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短編小説 こんな話を聞いた「霊能者」

作者: ヨッシー@
掲載日:2021/04/15

短編小説 こんな話を聞いた 霊能者


「この間、花園さんが来たよ、」

「そうですか…」

「花園さん、奥さんにいじめられたから仕返しするって、」

「まだ力が無いから、もう少したったら、仕返しするって」

「それは大変ですね…」


この人、地元じゃ有名な霊能者だ。

目は見えないが、愚痴も言うし近所の不満も言うし、旦那の悪口も言う。

普通のオバさんだ。

ただ、友達が訪ねてくる様に霊が…やって来る…らしい…


私は、訳あって、たまに訪ねて行く。


数ヶ月後…町会長さんが訪ねて来た。

「花園さんの奥さんが倒れたよ!心臓の発作だそうだ」

「そうですか…」

また、当たった。


以前も、川本さんの肩の痛みが庭木に打った五寸釘が原因だと当てた。

手越さんの孫が夜な夜な話す相手も、昔に手越さんが怪我をさせた人の奥さんの生霊だと当てた。

「南西の方に塩とお米と水と線香を備え、一カ月間、謝まりな!」

…孫が霊と話をするのが無くなった。


ある時、

近所の小島さんが亡くなった。

回覧板を届けに行ったら、犬に吠えられて転んで頭を打ったらしい。家族は、犬の飼い主に裁判をすると、すごい剣幕だ。


「この間、小島さんが来たよ、」

「そうですか…」

「裁判するのは止めてくれって、」

「丁度、寿命だったんだって、」


…町会長さんが訪ねて来た。

「小島さんの家族が、裁判するのをやめたよ!」

「そうですか…」

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