「活性化の兆し③/闇審議なにそれおいしいの?」
スキル【身体強化】をヒュドラの時と同じ様に、
ワース、アスカ、そして自らに使い魔獣の巣に向けて疾走するのだった。
向かう途中、遭遇した魔獣は俺が直ぐに処理し一直線に魔獣の巣に向かうのだった。
魔獣の巣――
それは、大きな円状の穴。クレーターのような穴に存在している横穴のことである。
そして、魔獣王ダファトニアがいたとされる魔獣の巣ともなれば……
規模は、半径2㎞以上。
大きな穴の真ん中と、魔獣の巣の周辺の地表との落差は、約100m。
横穴の数は、少なく見積もって200以上だった。
魔法、圧倒的な量の魔元素によって。
横穴は、支えられているらしく一説によれば魔獣王ダファトニアの造った魔法陣の効果らしい。
ここか。
思った、以上だ。
俺は、その圧倒的な大きさの穴。そして、魔獣の巣に棲んでいるであろう魔獣の数に圧倒されたのだった。
だから、こそつい。こう呟いてしまった。
「……、”あいつ”は、いないだろうな」
と。
彼――ゲイルが、言う”あいつ”とは。
――である。
「こ、これが魔獣の巣」
目を見開き、ワースがそう言った。
「……。ここ、に入るの?」
続けて、アスカが怯えたような目をしながら問いかけてきた。
うーん。
俺は、そこで悩んでしまう。
人の叫び声が、聞こえ直ぐに来た。しかし、このままワース達と調査。
いや、声の主を探すことが出来るのかと言われれば、言葉に詰まってしまう。
Dランクは、あるであろう二人だが
アスカの力は、まだ不確かでありワースもお世辞にはここにいる魔獣と戦えるとは思わない。
だから、こそ。
俺は、ここで二人を街に帰すと言う案を実行してしまったのだ。
これが、彼の。
否、”彼ら”の罠――策だったと知らずに。
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その頃。
どことも知れぬ、真っ暗な空間で。
白髪で青目の男。彼は、一度いや何度もここに来ていた。
名を――メリス・マリス。
「ほんっと、皆さん強いっすね」
彼は、そう嫌味を混ぜたかのように言う。
裁判所でいう、まさに容疑者の立ち位置で。
「それだけか?最後の言葉は」
彼――メリスに、問うものは――ナース・ナーガリウス。
赤色で、ルビーのような髪をたなびかせ絶世の美女とでも言おうか。
二つ名は――悪魔の囁き。である。
「早まるな、ナース」
立っている、メリスの前に鎮座していたナースに
メリスの、左側に鎮座している男。彼こそが、メリスの報告を受け笑った者。
白髪に近い銀髪で、緑色の目をしたその男の名は――ダリス・カナリア。
二つ名を――強風緑眼。であった。
「なんだ、ダリス?
貴様の、弟子だからと甘やかすのは――」
ナースは、そう言ってダリスに反論する、
しかし、そこに、横槍を入れた者がいた。
「ナース。貴殿は、前々から短気だな。
その、美しい姿が台無しではないか」
ナースに、横槍を入れた者こそ。
彼らを、束ねる存在。
名を――オールディン・ファガン。
二つ名を、超越王。と、言った。
『美しい姿が台無し』それが、嫌味に聞こえる程の美しい容姿だった。
「オールディン様」
「オールディン様」
ナース。そして、ダリスはオールディンの方を向き。
膝をつき、頭を下げるのだった。
王座とも、言える椅子を下り。一瞬で。
それを、見てからオールディンは口を開いた。
「メリス。だったかな?」
美しい音色のように、魅惑の声が静かに響く。
オールディンの、声が生きとし生ける者全ての者共の精を刺激するほどの魅惑の声で。
メリスに、問いた。
「はい」
メリス。飄々とした彼でさえも、オールディンの前では姿勢を正し。
私語を慎んでいた。
「では、聞こうか。
なぜ、”白銀”と”黄金”を取らずに、ヒュドラの魂の欠片を、取ってきたのですか?」
オールディン。
陰に隠れていた。堂々たる、彼の姿は今メリスの目に映るのだった。
金色に、光る髪。長々とした長髪な髪は、圧倒的な彼。
いや、彼女と呼ぶべきだろう。
彼女の。ナースさえ、霞むほどの美貌を最大まで引き上げるアイテムだろう。
だから、こそ。
彼は、答えてしまう。一瞬、思考が彼女に向いたことによって。
「ゲイル、彼にヒュドラを食われるのを阻止した時に白銀を使いました」
と。ここでは、禁句の発言を。
目的である、”白銀”を捨てたと同意義の発言をしたのだから。
「そうですか……」
オールディンの、呟き。
なら、その次は、”死”が待っている。”はず”だった。
だが、死ななかった。
オールディンの、考えは
(やはり、計算は狂わない。狂っては、いけないのだ。
ゲイル。彼が、唯一の問題だと思ったが……メリスを使えば……フフッ)
「そうですか……
いいでしょう。メリス、貴方の愚行を許しましょう」
と。オールディンは、言った。
だからこそ。
こうして、メリスは生き残ったのだ。いや、生き残てしまった。
オールディンが、利用する為に。




