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現代が天界、魔界と繋がった世界  作者: マーラッシュ
第一章 結成バハムート
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第3話 武道

3話目の投稿です。

読んで下さると嬉しいです。

 アルメリア学園の入学試験は通常の筆記試験となる。

 そしてテストの結果によってA~Eクラスに分けられる。勿論Aクラスが一番レベルが高いクラスだ。

 レベルが高いイコールそれだけ異能についても学べるため、Aクラスはキープしておきたい、そのためには全教科80点以上は取らないと駄目だ。

 試験問題をみると、特に難しい内容じゃなかったから簡単に解くことができた。

 後は後日出る結果を待つだけだ。


「ヒロト」


 後ろを見ると友人の霧島零一が声をかけてきた。


「試験どうだった?」

「まあ、ぼちぼちだな」

「お前はそんなこと言って良い点とるからな」

「零一こそ常に学園ベストスリーに入ってるじゃないか」

「上の二人にはいつも負けるけどな」


 今言った上の二人はサクラとユウトのことだ。

 零一は俺の悪友で見た目もよく頭もいいがどうしょもない欠点がある。


「サクラちゃんはAクラスだろうから、俺も絶対同じクラスに入るぜ」


 欠点は正直すぎる所で、皆が思ってても言わないようなことを言ってくる。特に女の子関係で。


「見ろよあの娘可愛くないか。あっちの娘も。ヒロト聞いてるのか」


 俺は零一から距離をとる。


「絶対この学園に入って、可愛い娘とお近づきになるんだ。なあヒロト。お、おい、どこに行くんだよ」


 知り合いだと思われたくないから離れたんだよ。


「ねえ、あれってさっき試験前に女の子を助けたって言ってた人じゃない」

「なんか可愛い娘とお近づきになるって言ってるぞ」

「それじゃあさっき女の子を助けたのも、それを足掛かりにナンパするためか」


 おい! お前のせいで俺のなけなしの好感度がなくなったじゃないか。いやむしろマイナスになったぞ。


「サクラちゃんはどこにいるんだ?」

「知らねえよ」


 今日階段から落とされてからみてないからな。


「前から何回も聞いてるけどサクラちゃんと何があったんだよ。5年前くらいから急に話さなくなったよな」

「さあ、思春期特有のやつじゃないか。異性と一緒にいると恥ずかしい的な」

「いやユウトとは普通に話してるだろ」

「⋯⋯」


 零一は肩を組んで小声で話してくる。


「確か一緒に住むようになったのは5年前だよな。俺が思うにサクラちゃんと話さなくなった理由は、風呂を覗いたか、下着を盗んだかのどちらかだろ」


 お前と同じにするな。

 ただもう何回も聞かれてめんどくさいから適当に答えておこう。


「まあ近い感じだ。誰にもいうなよ」

「次に行動するときは俺も呼べよ」


 誰が呼ぶか!

 これがなければ零一は完璧なのにな。

 神様はちゃんと良いところを与えれば悪いところも与えるんだと零一を見て思った。


「じゃあ俺行くとこあるから。またな零一」

「おう、また学校でな」


 俺はアルメリア学園を後にする。


「兄さん待ってよ」


 学園を出たところでユウトに声をかけられる。


「先生の所に行くんでしょ。僕も行くよ」


 ユウトが先生と言った人物は猿飛先生のことだ。

 先生は有名な甲賀忍者、猿飛サスケの10何代目かの子孫らしい。

 そして15年前に初めて異能を発動した人族でもある。

 しかもその異能がまたチートなんだよな。

 火、水、風、土などの自然界の力を使うことができるって、もう本物の忍者じゃん。

 けど俺達はそんな忍術みたいなものは使えないから、純粋に武道だけを習いに行ってる。

 表には出ていないが、先生の武道はこの世界でもトップクラスだと思う。


「ああ、ユウトも行くのか」

「最近受験勉強で体がなまってるからね」

「そうだな。不甲斐ない動きを見せると先生に怒られるかもしれん」


 ユウトと話している内に、先生の住んでいる甲賀寺が見えて来た。

 数百段もある階段を昇り寺の門を通ると、複数の殺気が俺達に送られ、忍者の格好をした人達が襲ってくる。


「兄さん」

「ああ、分かってる」


 俺達は背後を取られないように背中合わせに陣取り、襲ってくる者達を迎撃する。

 ユウトは相手の攻撃を受け流し、カウンターで相手を撃ち倒す。そして俺は攻撃がくる前に素早く動き、こちらから拳を突き出し撃退していく。

 最後の一人を倒した時、頭上に気配を感じたので上を向くと、巨大な火炎玉が落ちてきたので俺達は前にダイブしてかわす。


 しかし体勢を崩したユウトは火炎玉を放った人物に蹴りをくらい吹き飛ばされる。

 俺が視線をユウトに向けた隙に、背後から殺気を感じたのでガードしようとするが、体勢が不完全だったためそのままユウトの所まで蹴り飛ばされてしまう。


「チェックメイトだね」


 顔をあげると僧侶の姿をした猿飛先生がいた。


「痛たたっ! こっちは受験で体がなまってるから手加減してくださいよ」

「痛っ! 先生には敵わないね」


 この人は手加減を知らないのか。


「これでも手は抜いたんだよ。ヒロトは僕の本気をみたいのかな」

「いえ、手加減して頂き助かりました」


 手加減していたようだ。この人は底が知れないな。


「ヒロトの剛の拳、ユウトの柔の拳。見事だったよ。今日の鍛練は受験が終わったばかりだから軽めにしようと思ったけど、余計なお世話だったみたいだね」


 いや、軽めでお願いしますと言おうとしたら先にユウトが声を発した。


「はい! お願いします」


 おいユウト。何で返事をするんだ。

 受験で疲れてるだろ。軽めの調整で行こうぜ。


「感心、感心。しかし今日は仕事が入っているから軽めの鍛練でいいかな」

「はい!」


 俺は大きな声で返事をする。


「ん? ヒロトは嬉しそうだね」

「そ、そんなことはないです。先生のお仕事は3種族にとって大切なものだから、そちらを優先してください」


 まあ、本当に大切な仕事だからな。

 魔法や異能が使えるようになってこの世界に問題が多発してきている。

 その一つが犯罪だ。

 やはり過ぎた力を持つとそれを悪いことに使う奴らがたくさんいて、先生は警察からの要請で、その問題解決のために協力をすることがある。

 魔法や異能を持たない警察では、相手が能力を使ってきたら手も足も出ないからな。

 そんなわけで、人類最初の異能を持つチートな先生には国も頭が上がらないと言われている。


「それにしても二人共強くなったね。五年前にヒロトを拾った甲斐があったよ」


 五年前、父親が死んで、まあ色々あり、俺は家に帰りたくなかった。

 毎日夜遅くまで公園で時間を潰していたら先生に声をかけられ、何もやることがないならうちにくるかいって誘われた。

 そして忍術を見せてもらったら感激して、自分も使いたいと言って先生に弟子入りした。

 それに怪我をするわけにもいかなかったので、俺としても鍛練することは都合が良かった。

 そのあとユウトも先生に弟子入りして今に至るというわけだ。


「それじゃあまずは腕立て伏せ500回から」


 500回! いつもより多いじゃないか! 何が軽くだよ。

 しかしユウトは素直に始めてしまう。

 ああ、もう。お前がやったら俺だけやらない訳にはいかないじゃないか。

 そして俺達は地獄の特訓をやるはめになった。

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