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現代が天界、魔界と繋がった世界  作者: マーラッシュ
第一章 結成バハムート
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第5話 結果

試験の結果。怖いですね。



 アルメリア学園に着くと、大勢の人が掲示板の前にいて、賑わいを見せている。


「ヒロトちゃんの受験番号は何番なの?」

「777番だ」

「わかりやすい数字だね。それに縁起も良さそう」


 確かにこの番号で落ちていたら洒落にならないな。


 え~と。

 752、758、770。

 俺は近しい番号の所に視線を向けていく。

 772、775、777。あった!


「ヒロトちゃん! あったよ!」


 コト姉は興奮気味に番号があったことを喜んでくれている。


「これで春からお姉ちゃんの後輩だね。おめでとう」


 そう言ってコト姉は俺を抱きしめてくる。

 ちょっと恥ずかしいけど今日くらい我慢するか。


「ヒロト! おめでとう」


 俺とコト姉、いや主にコト姉を抱きしめようとする悪漢が現れたので、俺は蹴りを繰り出し撃退する。


「お前親友に対してその扱いはひどくないか」

「お前がどさくさ紛れてコト姉に抱きつこうとするからだろうが」


 俺は悪漢、いや零一に手を差し伸べて起こそうとするが。


「零一くん大丈夫」

「これくらいなんでもありません」


 コト姉が声をかけると零一は瞬時に立ち上がった。


「いや~、コトネさんは相変わらず美しいですね」

「そう? ふふ、ありがとう」

「くうっ! 見たかあの笑顔。コトネさんは俺の天使だ」

「お前この間サクラのことも天使だって言ってたじゃないか」

「姉妹揃って俺の天使だ。それでいいだろ」


 この節操がないところがなければ、かなり女の子にモテるはずなんだけどな。


「零一くんはいつも元気がいいね」

「はい。それだけが取り柄ですから」


 元気が良すぎて俺は困ってるけどな。


「僕も春からアルメリア学園に通うこととなりましたのでよろしくお願いします」

「そうなんだ。合格おめでとう。これからもよろしくね」

「はい! 二年間とは言わず、これからずっとよろしくお願いします」


 そう言って零一は両手でコト姉の手を握ろうとしたので手刀で叩き落とす。


「いてっ! お前はさっきから何なんだ。俺とコトネさんの邪魔をするな」

「零一がコト姉にセクハラしようとするからだろう」

「うるさいボディーガードだな。だが今日は気分がいいから許してやろう」

「気分がいい? アルメリア学園に合格したからか」

「ちがう! やっと天族と魔族とお近づきになれるからだ! 俺はこの日をどれだけ待ち望んだか」


 俺は零一の答えに頭を抱える。

 確かに天族や魔族は綺麗な娘が多いと聞いている。

 実際に見たのはカリンが初めてだが、あれが基準だとしたら相当レベルが高そうだ。

 いや、カリンが初めてじゃなかった。過去に一人、天族の娘と遊んだことがあったな。どんな娘か忘れたけどその娘もすごい可愛かったような気がする。


「俺はこのために勉強してきたんだ」


 零一ほど不純な動機で勉強してきた奴はいないだろう。


「頼むから人族の恥をさらすようなことはしないでくれよ」

「任せろ。人族の素晴らしさを天族と魔族に手取り足取り教えてきてやる。じゃあ俺は新たな出会いを求めて旅だってくるぜ」


 零一は天族や魔族の娘に声をかけに行ってしまった。


 とりあえず零一はほっとくか。何かあっても俺は他人の振りをしよう。


 それより合格したから受付をしてこないとな。


「コト姉合格の受付をしてくるからちょっと待ってて」


 しかし、コト姉から返事がない。


「えへへ、ヒロトちゃんがお姫様(お姉ちゃん)のボディーガードかあ。絶対絶命の所をヒロトちゃんに救われて愛が芽生える。そんなストーリーが思い浮かぶよ」


 コト姉は妄想の世界に行ってしまったようだ。

 たまにコト姉は自分の世界に入ってしまう時がある。

 そんな時は。


「テイッ!」


 コト姉の頭に軽く手刀を食らわす。


「いたっ!」


 コト姉は手刀を食らった場所を手で押さえる。


「どう? こっちの世界に戻ってきた?」

「ひどいよ。困難を乗り越えてエピローグが始まる所だったのに」


 なんのことだよ。


「コト姉合格の受付をしてくるから」

「あ、うん。わかったよ」


 俺は受付に行こうとしたら声をかけられた。


「兄さん」


 声をする方に視線を向けるとユウトとサクラがいる。


「兄さん結果はどうだった?」

「合格してたよ。二人はどうだったんだ」

「僕もサクラも合格してたよ」


 俺はユウトとハイタッチをする。


「これで三人ともアルメリア学園に通えるね」


 サクラの顔が歪む。俺と同じ学園に行くのが嫌なんだろう。

 しかもおそらく俺もサクラもAクラス、同じクラスの可能性が高い。

 サクラの顔の歪みが止まらない。頭を手で押さえている。

 これって頭が痛いのか。そう考えた時、サクラは意識を失う。

 まずい、このままだと地面に頭を打ちつける。

 そう思った瞬間、体が反射的に動きサクラを受け止めることができた。


「サクラ! 大丈夫か」

「サクラちゃん!」


 どうやら気を失っているようだ。

 サクラが倒れたことによって周りが騒然となる。


「コト姉! 保健室はどこ!」

「こっちだよ」

「ユウト! 救急車を呼んでくれ!」

「今電話してる」


 俺は頭をなるべく動かさないようにして、サクラを保健室へ運んだ。

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