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凜妃のため息  作者: 小井理楽
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5

「そっちか。まぁ、馬鹿にされたことなんてどうでもいいでしょうね。()()()()()()()()()()()

李音(りおん)は目の前に座る美少女を見つめる。


本来、皇帝妃でともなれば蝶よ華よともてはやされこそすれ、あからさまに馬鹿にされることなどない。

では何故、仮にも未来の妃が、一官吏に馬鹿にされてしまうのか。


四季帝国には四つの季節の名をもつ家が存在する。

皇帝の座に鎮座する、(しゅん)

歴代の宰相を輩出し国の頭脳と称される、()

代々皇族の主治医を務める、(しゅう)

多くの戦果を残し国の護り神と称される、(とう)


昏破は四つの名の中でも、皇帝に次ぐ大貴族・夏家の娘だ。祖父は夏家当主でありながら宰相、父は婿養子で宰相補佐を務める。夏家本家の姫であり、現皇帝の妃に内定している。

家系によるものなのか、天才的な頭脳を持っているが…表舞台にいるよりも寝所に伏せっていることが多く、知るものは殆どいない。

そもそも、この幼馴染には妃教育など必要ない。

大貴族に産まれ礼儀・作法は、当たり前に身についている。皇帝の仕事も勉強なんぞしなくとも、今年も含め過去10年分くらいの国家予算と実績、公共事業などは頭に入っている筈だ。

だが昏破自身はそれを表に出すことはしない。

『妃が頭をまわったところで役に立つどころか、疎まれるだけですわ。お馬鹿さんな方がいいんですのよ』と微笑んでいたのはいつの頃だったか。

だから、


(まさか、実はとんでもない爪を隠してるなんて思わんわな)


李音はフッと小さく笑った。

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