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裏の厨に茶がないから、別の厨に入れに行ったのだ。
あるのならば、わざわざ離れた厨まで行く必要がない。
「あるけど、無かったんだよ。余分なお茶は裏には置いてなかった。
…だって自分が茶を入れにいく間に昏破が出て行くことを知っていたから。
この部屋には見目麗しい皇帝陛下、精悍な護衛、麗人な医官がいるんだよ?
別の厨に行ったら、また誰が持っていくかで揉める筈なんだよ。
でも、それが無かった。
あなたは最初から知ってたんでしょ?今日、ここに私達3人が揃うこと。
だから、出て行くのを見張るために、裏に私たち3人だけの茶を用意してあった。」
「…」
侍女は俯いていて、表情がわからない。
李音は昏破の茶器を手に取り、匂いを嗅ぐと、口を付けた。




