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現代が天界、魔界と繋がった世界  作者: マーラッシュ
第二章 真実の過去
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第6話 ハインツの実力

ランキングとか戦闘力とか熱い言葉ですよね。

日頃評価やブックマークをして頂きありがとうございます。

今後も読んで頂けるよう努力します。

 ハインツ先輩と女の先輩が観客席から、スタントマンのように飛び降りてくる。


「ちょっとあんた、ヒロトとユウトがランキング上位に入れないってどういうこと」


 ハインツ先輩の言葉にリンが噛みつく。


「言葉通りの意味だ。確かに格闘技の技術は高いと思うが、それだけで勝てるほどランキングは甘くない」


 一応格闘技は認めてくれるんだな。


「けどマリカ先生が言ってたけど、昔格闘技で3年間ランキング1位だった人族がいたって」

「それはその年代の天族と魔族は、弱い奴しかいなかったんだろう」

「さっきから聞いてれば、偉そうなことばかり」


 リンの怒りは今にも爆発しそうだ。


「ハインツ様、せっかくですから、ランキング上位の力を見せて差し上げてはいかがでしょうか」

「そうだな。教養と実力がない奴には、口で言っても理解しないからな」

「なんですって!」

「ダメだよ、リンちゃん」


 今にもハインツ先輩、いやハインツに飛びかかりそうなリンをサクラが止める。


「先生よろしいですか」


 ハインツはマリカ先生に許可を求める。


「好きにしたら」


 ん? マリカ先生も怒ってる気がする。


「それでは天族の力を見せてやろう」


 ハインツの号令と共に、練習用の的が地面からせり上がってくる。


 火炎弾魔法(ファイヤーボール)


 バスケットボールほどの大きさの火弾が、練習用の的を燃やしつくす。


 氷の矢(フリーズアロー)


 五本の氷の矢が的に突き刺さる。


 風弾魔法(ウィンドブリッド)


 1メートル程の風の弾が目標を吹き飛ばす。


 3属性も操れるのか。

 これほどの属性を操れる者は、数えるほどしかいないはずだ。

 ハインツの偉そうな態度も頷ける。


「これで最後だ!」


 火蜥蜴魔法(サラマンダー)


 残りの的を火の蜥蜴が全て喰らい尽くす。


「どうだ。これが選ばれし者の力だ」


 リンは、ハインツの圧倒的な力の前に、声を出すこともできない。


「リア様。今後カリン様以外の、レベルの低い者達との付き合いは控えてください」

「そんな⋯⋯。私はC組の皆様と仲良くなりたいです」


 ハインツの言うことに、リアは反対する。


「せめてそれは学園内だけにしてください。学園の外では護衛の件もありますので許可しかねます」

「リアちゃんの護衛なら私達がするわよ。ねっ! ヒロト、ユウト」


 俺達がするんかい!


「このような得体のしれない者に、リア様の護衛を頼めるはずがないだろう。せめて私に勝ってからそういうことは言いたまえ」


 しかし、ハインツの魔法を見ているから、リンは何も言えない。


 リアに視線を送ると、とても沈んだ表情をしている。

 相手は天族の公爵家にあたる血筋の家柄。

 学園の先輩であり、生徒会副会長。

 魔法の才能にも恵まれていて、学園ランキングNO.2。

 ここで戦うなんて言うバカはいないだろ。


 俺達を除いては。


「俺が」

「僕が」

「やります」


 俺とユウトの声が重なった。


「何の冗談だ。学園ランキング2位の俺とやるのか?」

「ええ」

「はい」

「今年の1年は、相手の実力が判断できないバカが多いな。いいだろう。2人まとめてかかってこい」


 俺はユウトの肩に手を置く。


「ここは俺がやるからユウトは下がってろ」

「わかった」


 しかし、これにリンが不服を唱える。


「ちょっとちょっと、相手が2対1でいいって言ってるのに何で1人で行くわけ」

「勝った時に後で、2人がかりだから負けたって言われるのもめんどくさいだろ」

「確かにそうね。ていうかその前に勝てるの?」

「俺の師匠の言葉だけど、勝てる勝てないじゃない、勝て! てね」


 俺達のやり取りを聞いて、ハインツがワナワナと震えている。


「随分と舐められたものだな」

「そんなことはありません。ハインツ先輩は強いと思ってますよ」

「この決闘、賭けをしないか」

「賭け?」

「私が勝ったら、お前はアルメリア学園を辞めろ」

「じゃあこっちが勝ったら、ハインツ先輩は俺に絶対服従で」

「いいだろう、まあそんな未来が来ることはないがな」


 俺は訓練場の中央へと向かう。


「ちょっと待ってください」


 マリカ先生が俺達の決闘に割って入ってくる。


「先生止めないで下さい」

「いえ、止めるつもりはありません。ただ、試合をするなら、正式に申し込んでからにしてください」

「そうですね。愚かな1年に乗せられて、つい忘れてしまいました」

「試合は1週間後の16時、この場所で私が申し込んでおきます。双方問題ありませんか」

「ありません」


 こうして俺は、1週間後にハインツと決闘することになった。


「ヒロト様」


 リアが泣きそうな表情で、俺の胸に飛び込んできた。


「リア悪いな。勝手に護衛と決闘することになっちまって」

「ヒロト様は悪くありません。悪いのはわがままを言った私です」

「放課後に皆と遊びたい。こんなの全然わがままじゃねえよ」

「でも⋯⋯」


 やはりリアは自分のことだから、責任を感じるよな。


「ヒロト、あたしもごめん」

「どうしたんだリン。お前が俺に謝るなんて」

「茶化すな。元はといえば、あたしがハインツ先輩に突っかかったのが原因だから」


 何だかんだ言って、リンはいい奴だから、学園を辞める話が出て申し訳なく思ってるんだろう。


「大丈夫だリンリン」

「リンリンって言うな!」

「まだ負けたわけじゃない。謝るくらいなら俺が勝てるよう応援してくれ」

「ヒロト様⋯⋯」

「ヒロト⋯⋯」


 俺の言葉で二人の表情が明るくなる。


「わかりましたヒロト様。私、精一杯応援します」

「私が応援してあげるんだから、負けたらただじゃおかないわよ」


 二人の応援もあるし、ハインツとの決闘は絶対負けられないな。

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