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現代が天界、魔界と繋がった世界  作者: マーラッシュ
第二章 真実の過去
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第5話 ある日の休日

予定が崩されると怒り心頭になる人がいます。

筆者もそうです。

日頃評価やブックマークをして頂きありがとうございます。

更新する励みになります。

 今日は久しぶりの休日だ。

 甲賀寺での鍛練はないし、ユウトは友達と遊びに行っているため、街のパトロールも中止だ。


 本日の予定

 9時00分 起床

 9時10分 朝食

 9時30分 ごろごろ

 12時30分 昼食

 13時00分 昼寝

 15時00分 ごろごろ

 19時00分 夕食

 19時30分 ごろごろ

 21時00分 風呂

 21時30分 ごろごろ

 23時00分 就寝


 完璧な予定だ。

 今は朝食が食べ終わった後だから次は。

 さあ、ごろごろの時間だ。

 やはり春休みは最高だな、俺の予定を崩す奴がいたら誰であろうと許さないぞ。


 コンコン


 誰かが俺の部屋のドアをノックしている。


 コンコン


 返事がない。まるで屍のようだ。


「ヒロトちゃん入るね」


 コト姉は俺の返事を待たずに部屋に侵入してきた。


 グーグー。

 俺は寝たふりをしてこの危機的状況を回避する。


「ヒロトちゃん起きてるんでしょ。さっき完璧な予定だ、さあ、ごろごろの時間だって言ってたの聞こえてたんだからね」


 俺はただじゃ起きないぞ。


「ヒロトちゃん本当に寝てるの?」


 寝てるよ。だから諦めてくれ。


「寝てるならチューしちゃうよ」


 キスだと? いやコト姉にそんな勇気はない。

 これは罠だ、目を開けたら終わりだ。

 け、けしてコト姉のキスを待ってるわけじゃないぞ。


「じゃあキスするね」


 コト姉の唇が俺の顔にどんどん近づいてくる。

 本当にするのか。

 どうせキスをするふりで、人形の唇を当てられたり、指を当てられるだけだろ。

 騙されるな。


 目を開けちゃだめだ目を開けちゃだめだ目を開けちゃだめだ!

 コト姉の吐息が聞こえてくる。


 ドックン、ドックン。


 ヤバいドキドキしてきた。


 そして俺の頬に湿った感触がする。


 えっ!

 俺は驚いて目を開けてしまう。


「おはようヒロトちゃん」

「お、おはようコト姉」


 唇で頬に、キスをした⋯⋯よな。


「コト姉今のって」

「べ、別に頬にキスくらい外国だと普通だよ」


 だったら何でそんなに顔が赤いんだよ。


「とにかくヒロトちゃんに手伝ってほしいことがあるから私の部屋にきて。絶対だよ」


 コト姉は慌てて部屋を飛び出して行った。


 な、なんだ。ただの挨拶か。

 しかし15歳の少年としては、そんなことされて意識するなと言っても無理な話だ。


 もう完全に目が覚めた。

 とりあえずコト姉の部屋に行くか。


 コンコン


「コト姉入っていい」

「ちょっと待って」


 俺はドアの前で佇んでいると中から声が聞こえる。


「さ、さっきの大丈夫だったかな。つい勢いでやっちゃったけど問題ないよね。ヒロトちゃんが部屋の外で待ってる。深呼吸深呼吸、すーはー。顔は赤くないよね。よし! 入っていいよ」


 コト姉声が聞こえてるよ。やはりコト姉もやりすぎたと思ってるみたいだ。

 先ほどの件は聞かなかったことにしよう。


「コト姉それで俺に何の用があったの」

「え~と何だっけ。あっ! そうそう、模様替えしたいから力を貸してくれないかな」

「ごめんコト姉。今日の予定はびっしり詰まってるから無理だ」

「本当に? それじゃあヒロトちゃんの今日の予定をお姉ちゃんに教えてくれないかな」


 コト姉はジト目で俺を見てくる。


 しょうがない、俺の多忙な予定表を教えて上げよう。

 朝一に考えていた完璧なスケジュールを伝えると、コト姉は呆れ顔になる。


「ヒロトちゃん、ごろごろし過ぎだよ。お姉ちゃんが今日の予定を作ってあげる」


 10時00分 お姉ちゃんの部屋の模様替えのお手伝い

 11時30分 街に行く

 12時00分 イタリアンレストランで昼食 (ヒロトちゃんのおごり)

 13時00分 洋服をウインドウショッピング

 15時00分 街で人気のクレープを食べる(ヒロトちゃんのおごり)

 15時30分 アクセサリーをウインドウショッピング

 16時30分 公園で休憩(アクセサリー店で隠れて買ったアクセサリーをお姉ちゃんにプレゼント)

