表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凜妃のため息  作者: 小井理楽
21/103

21

「どういうことだ?説明してくれぬか?」

合点のいっていない陽日(ようひ)は、侍女を見つめる。

「いっいえ、あの…皆様のお話が聞こえて来まして。

 ちょうどお運びするところでしたので、昏破(くれは)様の分は置いてきてしまったんです」

侍女はしどろもどろに答えた。


(人選ミスだな…)

挙動不振な侍女に、完才(かんさい)はそっと溜め息を吐いた。

仮にも皇帝の執務室である。防音に優れた造りにしてあるため、話し声が裏手の厨に聞こえる筈がない。

言い訳がお粗末過ぎる。


「そうなんだ。

 じゃあさ、さっきまで昏破が飲んでいた茶を入れてくれたのはだぁれ?」

李音(りおん)は昏破が飲んでいた、硝子製の茶器を指す。

中には茉莉花(ジャスミン)が咲いている。

「…それは…」

「あなた、だよね。

 あなたは、昏破がこのお茶を飲むのを見ていたよね。

 私がおかわりを頼んだ時は、()()()茶を入れたの?

 持って来た時は賑やかだったから、この裏じゃなくて他の厨で入れたんじゃない?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