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現代が天界、魔界と繋がった世界  作者: マーラッシュ
第一章 結成バハムート
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第7話 異変

忍術使えるなら使ってみたいです。


 サクラside


 アルメリア学園の合格発表の日。

 今日は朝から頭が痛い。

 今までこんなに頭痛がひどいことは一度も無かったのに。

 これもヒロトへの復讐が失敗したせいだ。

 これまで色々な手段で復讐をしてきた。

 階段から突き落としても怪我をしない。

 コンパスを落としてもかわされる。

 車に轢かれても死なない。



 私は朝食を終え、ユウトと一緒に学園へと歩いている。

 ユウトは私がヒロトにしていることを薄々気づいていると思う。

 それでも私と仲良くしてくれている。

 ユウトとは仲良くしたい。けどヒロトは許せない。この相反する感情に苦しめられたこともあるけど、その度にお父さんとお母さんのことを思いだし、復讐の想いを維持している。

 学園に着き、合格発表の掲示板を見ると私とユウトは合格していた。

 おそらくヒロトも合格しているだろう。

 ヒロトは真面目に勉強をしていなさそうだけどテストの点はいつも良い。

 たぶん要領が良いのだろう。


 そして入学のための受付をしに言った時、頭痛が酷くなる。

 ヒロトとお姉ちゃんがいたことは覚えているが、その後の記憶は定かではない。

 正しいかどうかわからないけど、ヒロトが私をお姫様だっこでどこかに運んでくれたような気がする。

 私はこんなに酷いことをしているのに、ヒロトは何で優しいの? 罪悪感があるから?

 ヒロトの優しさが私の復讐を邪魔しようとする。

 ここで私の意識は完全に途絶え、次に起きた時は病院のベットだった。


 目を覚ますと知らない天井だった。


「サクラちゃん大丈夫? 気持ち悪くない?」

「お姉ちゃんここは?」

「ここは病院。サクラちゃんアルメリア学園で倒れたのよ」

「ごめんね。迷惑かけちゃったね」

「ううん、私は何もしてないよ。サクラちゃんが倒れそうになった時支えたのはヒロトちゃん。その後保健室に運んだのもヒロトちゃん」

「そう」


 やっぱりさっきのは夢じゃなかったのね。


「ヒロトちゃんサクラちゃんを助けるために必死だったよ」

「やめて!」


 わかってるから。ヒロトが私のために必死だったのは。

 そしてヒロトは昔と変わらず優しいことも。


「お姉ちゃんごめんね。ちょっとまだ頭が痛いから」

「お医者さんも今日1日は病院に泊まった方がいいって言ってたから、ゆっくり休んでね」


 そして私は逃げるように眠りについた。


 ヒロトside


 アルメリア学園の入学が決まってから、ほぼ毎日猿飛先生の所で鍛練を行っている。


「今日も先生はいないみたいだね」

「最近変な事件が多いからな」


 そう、此処のところ異能もしくは魔法がらみだと思われる事件が多い。

 人が消えてしまう神隠し、その薬を飲むと魔法が使えるようになるという違法ドラッグ、魔法や異能を使ったカツアゲ。

 なんか最後のカツアゲで一気に事件の重要度が下がったな。


 そして俺とユウトは鍛練前のストレッチを行う。


「先生は異能の第一人者だから頼りにされることが多いからね」

「体術、忍術を駆使して諜報活動、破壊活動、浸透戦術、謀術、暗殺を行う忍者だからな」

「暗殺は今はしませんよ」


 いきなり背後に猿飛先生が現れ、俺とユウトは驚く。


「先生急に背後に立つのはやめて下さいよ」


 マジで心臓に悪い。

 それに今この人、暗殺は()()していないと言った。

 昔は殺っていたのか。


「どんなに強い異能や魔法が使えたとしても、認識外の所から攻撃されたら殺られるので気をつけて下さい」

「は、はい」


 今、先生の殺気で殺されるかと思った。

 やはりこの人は化け物だ。逆らわない方がいい。


「先生。今日は指導して頂けるのでしょうか」

「本日の鍛練はなしでお願いします。その代わり二人にお話があります」


 先生からの話? なんだろう?


「私が異能、魔法絡みの犯罪で警察に協力しているのは知っていますね」

「はい」

「二人は異能の犯罪が多い年齢は御存知ですか?」


 そもそも異能が使えるのは20歳以下の人しかいない。

 小学生以下は異能を使っても能力が低いか、イタズラに使われることが多い。

 中学生以上になると自我も芽生え、異能の力も強くなり、自分の力を試したくなるとテレビでやっていた。


「中高生の年齢ですか」


 ユウトも俺と同じ考えにたどり着いたようだ。


「そうです。そして学校の外であれば良いのですが、学校の中での犯罪になると、内容によっては隠すことがあるのです」


 いじめがあったとき、学校の評判を落とさないように隠すのと同じことか。


「学校で異能問題があって、私や警察が介入することは、学校側も良く思わないし生徒達も不安に思うでしょう」


 そうだな。下手をすればモンスターな親が出て来て、お宅の学校はなぜ警察がいるのですか。問題を起こしたのですか、と追及されかねない。

 マスコミに嗅ぎ付けられたら最悪だ。


「以上のことから一番異能や魔法の犯罪が起きやすい学校はどこになるでしょうか?」


「アルメリア学園」


 俺とユウトは同じ事を答える。

 今、異能や魔法が使える生徒が一番多いのはアルメリア学園だからな。


「二人には何かあった時に対処できるよう鍛えたつもりです。今後学園内外で異能、魔法絡みの犯罪があった時、私に協力してもらえませんか」


 春から俺達はアルメリア学園の生徒になるので、内から調査しろってことか。

 なるほど面白い。俺達の目的のためにもこちらから協力したいくらいだ。

 ユウトに視線で確認すると頷いている。


「猿飛先生、俺達に手伝わせて下さい」


 こうして俺達は猿飛先生に協力することとなった。

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