閑話 -少年-
ある所に少年がいた。
白髪の少年だ。
その少年は、森の奥の辺境で暮らしていた。
父と、母と、弟と……
幸せに生き。過ごし、遊んで暮らしていた。
強く生きるために、人を助けるために、魔物を殺すために、強くなろうとしていた。
少年は、特殊な力を持って生まれてきた。神に選ばれた子だと。
だが、少年は辺境の地に住んでいる住人に意味嫌われた。
白髪。それは、その時代魔王アシュタルトの髪色と同じだったのだ。
どこから、そんな情報が流れたのかも知らずに……
少年の家族は、辺境から出ることを強いられるようになった。
そして、ある日。
母は、家から出て行った。
少年は、知らないだろうが、母が出ていく前日の夜。
父と、母はこんな事を話していた。
「あなた。私は、あの子が可哀想で、
何も知らない子が、いじめられるかもって心配で。
だから……」」
母は、父に言う。
「安心しろ。――は、俺が守る」
父は、それだけを言った。
「なら、私があの子を救う方法を……
なんと、してでも……」
母が、そう決意を決めたようにそう言い
「あぁ。俺が守って。お前が救うんだ。
だが、無理はするなよ。そして、――が望まないような事はするんじゃないぞ」
父も、そう言った。
そうして、会話は終わる。
大きな、大きな木造の家の地下室での会話は、これで終わる。
少年は、母が出て行ったことを知らない。
いや、わかっていても、信じたく無かった。
嫌われたの?と、父に聞いてみてもした。
だが、父は俺が守る。
それしか、言わない。
父は母のことを、決して言わない。
一年が、経った頃。
少年は、森に出た。辺境を出て、父に弟に何も言わずに……
森を歩き、木に空いた小さな穴を通って進む。
特殊な力があるから、と。
一時間ほど、経った。辺境の灯りも見えず。道も、見えなくなっていた。
少年は、”あるもの”に出会った。それは、’死’そのものだった。
’動く死’だった。
少年は、動けなかった。
口で、頭で、どうこう言おうと本物の恐怖に会うと動けなかった。
特殊な力を、使っても抵抗すら出来なかった。
だから、少年は……




