのだ。

 それだけで、俺たちは防ぐのに精一杯になってしまうほどに力の差は歴然だった。

 

 『ヴァイ!右に避けろ!』

 

 レイの魔法【魔法通話】を通じてアスノ―から警告が来る。

 アスノーがスキル【予測】で、見えた攻撃を俺に警告してくれたのだ。

 

 咄嗟に、右に避けるとその瞬間、左手がヴァルキリアの斬撃で切り落とされたのだ。

 

 「うっ……」

 

 余りの痛みに、言葉を失ったがレイの回復魔法で痛みをかき消す。

 

 『レイありがとう』

 

 魔法通話で、感謝を言うとアスノーがこんなことを言った。

 

 『魔法通話が、盗聴されているかもしれない』

 

 と言ったのだ。

 【予測】で、見ていた攻撃よりも斬撃が右にずれていたのだ。

 盗聴されて、対応された可能性があるとアスノーが言うとその瞬間【魔法通話】を切ったのだった。

 

 「レイ!ここは、引いた方が――」

 

 アスノーが、レイに撤退を提案した瞬間アスノーに複数の斬撃が放たれる。

 

 「アスノー!!」

 

 俺が、アスノーのところへ駆けた時レイが転移魔法を使って戦線を離脱したのだった。

 

 だが、転移先はバラバラだった…… 

 

 アスノーも、レイもいない。そして、見たことのない場所。

 そう、あの一瞬で転移するにはランダムテレポートでなければ間に合わない。

 

 この瞬間、勇者パーティーは崩壊した。

 そして、ヴァイはレイとアスノーとはぐれたのだった。

 

 そして、後悔もした。

 ゲイルが、いれば……と。

勇者視点って需要あるんでしょうか?

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