 17時00分 帰宅

 18時30分 夕食

 19時30分 お姉ちゃんの部屋でおしゃべり

 21時00分 お風呂

 22時00分 就寝


「ちょっとまって~い! 俺のごろごろ時間が全て消されてるじゃないか! しかも俺がコト姉に三回奢ることになってるし」


 このスケジュールは容認できない。断固拒否させてもらう。


「お姉ちゃん知ってるんだよ。ヒロトちゃんがお金をたくさんもってることを」


 チッ! ユウトが喋ったのか。


「おごるのは冗談だけど、お姉ちゃんの部屋の模様替えはお願いね」

「わかった。手伝うよ」

「ありがとうヒロトちゃん」


 コト姉の顔がパーっと明るくなる。


「それでどれを動かせばいいの?」

「机とタンスの位置を交換したいの、お姉ちゃんこっちを持つから、ヒロトちゃんはそっちを持って」

「コト姉、俺だけで持てるから離れてて」


 俺は机を少しずらして、その位置にタンスを持ってくる。

 そしてタンスがあった所に机を持ってきた。


「ヒロトちゃんすご~い。なんでそんなに力持ちなの」


 それは猿飛先生の地獄の特訓を受けてるからです。


「お姉ちゃんはなぜか肩がこっちゃって、力が入らないの」


 コト姉、それは胸が大きいからだよ。

 正直コト姉の胸は同年齢から見たら規格外だ。肩がこるのも仕方ない。

 ただ、そんなこと言うとセクハラになるので俺は黙っている。


「ヒロトちゃん、お姉ちゃんの肩を揉んでくれないかな」


 おいおい。何言ってるんだこのお姉ちゃんは。

 思春期の男にそんなことを頼むなんてドキドキじゃないか。


「しょうがねえな」


 俺は嫌々やる的な雰囲気を出して了承する。


「それじゃあお願いね」


 コト姉はベットにうつ伏せになり、目を閉じる。


 落ち着け俺、これはマッサージだ。やましいことはこれっぽっちもない。

 俺はコト姉の肩に手を置いた。


「あっ!」

「ど、どうした」

「ヒロトちゃんに触れられて、ちょっとびっくりしちゃっただけ」

「そ、そうか。続けていい」

「うん」


 俺は肩の付け根に手を這わし、力を入れる。


「んっ!」


 コト姉の肌は柔らかく、しかもなにかいい匂いがしてくる。


「いぃ、ヒロトちゃんそこ、もっと強くして」


 それにさっきからコト姉の声がエロくて困る。

 誰かに声だけ聞かれたら誤解されそうだな。

 ただ、今日は俺達以外はみんな出かけているから、そんなことは起きないはずだ。

 とりあえず今はこの試練を乗り越えることだけを考えろ俺。


 サクラside


「ただいま」


 返事がない。

 あれ? 今日お姉ちゃんは部屋の模様替えをすると言っていたから、家にいると思ったけど。後ヒロトも。

 一階の居間を覗いてみるが誰もいない、私は二階の自室に向かうとお姉ちゃんの部屋から微かな声が聞こえる。

 もう、お姉ちゃんいるなら返事をしてよね。

 私はただいまを言いにお姉ちゃんの部屋に行くと、ハッキリと声が聞こえてきた。


「いぃ、ヒロトちゃんそこ、もっと強くして」


 えっ? 何? 今の声は?


「ヒロトちゃんに初めてしてもらったけど、こんなに気持ちがいいなんて思わなかったよ」

「ふっふっふ。そうだろ。俺のテクにかかればコト姉なんてチョロいな」

「もうチョロくていい、だからもっとして! 私を気持ちよくして!」


 ふ、二人はそういう関係だったの。


 やだ、やだ 、やだよ。

 私の中でよくわからない感情が沸いてきて、気づいたら行動に移していた。


「やめてヒロト!」


 私は我を忘れて、お姉ちゃんの部屋のドアを開ける。

 そこにはお姉ちゃんの肩を揉んでいるヒロトがいた。


 ヒロトside


「やめてヒロト!」


 突然サクラの叫び声と共に、部屋のドアが開いた。


「えっ?」

「なんだ! どうした」

「どうしたのサクラちゃん」


 サクラに視線を向けると、安堵した表情を浮かべているような気がする。


「さ、さっきから二人の声がうるさいから静かにして」


 注意しにきただけか。その割には血相を変えて部屋に入ってきたな。

 その時コトネはあることに気づく。


「はは~ん、サクラちゃんひょっとして、お姉ちゃんとヒロトちゃんがエッチなことをしてると思って入って来たんでしょ」


 コト姉の指摘にサクラの顔が真っ赤になる。


「ち、違うよ」


 今のサクラを見れば、そうだと言っているようなものだ。


「サクラは以外に想像力が豊なんだな。ムッツリというやつか」

「うるさい! ヒロトは黙ってて!」


 怒られてしまった。


「と、とにかく静かにしてよね」


 そう言ってサクラは部屋を出ていってしまった。


「サクラちゃん絶対勘違いしたよね」

「ああ、たぶんな」


 あんなに焦っているサクラを見るのは久しぶりだ。


「なんでサクラちゃん部屋に入ってきたのかな? 別にお姉ちゃんとヒロトちゃんがそういう関係でも問題ないよね」

「大嫌いなやつに、お姉ちゃんを取られたくないんじゃない」


 なんてったって殺したいやつだからな。

 コト姉は俺の返答を聞いて溜め息をつく。


「ヒロトちゃんは女心がわかってないなあ」

「コト姉に女心なんてあったっけ?」

「ヒロトちゃんひど~い。お姉ちゃんにだってありますぅ」

「例えば?」

「た、例えば⋯⋯好きな人をキスで起こすこととか」


 コト姉は顔が真っ赤になり、小声で何か呟いた。


「えっ? 今なんて言ったの?」

「し、知らない。お姉ちゃん用があるから行くね」


 こうして姉妹二人がいなくなり、俺だけが部屋に取り残された。

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