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陽日は助けを求めるように、チラリと慧斗を見て・・・自分の魂が飛んで行くのを感じた。
ニヤリ
そんな言葉では表せない、何とも恐ろしい笑をした慧斗がそこにいた。
慧斗は陽日の視線に気づいたのか、ニコッと人畜無害そうに陽日に笑う。
(私は何も見ていない)
陽日は何とか魂を呼び戻し、ギギギと視線を昏破に戻す。
その様子に慧斗は満足そうに笑う。
「英蓮殿、昏破が遅れたのは私が頼みごとをしたからだ。
主上、私の顔に免じて・・・途中からではございますが会議の出席をお赦しいただけますでしょうか」
慧斗は英蓮に視線を移した後、陽日に向き直し頭を下げた。
先ほどの笑いを見た後では、慧斗の頼みを断り辛い。
「よい、許可しよう。
どこに座るか・・・、せっかくだから祖父と父の間にでも座るか?」
陽日は空気を戻そうと、ハハハとから笑いしながら昏破に聞く。
「主上、寛大な御心に感謝致します。
ですが、その提案は謹んでお断り致しますわ。
私は、宰相の後ろに立って控えますから」
昏破は礼を告げ、ササっと慧斗の後ろに立つ。
「さて・・・話が折れてしまい申し訳なかった。
実は資料が届くのを待っていたのでね」
慧斗が、中断していた会議を仕切り直す。それは、采尚書の糾弾の再開でもあった。




